みみず工房ブログへの移行について
最近、FPGA(藤沢市パークゴルフ協会)サイトのレスポンシブ対応作業に熱中し、自分のみみず工房サイト(記事)の更新をサボっています(^^;;;。みみず工房を止めた訳ではないので、ご本家サイトと旧サイトを多少模様変えして、再開します。ブログとして、記事ページを装いを改め、音楽、インタネット、パークゴルフなどをテーマとするつもりです。
インデックページはブログを兼ね、タイトルも「みみず工房ブログ」と変更しました。従来の記事ページに相当します。
画面上部のリンク又はブログページのサイドメニューのリンクから旧みみず工房の各ページに移動できます。旧みみず工房の音楽コンテンツについては移動先のインデックスページからアクセスできます。掲示板についても新サイトにそのまま移行しましたので、従来と同じよう継続して使えます。
(others) 2023/04/12
シェークスピアは誰だったか ?
今日の毎日新聞の一面の見出しは『シェークスピア「作者は別人」』でした。台風とか、安倍国葬とか、統一協会とか、ウクライナとかいろいろ一面トップの記事はありそうなものなに、シェークスピアとはビックリ。しかも、一面5段ほとんどを使って、他の記事はすみっこの方に「内密出産 母の情報保管」だけ。
まあ、日曜日位は世俗を忘れ、歴史の話題を語ろうということなのですかね。
記事にはチャールズ三世国王がシェクスピアのファンで、この謎にも興味津々だったとありました。 父親の故フィリップ殿下とも真相を巡って散々議論したらしい。父親との議論に勝つために知り合いの文学者に「本人(シェークスピアのことです)が書いたという証拠書類を送ってくれ」とメールしたというから、相当の病膏肓だったようです。知り合いの文学者がバラしちゃったので、この件は広く知れ渡ったようです。
毎日は記者署名入りの記事が当たり前ですが、この記事の書き手はロンドン支局長のようです。かねてより書いてやろうとネタ集めしていた内容を、エリザベス女王の葬儀終了のタイミングで纏めたということなのでしょう。 この記事、1面だけでは終わらず、3面も全部使って、凄いボリュームでした。読みごたえは十分。面白かったです。すっかりシェークスピアの謎に詳しくなりました。というわけでご紹介します。
シェークスピアという人物が存在したことは間違いなく、シェークスピアの謎というのは、この実在した人物が本当にあの40本の戯曲を書いた人間なのかという点です。
シェークスピアは1564年にストラトフォード・アポン・エイヴォンで誕生し、1616年に死去しました。出生、死亡とも記録があり、人物の存在は証明されています。不明なのは学歴で、彼がどこでどのような教育を受けたのか全く記録がありません。彼の戯曲の内容から考えて、相当に高度な教育と海外に関する十分な知識ないと書くことは出来なかったはずです。
シェークスピアの父親は皮手袋職人であり、町長に選ばれたこともある市会議員であった。母親も裕福な家庭で育った。という訳で、彼もそれなりの教育を受けたはずと考えられます。ストラトフォード・アポン・エイヴォンにはカソリック系のラテン語のグラマー・スクールがあり、多分ここで教育を受けたのではないかと推測されています。しかし、この学校の学籍簿は散逸してしまったため、シェイクスピアが在籍したという確たる証拠はなく、進学してそれ以上の高等教育を受けたかどうかも不明です。
その後、1582年に結婚し(18歳ということになります)、双子をもうけたことの記録があります。結婚した女性はシェークスピア本人より8歳年上の姉さん女房だったようです。しかし、この結婚と子供を授かった後、彼が活動舞台をロンドンに移すまでの間に何をしていかのか、全くデータが残されておらず、謎の7年間と言われています。
ストラトフォード・アポン・エイヴォンの場所を示すための地図です。ロンドンとバーミンガムの間にあるのですね。ロンドンからは80Km。バーミンガムからは40Km。当時はバーミンガムはど田舎だったはずだから、ロンドンに出てきて、新しい活動を開始したということなのでしょう。
シェークスピアのロンドンでの活動で裏がとれているのは劇団の共同所有者、劇団の本拠地であった劇場グローブ座の共同株主、グローブ座の俳優としての活動です。戯曲の作者はシェークスピアという名前で公開されているが、彼が書いたと証明はされていません。
これがシェークスピアの戯曲は本当に彼が作者なのかと疑問視されている理由です。
毎日の記事から引用してみましょう。
・・・やがて、彼はロンドンに出て俳優になり、劇団の株主にもなった。抜け目のない実業家でもあり、土地を買い、晩年は故郷で過ごした。
だが、作品の内容を精査すると疑問が湧く。
作品は教養にみちあふれ、貴族的で、歴史や音楽、法律、宮廷文化の知識も豊富にちりばめられている。
そして「ベニスの商人」でイタリアを、ハムレットでデンマークを舞台にするなど外国事情に通じていた様子もうかがえる。だが「田舎町の職人の息子で、学歴も不明な人物に本当にこうした作品を書けるのでしょうか」とウォー氏はさらなる疑問を口にする。そもそも彼は生涯、外国を旅行した形跡がないと言われているのだ。
「lost years(失われた歳月)という言葉をご存じですか」。ウォー氏は続ける。
1587年ごろまでのシェークスピアはごく普通に暮らしている田舎の青年で、生まれた子供の洗礼や父親の裁判に立ち会った記録が残っている。しかし、その後、記録は途絶える。そして1590年代前半以降、繁栄していたロンドンで俳優、詩人、劇作家として活躍する彼が突然登場するのだ。
この数年の間に何が起きたのか。当時の記録は残っていない。
「シェークスピア本人が日記とか手紙とか自伝とか生い立ちを語った資料を全く残さなかった。最高レベルの文学水準の戯曲と詩だけがシェークスピア名前で存在している」ということが疑惑を引き起こしているのでしょうね。
という訳で、シェークスピア作という戯曲はベーコンやビアなどが書いたという説がとなえられているわけです。もっとも、この替え玉説が英国文学界のメイジャーというわけではなく、チャールズ三世国王などはシェークスピア派らしく、英国のいろいろな人の間でこの論争が戦われているという状態のようです。
毎日の記事ですが、三面の全部を使って、この論争の発端から、現在の展開まで詳細にまとめています。素晴らしい内容です。記事を読んで頂ければと思います。
ここでは記者の結論を僕の独断と偏見をまじえてご紹介します。
一方、「彼はあえて手紙や日記を残さなかったのかもしれません」。そう推理するのは、日本のシェークスピア研究の第一人者、河合祥一郎教授だ。
