高速ストリーミング配信のAMAZON MUSIC HDが、サーヴィスを開始しました。
TIDALのハイレゾ音源がMQAであるのに対して、こちらはストレート音源であるので、開始前から関心をもっていました。そこで、UNLIMITEDの会員であるメリットをいかして、無料体験をためしてみることにしました。
専用のデスクトップアプリ「Amazon Music」をパソコンにダウンロードしての試聴となります(フルテック USBケーブル GT2PRO-B+インフラノイズ USBデジタルアキュライザー UACU-700にて、Singer SDA-1と直結)。現在のところ、オリオスペックのDiretta Target PCでは再生不可です。
いくつかきいてみたところでは、HD(CD音源)も、ULTRA HD(ハイレゾ音源、最大24bit/192kHz)も、けっして悪くはないのですが、TIDALとくらべると、全体的にもっちゃりした音質です。これは、専用のアプリが、それ程高音質にこだわったものではないからだとおもわれます。
この状態から、工夫次第でどれだけ高音質にできるのか、またTIDALなどの質の高い音源レバートリーにどれだけせまれるのかが、今後のポイントのような気がします。
早くも、PC用の専用アプリがヴァージョンアップされ、従前よりは、多少鮮明な音質になりました。
高音質化には、下記にあるように、JRMCのWDMドライバーを使用する方法があります。
これですと、オリオスペックのDiretta Target PCも使用できることになり、今までよりは、高音質で再生できます。
いくつかの同一音源でききくらべてみましたが、現時点では、HD(CD音源)に関しては、Windows版Audirvana+Diretta Target PC+TIDALの方が、解像度や立体感などにおいて、音質は圧倒的に良いようにおもいます。
しかし、ULTRA HD(ハイレゾ音源)の音質に関しては、JRMC+Diretta Target PC+AMAZON MUSIC HDの方に、もしかすると若干の差で、軍配があがるかもしれないとも感じられますが、この辺りについては、更に検証が必要とおもわれます。
「Amazon Music HD は ASIO が使えないので JRMC の WDM ドライバーを利用する事(サンプルレートは 192 kHz)で FIR EQ が使えるようになりいい音で聞ける。
少し聞いたらどうもサンプルレートは 96 kHz に統一した方が良いようだ。」
http://blog.livedoor.jp/sumi_live_door/archives/3068299.html" target="_blank">http://blog.livedoor.jp/sumi_live_door/archives/3068299.html
この種のアプリ(PC用の専用アプリ)では、音質向上のために、設定をみなおすことが大事ですが、まずもって、「設定」がどこにあるのか、わかりにくいです。
私も随分さがしましたが、自分の名前のところをクリックすると、みつかりました。「設定」-「詳細」で、「音質」設定にいきつきます。
「音質」は、十分なネットワーク環境がととのっていれば、「HD/Hi-Res」にする方が、高音質になります。
なお、「ラウドネスノーマライゼーション」の有効/無効については、一見無効にした方が良さそうにおもえますが、これについては、議論があるようです。
http://community.phileweb.com/mypage/entry/2819/20190921/63513/" target="_blank">http://community.phileweb.com/mypage/entry/2819/20190921/63513/
また、「オフライン再生設定」を、「再生可能な最高音質(HD/Ultra HD)」に設定します。
さらに、うっとうしい、「コンピュータの起動時にアプリを自動的に起動」する設定も、「設定」-「詳細」ではずすことができます。
taiyruさん
変な質問で恐縮なのですが、クラシック音楽の品揃えはどんなものですか。
中世、ルネサンスの音楽とか、現代曲(ちょっと古いですが1950年以降の音楽)なんかはどんな曲を聞くことが出来るのでしょうか。
yo様
実は私も、音質もさることながら、そこも大いに気になっていました。
収録数からすると、TIDALとほぼ同数のようですが(約6,500万曲)、やはり先行していて、こだわりのあるTIDALの方が、内容的に充実しているのではないかと予想していました。
事実、現在のAmazon Music HDは、一般的なクラシックファンが興味をひきそうなものが中心な様です。ただし、従来のAmazon Musicのクラシックはかなり充実していますので、今後はかわっていくかとはおもいます。
ちなみに、お申し越しの、たとえば「ルネサンス」を検索してみると、「ルネサンス舞曲集」位しかヒットしません(ユーザーでなくとも、検索はできるとおもいますので、ぜひお試しになってみてください)。
ただし、逆の場合もあって、たとえば今、エディット・ピヒト=アクセンフェルトのバッハをきいています。TIDALには、不思議なことに、彼女の独奏したアルバムはほとんどありません。
一方、Amazon Music HDでは、晩年に日本のレーベル、カメラータ東京に多数の録音をおこなったこともあって、レパートリーは充実しています。
taiyruさん
早速の回答、ありがとうございます。参考になります。
噂通り、日本録音のデータが充実しているということですかね。
試してみるかなと思います。
しかし、やはり本命はTIDALとなりますか。
TIDALは日本からの登録出来ない(これが大きい)という点がネックなのですよね。
yo様
今回のAMAZON MUSIC HDは、とりあえずAMAZON MUSICでも、HD(CD音源)やULTRA HD(ハイレゾ音源)が再生できるようにしてみましたといった感じのもので、高音質再生に関しては、あまり重きをおいていないような気がします。