シェークスピアが「自分を消した理由」として、河合さんは宗教問題を挙げる。当時はカトリック教徒が英国国教会からにらまれ、徐々に弾圧されていった時代だ。彼の父親はそのカトリックで、後年は没落した。「シェークスピア本人もおそらくカトリックでした。そして彼のカトリックの友人は死刑になっています。こうした時代の中で警戒心を強め、できるだけ自分を消し、手紙や日記を処分したのだと思います」。
なるほどねぇ。どっかの国のどっかの政党の一部の国会議員と一緒だね(^^;;;。付き合いのある協会との関係を認めるとヤバくなるので、資料は一年で廃棄という手口ですな。
双方の主張を聞けば聞くほど迷ってしまう。だが私は、やはりストラトフォード生まれのシェークスピアこそ文豪その人であると気がする。
そう思うのは、河合さんの説明に納得した部分があったからだ。それは高等教育を受けた人だけが天才になれるわけではないという認識だ。「グラマースクールにしかいけなかった人物に才能があった。むしろこうした史実を認めるべきだと思うのです。そんなことが実際に起きた。それが不思議で面白いのです」と河合さんは話した。
そういえば、ちょっと比較は奇怪しいけれど、樋口一葉だって小学校卒業だったですよね。
さて、記事の終わりに。
一つのせりふがある。
「私は私ではない」。これは「十二夜」にも「オセロー」にも出てくる。別人説を聞いた後に味わうと、どこかい意味深長な気もする。・・・言葉にいくつもの解釈ができ、数百年後その味わいを楽しめる大きな魅力だ。
「私は私ではない」という台詞があると初めて知りました。オセローの言葉なのですかね。ググってみたが、それらしいのはイアーゴの台詞で
I am not what I am 「おれは一筋なわの男じゃない」
というやつですね。
なるほどねぇ。これはシェークスピア説に座布団一枚ですね。
(others) 2022/09/25
プーチンの裸
G7でさんざん話題になったようですね。
そして、プーチンも負けていない。記者会見で質問され、逆襲したらしい。
一連の経緯は日本語版のBBCニュースに詳しく書かれていますので、リンク先をご覧ください。
折角(?)だから、映像もご紹介しましょう。
まず、最初のG7の会合での雑談のシーン。G7の会見からスタートします。
次にプーチンの反論の記者会見。
こちらはYouTube映像を最初から埋め込みます。
仕掛け(挑発)人はやっぱりジョンソンさんなんですね。さすがです。偉い。
彼は本国イギリスではあまり支持率は高くないようですが、何でですかね。
- EC脱退を見事に乗り切った腕力とか。
- コロナ対策で当初の集団免疫策を外出禁止対策に切り替えた時の切り返しの鮮やかさとか。
- パーティ疑惑でじっと我慢、なんとか乗り切ったしたたかさとか。
何処かの国の腕力だけが頼りの元首相の対応と比較すれば、雲泥の差(もちろんジョンソンさんが雲ですよ)。立派なものだと思うのですが。
まあ、ウクライナの戦争で毎日亡くなる市民や戦場に駆り出されている兵士達のことを思うと、とても笑えはしないが、改めて、プーチンってほんと酷いヤローだと思います。
なんでロシア国民はこんなヤツを支持するのだろうか。困ったものです。
(others) 2022/07/03
トゥーランドット
実は一月前の「ドン・カルロス」も見ているのですが、書くほどの感想もなかったので、パスしました。今月は「トゥーランドット」です。
去年の12月頃、METライブビューイング2021-22という案内のパンフレットを映画館で配っていました。そこに、演目と主役のラインナップが記載されています。それによれば、主役のトゥーランドット姫を演ずる予定だったのはアンナ・ネトレプコです。「あら、ネトレプコのトゥーランドットとは凄いなぁ。どんな感じになるのだろう。是非見に行かなくちゃ」と思っていました。
その後、2月にウクライナ戦争が勃発。プーチンが、暴力団組長並の脅しのテクニックで、西側諸国を黙らせ、暴れ放題。とばっちりで、プーチンと仲の良かったロシア出身音楽家たちは、西側諸国から干されるということになりました。
という訳で、このトゥーランドットも主役はロシアのネトレプコからウクライナのリュドミラ・モナスティルスカに変更になっていました(交代した主役ですが、どちらの歌手も活動の拠点は米国及び西欧ですね)。モナスティルスカも悪くは無かったが、ネトレプコのトゥーランドット姫を見れなかったのは大いに残念でした。
5月5日の収録ということでしたが、極めて政治的な上演でした。
- 既に書いたように、主役のトゥーランドット姫がロシア出身のネトレプコからウクライナ出身のモナスティルスカに交代。
- バルコニー席にはウクライナの大使が臨席し、ウクライナ国旗が掲げられる。日本、ドイツなどの大使も同席していたようです。
- トゥーランドットはウクライナ、リューはアルメニア、カラフは韓国、ティムールはイタリアと反ロシアの国際的メンバーで主役陣で固める。
- MET総裁のインタビューは、オペラそっちのけで、ウクライナ支援にMETがどれだけ貢献したかという内容ばかり。
- 韓国ヨウフン・リーはインタビューで「誰も寝てはならぬ」に関連して、「今、世界は極めて大変な状況にあるが、我々(愛)は勝つ」なんて言い出す。
- カーテンコールでモナスティルスカがウクライナ国旗をトゥーランドット姫の衣装の上に羽織って登場。万雷の拍手を浴びる。
という感じです。
リー(カラフ)は良いと思いますが、「我々(愛)は勝つ」という部分での迫力がいま一つでしたね。ヤホ(リュー)は綺麗な声で楽しめました。しかし、このオペラ、リューとトゥーランドットとどちらが主役なのですかね。不思議なオペラです。
フルラネットのティムールは落ち着いた、味のある声で素晴らしかったです。また、合唱がとてもいい演奏で、プッチーニって、アリア作曲が上手いだけの人ではないことが良く分かりました。オーケストラ、指揮も良い出来でした。
指揮のアルミリアートがインタビューでこの曲のことを “Italian Melody in China” といっていました。面白い評ですね。トゥーランドットが “Italian Melody in China” ということなら、マダムバタフライは “Italian Melody in Japan” ということになる。「なるほどねぇ」。だから、長崎に富士山があり、着物の来方は左前で、芸者ガールが結婚式に登場となるのだね。
このオペラ、プッチーニが完成したのはリューの葬送の部分までです。その先は実質的には出来上がっていたが、作者がまだ手を入れるつもりの途中で亡くなってしまったということらしい。
確かに、最後の部分はプッチーニらしい壮麗なエンディングとなっているのですが、3幕のその前の部分までの展開と比較すると、違和感があります(だから、主役はリューという感想も浮かぶ)。ベリオが書きなおした修正版があるらしいのですが、聴いてみたいものです。
最後にこだわりますが、ウクライナ戦争の件でもう少し書き足します。
この件、悪いのはプーチンと彼を支持する勢力だと思います。
しかし、ロシア出身あるいはロシアと関係を持つ音楽家の方々は大変ですね。
ネトレプコについては上に書いた通りですが、もっと、困るのはゲルギエフの場合。彼はオセチア人(ジョージアの領地ですが、ロシアが2008年以降は不法占拠して地域)であり、完全にプーチン支持。南オセチアでロシア支持の演奏会まで行なっています。今回のウクライナ戦争の結果、西欧諸国からは完全にシャットアウトされてしまいました。
もう一人、クルレンツィス。彼はギリシャ人ですが、活動拠点はロシアのペルミ。彼の自由が効くオーケストラ(ムジカエテルナ)を維持するため、ロシアのメガバンクの支援を受けているという話です。こちらも今後の活動が出来るのかどうか、難しい局面にきているようです。
困ったものです。ショスタコーヴィッチとか、リヒテルとか、ソ連時代も問題のケースはあったのかと思いますが、プーチン・ヤクザ路線で再び顕在化しているようですね。ここに関連する情報があります。
来年のチャイコフスキーコンクールはどうなるのでしょうか。
(music) 2022/06/14
ナクソス島のアリアドネ
メット・ライブ・ビューイングだそうですが、公演が行なわれたのは3月。羊頭狗肉ですね(^^;;;。
演奏開始前にウクライナ国歌が合唱とオーケストラで演奏され、皆、起立して拍手でした。メトレプコさんはいつから復帰出来るのでしょうか。まだコロナマスク解除前だったようで、オーケストラも一部マスク有り、聴衆は、皆、マスクをして聴いていました。
高下駄(じゃなくて高スカート)を履いた三人(というのかしら)の妖精は印象的でした。妖精以外、アリアドネ、ツェルビネッタも上手かった。オーケストラもリヒャルト・シュトラウスのオーケストラレーションの素晴らしさをよく分からせてくれる演奏でした。
というわけで、全体としては高水準な公演だったのでしたが、どうも満足がいきません。理由は作品にあります。
ご存じのように、「ナクソス島のアリアドネ」は随分変わった筋書きのオペラです。
オペラ製作のドタパタの楽屋裏を描いた作品で、シリアスなオペラセリアと喜劇のオペラブッファを同時進行させるという実験作品です。よほど腕の立つ作曲家と台本作者がグルにならないと、こういう荒技はできないでしょう。シュトラウスとホフマンスタールというコンビだから出来た作品なのでしょうね。
このオペラ、以前、紹介した「ボリスゴドノフ」と同様に、初版が失敗し、その後、大幅に修正された改版で再演され、認められるという経緯を辿って、生き残った作品です。
今回、メットでは、「ボリスゴドノフ」は初版で演奏されましたが、こちらは改訂後の版で演奏されました。
「ナクソス島のアリアドネ」の改版ですが、「ボリスゴドノフ」以上の大改造です。初版の第1幕と第2幕冒頭部分を完全に入れ換え、前半部分の主役をホフマンスタールからズボン役の作曲家に変えて、作り直しています。この改造がピンとこないのですよね。まあセリフだけのホフマンスタールより、ズボン役の女声の方がオペラとして映えるということでしょうが、モリエール原作の面白さが消えてしまったという気がします。
直前の動画は「ナクソス島のアリアドネ」本体のオペラブッファ部分、そして、この下の動画は終わりのオペラセリア部分です。どちらもアリアドネ本体部の見せ場です。全く正反対のキャラクターが並立する必然性が改版された序幕では納得がいかないのですよね。
初版の室内オーケストラ伴奏付き演劇だと、劇中劇(ナクソス島のアリアドネ)とその前の狂言模様の舞台(町人貴族)がスムーズに繋がるという気がします。
この終幕の二重唱は凄いですね。ヘンデルとワグナーとヴェルディをごった煮にして、ドビュッシーとベルクを振りかけたという感じ。リヒャルト・シュトラウスらしい恍惚の音楽です。
というわけで、「面白いけど、謎の多い作品だなぁ」という感想です。
随分前ですが、ザルツブルク音楽祭での初版の演奏を録画して、テレビで見た記憶があります。とても素晴らしい演奏だったと思いました。まだ、HDRに残っているか捜してみるかな。
(music) 2022/04/28
メルカリの怪(3)
ちょっと旧聞になりますが、メルカリの怪(1)、(2)で書いた詐欺犯人が逮捕されたようですね。
この記事(時事通信)の続きには、「昨年11月ごろ、メルカリ利用者の40代男性のアカウントに不正ログインして、配送先の住所やメールアドレスを変更した上、ゲーム機1台(販売価格5万6000円)を購入し、自宅で受け取った。また、同人は、11月から12月にかけて、約100個の荷物を自宅で受け取り、報酬として計約1万円を受け取っていた。」とあります。僕のid/パスワードを騙った犯人と同じ手口ですから、この人物が詐欺犯人だったようです。
僕のアカウントの不正利用もこの100個の一つだったようです。まあ僕の場合はカード会社のセキリティのガードが固く、クレジット被害には合いませんでした。ただカードの情報は漏洩しているようなので、新しいカードに切り替えるなど、大騒ぎをしました。
犯人はカードは使えないので、メルペイを使って決済し、僕のアカウントの住所などの情報を書き換え、 ゲーム機を49999円で購入したようですね。僕はメルペイは使っていないので、メルペイ口座は持っていません。従って、49999円がゲーム機販売者に支払われたとすると、メルペイがそれを負担しているので、被害者はメルカリとなります。
記事は多摩中央署とあるので、多分、多摩の被害者が警察に被害届けを出し、逮捕に至ったということですかね。このケースではクレジットで支払われたようだから、被害者かカード会社のチェックが甘く、金額が支払われてしまったということなのでしょう。
メルカリは被害を補償するといっているので、被害届けに基づき、最終的にメルカリが被害金額を補償したのでしょう。
前回の記事で書いたように、犯人のipアドレスはバレバレで、
しかも「配送先の住所」までメルカリに知られているわけだから、捕まるのは当たり前です。逆に事件は去年の11月から12月にかけてなのに捕まったのは今年の3月、「何でそんなに時間がかかるのかいな! 日本の警察もトロいのね。」という感想です。
この犯人は100件の犯行でたったの1万円受け取っただけというから、オレオレ詐欺の受け子のようなものですね。手数料は一件あたり100円ということになります。随分、買いたたかれるものです。捕まるリスクを考えると、とても引き合うアルバイトとは思えません。犯人は大学生ということですが、何でこんな割りの悪いアルバイトを引き受けたのかしら。