その気になってくれれば、まだまだ先方で、高音質化についてやれることは多々あるとおもわれますので、今後に期待したいとおもいます。
もし、現行のものよりも更に高音質になれば、レパートリーの点で、TIDALなどとはまた違った魅力がでてくるように感じられます。
taiyruさん
ゴンザエモンさんのrpi-smpdでの接続レポートが公開されていますね。
http://www.ne.jp/asahi/gonzaemon/audio/diary47-01.html" target="_blank">http://www.ne.jp/asahi/gonzaemon/audio/diary47-01.html
仰るように音に問題ありのようで、Amazon側の改善が必要なのでしょう。
クラッシックで日本レーベルの音源というとカメラータとEXTON位ですけど、今後どう展開されるかですね。
現行のAMAZON MUSIC HDの音質を、少しでも向上すべく、今までいろいろとこころみてみました。
JRMCのWDMドライバーの使用、およびそれにともなうオリオスペックのDiretta Target PCの使用(No.6996参照)
専用のデスクトップアプリ「Amazon Music」の設定を、音質優先で変更(No.7004参照)
この種のアプリの使用では常識となりますが、再生音量は最大にしておくことは重要です(デフォルトでは、中途半端な音量設定です)。
また、現行のAMAZON MUSIC HDでは、ASIOやWASAPI排他モードの設定が無く、ビットパーフェクト再生ができないため、これが音質の冴えない最大の原因になっているとおもわれます。
それに対する対応策として、まず、Windowsのサンプリングレートの自動変換による音質劣化をさけるために、音源の種類がかわる毎に、サンプリングレートをあわせる必要があります(Windowsの「サウンドの設定」-「サウンド・コントロール・パネル」-当該デバイスの「プロパティ」-「詳細」-「既定の形式」)。同時に、低品質ディザーによる劣化をふせぐため、ビット数は24ビットで統一した方が良いようです。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/752552.html#14_s.png" target="_blank">https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/752552.html#14_s.png
さらに、Windowsのピークリミッターによる音質劣化を回避するために、それを無効化する、川本優氏作成のツール「Disable Peak Limiter in Windows Audio Engine」は、とても有効です(Windows起動毎に、手動で実行。作者は、万が一のWindowsの破損をふせぐため、自動起動等には設定しないことを推奨)。
https://kawamoto.no-ip.org/henteko/myapp.html#dpeaklim" target="_blank">https://kawamoto.no-ip.org/henteko/myapp.html#dpeaklim
以上の内で、特に「Disable Peak Limiter in Windows Audio Engine」の効果は絶大で、大幅な音質改善が実現します。
この音質なら、TIDALと、少なくとも同じ土俵には、何とかあがれそうです。
もっとも、現段階でも、Windows版Audirvana+Diretta Target PC+TIDALの方が、音質はまだなおかなり良いですが…。
ロスレス・ハイレゾ音源の定額制ストリーミング音楽配信サービスである、AMAZON MUSIC HDとmora qualitasとが出揃いました。
既にご報告しているように、これらをAudirvanaなどの音楽再生ソフトウェアで再生できれば、一層の高音質が可能となります。特にAMAZON MUSIC HDの場合は、ビットパーフェクト再生に対応していないので、尚更それが望まれます。
そこで、私がTIDALの再生に使用しているAudirvanaに、現在の日本におけるこうした状況を説明し、それらへの対応について、どうかんがえているのかをたずねてみました。
そうしますと、AMAZON MUSIC HDは、オーディオ品質の向上に貢献するとかんがえており、それを全面的に支持している。Audirvanaでの対応は現在検討中だが、現段階ではそこまでしかいえない、といった趣旨の回答を得ました。
一方、mora qualitasへの言及は、なぜか一切ありませんでした。
近い将来、Audirvanaで、少なくもAMAZON MUSIC HDは、きくことができるようになるかもしれません。
アマゾンジャパン デジタル音楽事業本部・事業本部長のレネ・ファスコ氏への、AMAZON MUSIC HDに関するインタビューが公開されています。
https://www.phileweb.com/interview/article/201911/28/698.html" target="_blank">https://www.phileweb.com/interview/article/201911/28/698.html
AMAZON MUSIC HDについての公式な情報は、アマゾンのウェッブページ以外ではほとんどでないので、これにはなかなか興味深いものがあります。
アマゾンの今までの様子では、オーディオ的側面を高めていこうというスタンスが、あまり感じられません。ですので、専用アプリケーションのビットパーフェクト再生への対応等も、今後おこなわないのではないかとおもわれる面もありました。
しかしながら、インタビューをよむ限りでは、必ずしもそうでもないようです。
「本家」として対応するのか、あるいは先日ご報告したように、音楽再生ソフトウェアやハードメーカーと提携していく道をえらぶのか、その辺りを見守りたいものです。