本当の犯人はまだ使っていないようです。文春オンラインによると「同署によると、張容疑者は昨年9月、インターネット交流サイト(SNS)で別の中国人から荷物を受け取る仕事を紹介された。」とあります。この別の中国人は逮捕されていないようだから、犯人ではないのでしょう。真の悪者は中国国内に潜んでいて、インチキメールとフッシュング用サイトを使いメルカリidとメルカリ暗証番号を盗み、日本の関係者に物品の入手と販売を頼んだ人物なのですかね。中国に住んでいるから、日本の警察は手を出せない。逮捕できないのでしょう。
このフッシュング詐欺、記事の通りなら、総額は560万円位なので、規模は小さいです。従って、日本から中国に真犯人の逮捕を依頼するほどのことにもならないのですかね。
多摩の被害者はクレジットカードのセキュリティが甘くて支払われてしまい、被害にあい、届けを出して、ようやく日本の受け子だけが逮捕されたということなのかしら。メルカリは届けを出せば、被害は補償すると言っているので、ユーザには損害は発生していないのでしょう。メルカリは数百万円の損害を出しているが、メルカリの規模からいえば、軽い経費のようなものだということですかね。
というわけで、僕には金銭面での損害は発生していないし、カードの切り替えも完了しているので、この件は一件落着となるのかもしれませんが、どうにも釈然としません。特に、以前の記事で書いたようにメルカリのトラブル対応は、金銭の補償を除き、まったく不誠実なものだと思います。
いいかげんなトラブル対応しか出来ない会社はトコトン糾弾されるべきだと考えますので、取り敢えず、前回からの続きを記録しておきます。
1月4日に
そちらの拙劣なトラブル対応には呆れ果てたので退会させて欲しい。 何故、退会が認められないのか、納得のいくご説明をお願いしたい。
と書いたら、こういうご返事が送信した翌日の1月5日に返ってきました。
メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその6(1月5日)
「ご案内までにお時間をいただき申し訳ございません」とありますが、翌日に返信だから、速攻ですね。ただ、内容はあい変わらずメルカリ方針のゴリ押し。こちらのメールに書いた内容は一切無視です。あきれたものです。
補償金請求書が必要という内容に変わりはありませんが、退会出来ない理由は最後の
・メルペイスマート払いご利用分でまだお支払いが済んでいないものがある
ということらしい。
それならその点を丁寧に説明すれば、分かってもらえるかもしれないと考え、返信することにしました。
1月7日に送った連絡(返信)メッセージです。
Re: [67033] その他
メルカリ殿 名無しのごんべい様
ご返事ありがとうございます。
> お客さまのアカウントについてですが、第三者が不正に利用し請求が発生している状況でございます。なお、こちらの請求については先日お送りいたしました「補償金請求書(兼確認書 兼同意書)」の受け付けが完了するまで取り消し を行うことができません。
ご指摘の通り「第三者が私のアカウントを不正に利用し、請求が発生している状況」だと理解しています。
問題は補償金請求書は何らか損害が発生した場合を前提に作成するもののようですが、私の方に今のところ損害は発生していない点です。
そちらの論理は「不正に購入された商品の代金を私が支払い、その代金を盗難として警察に届け出て、補償金請求書を作成して、退会してくれ」となります。こんなバカな話がありますか。
「こちらの請求については先日お送りいたしました」は確認していますが(「1月 1日に「メルペイスマート払いの支払い期限は1月31日です」という請求メールが届いています)、私が購入していない商品に対する請求に支払いをするつもりは ありません。
また私に損害は発生していないので、警察に届けることは出来ません。従って、補償金請求書を作成することも不可能です。
現在の状況を普通に判断すれば、被害にあったのは不正なアカウントの利用により商品代金を騙しとられたメルカリであり、私ではありません。
従って、メルカリが警察に届け出を行い、補償金請求書を作成すれば良いのではないですか。
私もクレジットカードを切り替えるなど被害を受けていますので、是非、そうして頂きたいと思います。
アカウントの不正利用した犯人はOCNの利用者であり、商品を届けさせ、住所を登録したわけですから、そちらから警察に告発すれば、簡単に逮捕できるはずです。
何故、このまともな対応を無視して、実行不可能な要求を被害者の私に押しつけるのでしょうか。大変に腹立たしいです。
尚、何度も書いていますが、私はスマホアプリを使ってメルカリにアクセスしていません(1月6日に確認のため一時的にインストール、アクセスしましたが状況 確認後すぐアプリはアンインストールしました)。従ってメルペイは使えません。
私がスマホを使ってアクセスしていないことは1月6日に確認のため一時的にアク セスしたipアドレスと12月15日から19日まで不正犯人のアクセスしたipアドレス をチェックして頂ければ、確認出来ると思います(添付画像参照)。
ご返事をお待ちします。
(署名してあります)
以下は添付画像です。
まず、僕のスマホでのログイン履歴
次に不正アクセス犯人のスマホでのログイン履歴
ご覧の通りipアドレスとスマホの機種が異なります。反論の余地は無いので、これで終わりだろうと考えていました。
また犯人のアドレスやスマホ機種は明確なので、警察に通報すれば、簡単に犯人を逮捕できそうです。
ところが、驚いたことに、翌日(1月8日)、次のような返事がありました。
メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその7(1月8日)
このメール、前回、ご紹介した1月3日のメールの頭の部分の
また、ご不安な思いをおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます。
先日ご案内をさせていただきました通り、お客さまの損害補償にあたり、「補償金請求書(兼確認書 兼同意書)」ご記入のうえ、ご提出をいただく必要がございます。
ご連絡内容を確認したところ、下記理由により、受付を完了させることができませんでした。
・補償金請求書の申請をいただいていないため
という文が
本件の不正利用につきましては、メルペイスマート払いの被害がある場合、事務局にて債権取り消しのお手続きを行いお客さまへのご請求をお止めする必要がございます。
上記のお手続きにつきましては、先般ご依頼させていただきました補償金請求書のご提出が必要となります。
変わっただけで、それ以外は全く同じです。
「被害は無いのだから、補償金請求書は提出できない」と連絡(返信)しようとしていたら、こういうメールが届きました。
メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその8(1月10日)
このメール最後にこういうがあります。
なお、アカウントのご利用状況を事務局で確認のうえ、ご本人さま以外の利用が確認できた場合には補償の手続きを進めてまいりますので、恐れ入りますが本通知は破棄いただきますようお願いいたします。
多分、僕のようなケースが多発しているのでしょうね。だからわざわざコメントしている。「しめた」と考え、返信に「メルカリから不正利用の確認のメッセージは頂戴しているので、安心しました」と追加をしました。
以下は、その追加の前の返信メッセージです(追加部分は履歴を残すのを忘れました^^;;;)。
re: [83669] 購入・支払いについて
メルカリ殿 名無しのごんべい様
ご返事ありがとうございます。
> 本件の不正利用につきましては、メルペイスマート払いの被害がある場合、事務局にて債権取り消しのお手続きを行いお客さまへのご請求をお止めする必要がございます。
>
> 上記のお手続きにつきましては、先般ご依頼させていただきました補償金請求書のご提出が必要となります。
>
何度質問し、そちらの矛盾点を指摘しても、同じご返事しか頂けないようですね。
私はメルカリはパソコンでしかアクセスしていないので、メルペイスマート払いの被害は発生しようがありません。購入もしていない商品に関して、やることリストに「支払い方法の登録」と「支払い請求」されて困惑しているだけです。パソコンではスマート払いは出来ない仕組みなのはご存じの通りです。
何故、「事務局にて債権取り消しのお手続きを行いお客さまへのご請求をお止めする」ために補償金請求書の提出が必要なのでしょうか。事務局で取り消し処理できないのですか。理解に苦しみます。
「必ず、警察への相談や届出いただき「10」をご記載ください」は見当違いだと思います。私には被害は無いので、警察が出る案件ではなさそうです。
このまま支払い期限の1月末となった場合、こちらに非の無い債権なるものの支払いを強制することは出来ないでしょうから、どういうことになるのでしょうか。教えていただけると幸いです。
(署名してあります)
今度も次の日に返事がありました。その内容は呆れ果てるものでした。
何と最初(12月22日)の「メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその1」と殆ど同じ文面です。
タイトルと日付は違いますが、本文は頭の部分の一行を除いて同じ。さらにもう一通は12月22日の「事務局からのお知らせ」という連絡メールと全く文面です。
メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその9(1月11日)
メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその10(1月11日)
振り出しに戻るです。
こういう連中を相手にいくらやり取りをしても無駄ですね。
放っておくことにしました。
その後、このメルペイスマート払いの支払い督促メール(メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその8)が5日おきに送られきました。最初は「メルカリとメルペイの連携がとれていないね」とかイヤミを書いてやりましたが、そんなことにヘコタれる会社ではありませんでした。いけシャアシャアと前と同じ返信(その9)を返してきした。これはもう何を書いても 通じない相手だとよく分かりましたので、以降は無視し、返済期限(1月末)が過ぎるのを待つことにしました。
メルカリ殿、名無しのごんべい様 支払い要求メッセージ(2月1日)
これまでは全てパソコンを使ったメールか連絡メッセージでのやりとりだったのですが、何故かこのメッセージだけは、スマホのショートメッセージ機能を使って送られてきました。僕はスマホのアプリを使ったメルカリアクセスは行なっていないのですが、ログインだけは二段階認証とし、スマホを使ってセキュリティを対策をとっています。従って、メルカリは僕のスマホにメッセージを送りつけることが出来るわけです。 もっとも、このセキリティ対策は詐欺犯人はスマホからアクセスした場合は有効化されないので、意味はないと分かりました。メルカリの数多いセキュリティホールの一つだと思います。
何故、スマホのショートメッセージ機能で連絡してきたか、その理由はよく分かりません。まあメルペイ機能はスマホでしか使えませんからスマホで通知される自然ではありますが(逆に、それまでパソコンのメールで督促案内されていたことが変だったのですが(犯人の詐欺行為もスマホを使っていたわけです)。
支払い要求メッセージの中身は支払い期限を過ぎたので至急支払いするようにというような内容でした。
突然スマホでは使っていないメルカリから支払い要求のショートメッセージを受けビックリしましたね。
「この野郎、何を考えているのだ。スマホは使ってないと連絡メッセージで書いてやったのに、また無視された。バカにするな。」と考え、早速,ショートメッセージをウィルスメールとしてOCNに連絡してやりました。
という訳でこのメッセージの履歴は残っていません。
困ったのは「メルカリはウィルス会社だ」と登録したので、二段階認証のメッセージが届かなくなったこと(^^;;;。結果、詐欺にあったアカウントではログイン出来なくなり、このアカウントは誰にも使えなくなりました。退会したのと同じことになったようです(^^;;;(^^;;;。こういうのを「怪我の功名」というのですかね(^^;;;(^^;;;(^^;;;。
という訳で結局退会することは出来ず、今でも僕のアカウントはログイン不能なアカウントとして残っています。
以上で顛末の履歴はお終いです。ただただ呆れた内容でしょう。
メルカリのユーザサポートの酷さは前代未聞、空前絶後というレベルです。
こちらの言い分は無視して、自己都合の対応策を押しつけてくる。定型パターンの文面をコピー&ペーストで返信してくるだけ。
こっちは「退会させてくれ」とお願いしているのに、まったく無視して、自己都合の対応策を押しつける。被害は発生していないのに、警察に届け出て補償金請求書を出せというだけ。わざと、(警察に届け出るという)ハードルを高くして、押し寄せる被害者の苦情を撥ね付けようとしているのかなと邪推したくなります。
いくらパンチが当たってもメゲずに腕を振り回してくる鈍重なボクサーのようなもので、相手するのに疲れ果てました(^^;;;。
メルカリはフリーマーケットで場の提供だけ行い、トラブルは当事者間で解決してもらうという特殊なビジネス(運用)形態であることが、こういう変なユーザーサポート方式を定着させてしまったのではないかと思います。この運用モデルではメルカリは裁判官のようなものなので、双方の言い分を聞いて、判決を出すというスタイルになります。そうすると双方向の電話とかメールという手段より、連絡メッセージという一方向の情報のやり取りが都合が良いということなのでしょう。
しかし、メルカリ自身のセキュリティホールを解決するにはこの方法は最悪です。自分は裁判官、常に正しいという前提で、判決だけ伝えるというユーザサポートでは、ユーザ怒りだすのが当たり前ですよね。今のままでは、いずれ、顧客の反乱によりこの会社は潰れる運命にあるのじゃないかと思います。
メルカリはトラブル対応の悪さについて定評があり、「メルカリ トラブル」でググると出るわ出るわ。
今回紹介したトラブルは決済側なのですが、販売代金の受け取り側で発生したトラブルについて書いているサイトがあります。
メルカリは、東証の区分変更に乗じて、マザーからプライムに二段階アップを狙っているらしいのですが、こんな顧客無視の会社をプライムなんて、おこがましいです。トットと退場してもらいたいものです。
(others) 2022/04/15
ブニアティシヴィリのウクライナ・インタビュー
前回、ブニアティシヴィリのYouTube動画を紹介した際に、『3月6日にエストニアのテレビ番組でライブ演奏』と書きましたが、僕のはやとちりで、誤りであったようです。フランスのdirect2というテレビ局の報道番組だったようですね。番組名が「20H30 Le Dimanche」というらしい。日本でいえば、「サンデーステーション20時30分」という感じなのでしょう。YouTubeの別のチャネルで、キャスターがブニアティシヴィリにインタビューした部分を含めた動画がアップされていました。
さて、折角見つけたのですが、フランス語の会話、僕には何を話しているのか分かりません。何とかならないかと考えました。
音声翻訳という手があると思いつきました。
スマホにアプリを入れれば、簡単に出来そうです。「最新の技術はどの位の水準なのか」と早速試してみました。
以下はスマホが翻訳した内容をそのまま無編集で書き出した内容です。
- キャスター
- あなたは彼女を知っています、彼女はすでにグルジア出身の私たちを訪ねてきました。こんばんはKatia Bugatti Chevilly Katia、今晩私たちと一緒にいて、私たちの招待を受け入れてくれてありがとう。あなたは黒海とコーカサスの間のバトゥミの街で生まれましたが、ビリーで両親と妹と子供時代を過ごしました。あなたが19歳まで生き、90年代に内戦を経験したなら、今夜私たちと一緒にいてくれてありがとう。
まず、この紛争をどのように生きていますか、すでにこれらの紛争を経験しているヨーロッパの中心にいるあなた、この危機と現在ウクライナで起こっているこの戦争をどのように生きていますか?
- ブニアティシヴィリ
- だから、私が持っているのは感情の少し倍で、最近の同胞は皆、それは一つだと思います。いずれにせよ、それは悲劇ですが、それはどこかで予想外のことでした。なぜなら、それはすべての痛み、すべてのトラウマだから少し忘れていたからです。しばらくすると、あなたは少し忘れがちですが、どこかで、無意識のうちに、いつかそれが起こる可能性があることを知りました。それは私たち子供たちのためにまだ予想外のことでした。
90年代の子供たちである私たち、私たちはすでにこれを知っているので、私たちは特定の攻撃を受ける可能性があり、自分自身を守らなければならないので、常に少し緊張しなければならないという彼の気持ちを知っています。それが私たちの存在です。
- キャスター
- そのように、彼のメンタリティで、ウクライナの人々のこの抵抗はあなたを驚かせませんか?
- ブニアティシヴィリ
- いや、それでも驚きだ。それは信じられない。それは信じられないほど勇敢ですが、悲劇的でもあります。なぜなら、21世紀には、たとえ同じくらい勇敢であっても、人々も驚くべきものだからです。本当に美しい人々、1世紀には最初に外交で成功せず、戦争が起こらず、戦争を止めることができないことは容認できません。もちろん、野心があり、それは非常に明確であることを忘れてはなりません。
またはこんにちはマロウ、彼女は良いですか、それとも侵略者は自分を守る人はどこですか?しかし、この状況には子供がいて、女性や男性もいることを忘れてはなりません。明らかに脆弱な人々がいます。子供たちの目、彼らが望んでいるのは、私たちが見ることであり、もはや恐れがないことであることを忘れてはなりません。それは彼らが持っていないもので、これ以上問題はありません、そしてそれを止めることは絶対に必要です。
別のプリズムを持つことは許されない。現時点でウクライナにいて、悪いことと良いことについて話していたために脆弱な人々とは異なるプリズムと状況の認識を持つために、悪はロシアでプレーしないことでそれをうまく選択するでしょう。それが決して起こらないことを望んではいけません。
いずれにせよ、ある日、ロシア国民に対してではなく、ロシア国民ではないので、それは権力です。すべてのインタビューで、私はロシアを愛し、この文化を愛し、人々が好きで、ロシアの音楽が好きで、ロシア文学が好きで、それとは何の関係もないことを強調することが非常に重要です。
そして何よりも、私はそれが恋しいですが、2008年以降。彼女の悲劇を助けるために、私にとって、何かに抗議する方法を見つけないことは不可能であり、私はこの方法でプレーしないことを発見しました。2008年以来、もう一度、それが最後のものかと思いました。私には希望があり、戦争を止めることが目標だと考えることがとても大切です。
- キャスター
- そこで君の言うことを聞くよ、カティア、今夜、それは私たちに良い結果をもたらし、共鳴するだろう、きっと。
国境を越えて、レポーターズ・ウィズ・ボーダーズのアルバムと3つのお気に入りをインストールさせます。その前の今夜の午後8時30分から、彼の50年間の紛争、本とタイトル、故作家で文学教師のジョージシュタイナーが署名したヨーロッパの特定のアイデアをカバーしたパトリックショーベルに捧げられたレポーターフォトアルバム。そして、3月20日から、劇の恋人たち、コミューンは、イザベル・カレ、ピエール・ド・ロンシャン、テアトル・アントワーヌとローラン・セクシクと契約しました。次はライブ・ウィズ・カティアです。
でも今夜、ヨハン・セバスチャン・バッハの続編を私のテントに収めるのはあなた次第です。
日本語としては変な部分は多いですが、スマホもなかなかやるものですね。
- このインタビューはロシアがウクライナに侵略した直後に行なわれていること
- ブニアティシヴィリがジョージア出身であること
- 妹もピアニストであり一緒に演奏会をやっていること
- ブニアティシヴィリは1987年生まれであること
- ジョージアはロシアとの2008年の紛争により、ロシアと断交したこと
- ジョージ シュタイナーはオーストリア系ユダヤ人のコスモポリタンな作家/批評家であること
- フランステレビ局のキャスターはマロンという名前らしい
などの背景となる知識があれば、大体の意味はとることが出来ると思います。
音声翻訳にはSayHi翻訳というAndroidアプリを使いました。
操作は簡単でしたね。
- アプリを起動。パソコン側でYouTube動画を再生させ、スマホのSayHi翻訳画面のマイクボタンを押すだけ。
- 再生を止めると自動的に翻訳が開始され、完了すると、翻訳内容を読み上げてくれます。勿論、画面には原文と翻訳文が表示され、Copy&Pasteで利用することが出来ます。
- 一度に翻訳出来る会話の長さは一分程度です。上記の内容はインタビュー全体を5回程に分けて処理しました。
- 事前に処理する言語、話者の性別を設定しておく必要があります。話者の性別はちゃんと設定しないと、翻訳精度が落ちます。
- 相槌を打つなど、二人が同時に喋っている部分は上手く翻訳できません。「またはこんにちはマロウ、彼女は良いですか、それとも侵略者は自分を守る人はどこですか?」という部分がそうです。
- フランスの文化状況にはまったく無知なようです。最後のキャスターの案内の部分の訳はメロメロですね。スマホですから、文化的教養には不足するようです(^^;;;。
多分、簡単な会話なら、これで、十分、意思疎通出来るのではないかと思います。
便利な時代になったものですね。
(music) 2022/03/23
ブニアティシヴィリのアリアとウクライナ国歌
バッハのG戦場(線上^^;;;)のアリアと呼ばれている曲のピアノでの演奏です。アレンジはブニアティシヴィリ本人。3月6日にエストニアのテレビ番組でライブ演奏されたもののようです。
まだアップされたばかりですので、再生回数も1000回以下と少ないのですが、素晴らしい演奏だと思います。
“I do not own the rights to this video.” ということなので、いつまで公開されているか不明ですが、埋め込み共有しておきます。
同じ番組でウクライナ国歌「Chtche ne vmerla Ukraini」/「Ще не вмерла України」も演奏されています(タイトルは「ウクライナは滅びず」という意味らしいです)。こちらも、共有しておきます。
残念ながら、強奏部分でボリューム割れが発生します。YouTubeのボリュームを絞ってお聞きください。
ブニアティシヴィリの母国はジョージアです。
ちなみに、コパチンスカヤはモルドバ出身です。ロシアの周辺国はこういう素晴らしい音楽家達を輩出しているのですね。
(music) 2022/03/12
コパチンスカヤのピエロ・リュネール
ご存じの方も多いと思いますが、タイトルの曲と演奏が YouTube で試聴できます。
コパチンスカヤが演奏するピエロ・リュネールは、昨年、CDで発売されています。コパチンスカヤのシュプレヒシュティンメ(声)による演奏は類例のないもので、僕が去年聴いたCDの中ではベストワンと言える出来だと思いました。
YouTubeに動画があるよという情報はレコード芸術の記事で知り、早速、検索し、見つけたのが上記の動画です。
コパチンスカヤが The Saint Paul Chamber Orchestra と共演した演奏で、2017年10月27日に収録されたものです。動画のコメメントによれば、コパチンスカヤのピエロ・リュネールがウェーベルンの弦楽のための緩徐楽章と武満のノスタルジアの間にサンドウィッチされるという形で演じられたようです。
残念ながら、YouTubeで観られるのはごく一部だけです。多分、ヨーロッパの有料動画サイトなら全曲を見ることが出来るのかなと考えていました。
最近、レコ芸の記事(長木誠司「ディスク遊歩人」)を読み直し、「パリのラジオ・フランスのスタジオ104で収録された上演」とあるのに気が付きました。どうも、早合点して、間違えていたようですね。
こちらの動画がフランス・ミュージック(ラジオ・フランス)が公開しているものです。ここだと全曲試聴することができます。
YouTubeの画質・音質は随分進歩しましたね。このラジオ・フランスの上演ですが、スタジオ録画ということもありますが、素晴らしい品質です。僕の環境は、中華製の4Kの32インチ画面のディスプレイと総額一万ドル程度のローエンド・オーディオ装置ですが、難かしいことを言わなければ、十分満足できる映像と音質を堪能できました。
このYouTubeの動画には、曲と演奏について、簡潔、適切なコメントが付けられています。
Berlin, 1912 : Schoenberg fait entendre Pierrot lunaire, ensemble de vingt et un petits mélodrames pour voix et cinq instruments sur des poèmes d’Albert Giraud traduits en allemand. Le compositeur inaugure ici le parlé-chanté, technique qui révolutionne la déclamation, d’autant qu’il le fait dans une ambiance ironique, tendre et grotesque à la manière des chansons de cabaret. Avec Patricia Kopatchinskaja, comédienne à son heure, aussi acide qu’elle est virtuose au violon, Pierrot lunaire retrouve toute son âpreté goguenarde, et se voit entouré de musiques qui le mettent dans une nouvelle ambiance, inquiétante et survoltée.
問題はラジオ・フランスなので、このコメントがフランス語であること。何でフランス語を解しない僕が「簡潔、適切な」と断定できるのか。
理由を説明するため、ここで話を脱線させます。
コンピュータ利用の自動翻訳について。
『進歩がすさまじい「機械翻訳」、その理由をトップ技術者に聞く』という記事を読みました。非常に興味深い内容です。詳細はリンク先の記事を読んでいただければ良いかと思います。ここでは、その記事の中で
4~5年前にGoogle翻訳をいじっていて、急にレベルが上がったと思ったんです。そして、2~3年前自動翻訳サービスの「DeepL」が出て、とても精度が高く、もうこれがあれば、英語を勉強しなくていいかもしれないと思いました。
そして、その背景の近年の翻訳技術の向上について
そのうちのひとつとしてニューラル機械翻訳があります。2016年秋、Googleのニューラルマシーントランスレーション(GNMT)が発表されました。ニューラルネットワークを使った機械翻訳であるGoogle翻訳です。9月に中国語・英語間、ドイツ語・英語間などの翻訳サービスが始まり、11月から日本語が加わり、大きな衝撃を与えたと思います。
(中略)
日本の翻訳者たちは2008年時点では到底機械翻訳は使えないという意見でしたが、2016年に初めて使えるという意識になったと思います。さらに一段階レベルが上がったのが2018年くらいで、翻訳が難しかった中英間の翻訳も「ヒューマン・パリティ(human parity、人間並み)」と主張する人が現れました。(当然日英間もということになります)。
2018年の技術革新とはAIの採用のことですね。
というわけで、「DeepL」を使って、YouTubeにあるフランスラジオのフランス語の機械翻訳を試してみました。
まず日本語。
1912年ベルリン:アルベール・ジローの詩をドイツ語に訳した21の短いメロドラマ(声楽と5つの楽器のための)《ピエロ・ルネール》を上演。この作曲家は、キャバレー・ソングのように皮肉で優しくグロテスクな雰囲気の中で、口語-歌唱形式という、デクラメーションに革命をもたらす手法を導入しているのである。パトリシア・コパチンスカヤは、ヴァイオリンの名手であると同時に、酸味のある独自の女優である。ピエロ・ルネールは、彼のあざといまでの厳しさを再発見し、新しい、不穏で興奮した気分にさせる音楽に包まれる。
かなりいい線まで到達していますが、残念ながら、「ヒューマン・パリティ(human parity、人間並み)」とは言い難いですね。大体の意味は通じていると思います。
というわけで、今度は「フランス語 -> 英語」を試してみました。
Berlin, 1912: Schoenberg plays Pierrot lunaire, a set of twenty-one short melodramas for voice and five instruments on poems by Albert Giraud translated into German. The composer inaugurates here the spoken-sung, a technique that revolutionizes declamation, all the more so as he does so in an ironic, tender and grotesque atmosphere in the manner of cabaret songs. With Patricia Kopatchinskaja, an actress in her own right, as acidic as she is virtuoso on the violin, Pierrot lunaire finds all his mocking harshness, and is surrounded by music that puts him in a new, disturbing and overexcited atmosphere.
Translated with www.DeepL.com/Translator (free version)
いかがですか。「なかなかの出来だ」と僕は思いました。最後のセンテンスがいまいちですが、これも意味は通じる。
という訳で、英語訳を参考にDeepLの日本語訳を添削してみました。
1912年、ベルリンで、シェーンベルクは声と5つの楽器により演奏されるメロドラマ=ピエロ・リュネールを初演した。全曲は21の短い断片で構成され、全ての曲はアルベルト・ジローのフランス語の詩をドイツ語に訳したものに作曲されている。 詩はシェーンベルクが発案した「シュプレヒ・シュティムング(語るように歌う)」と呼ばれる歌唱法で歌われる。シュプレヒ・シュティムングは声楽の世界で革命を起こすものであった。彼はこの技法を場末の劇場(キャバレー)での歌唱法のように使い、皮肉だが、優しい、グロテスクな世界を現出させた。 ヴァイオリンの名手であるパトリシア・コパチンスカヤは、ここでは女優に変身し、シェーンベルクのシュプレヒ・シュティムングによる無謀なまでの荒々しさを適切に表現し、革新的な、そして混沌と熱狂の新しい世界を提示している。
シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」は彼が無調で作曲を行なっていた時代の最高傑作の一つでしょう。 上記の日本語なら、この曲がどういう具合に作曲され、「シュプレヒ・シュティムング(語るように歌う)」という画期的な歌唱法が初めて使われ、コパチンスカヤがその歌唱法をどのように演奏したか、良く分かるでしょう。
僕は原文のフランス語は全く分からないのですが、それでもコンピューターが訳した英文と和文を頼りになんとか正解に辿り着ける。このあたりがコンピュータ翻訳の最新状況を示しています。面白いところですね。
要するに最新のAIは将棋とか囲碁のような、ルールが決まっていて、余分な知識が必要ないゲームであれば、人間の名人に勝てるが、翻訳となると、機械の助けを借るいい加減な人間(僕のことです)にも負ける。ということですね。
コンピューターはシェーンベルクのことも、コパチンスカヤことも、ジローのことも知らない、こちらは知っている。その差が出るということです。
将棋や囲碁だったらルールは一つですが、翻訳のような人のやることはルールだらけ、知識だらけということですね。まだ当分は人間の方が勝てる。大丈夫なようなです。
さて肝心のコパチンスカヤの演奏の話に入る前の雑談で力尽きたので(^^;;;、続きはまたに。
p.s. 現代の狂ったピエロといえばプーチンさんでしょうね。月ならぬ帝国の復活という野望に憑かれて乱暴狼藉の限り。どうなるのですかね。ジローの詩と同じく首をちょん切られてお終いとなるのでしょうか。
(music) 2022/03/11
グロテスクな五輪
イマジンの著作権は、まだオノ・ヨーコさんが持っていると思いますが、彼女は北京五輪開会式におけるイマジンのあの使い方を許しているのだろうか。見せかけだけの民族融和の行進に嘘っぽく使われるなんて、ジョン・レノンがこの曲の託した自由と平和を希求する精神を冒涜するものでしょう。ヨーコさんに使用許諾を求めているなら、確実に拒絶されたと思うのですが。中国お得意の無断使用なのですかね。
聖火の最終ランナーがウイグルの選手とは。「偽善もいい加減にしろ」と言いたくなりますね。
ウイルス紛いのスマホ行動監視用アプリとか、中国批判するヤツは捕まえるぞという脅しとか、自国に都合の悪い映像、発言は遠慮なく遮断とか、内部告発する方々は容赦なく洗脳されるとか、香港で上手くいった手口を全面的に展開ということなのでしょう。こういう国に世界の経済が依存するようになったというのは、本当に困ったことです。
20世紀がファシズムと共産主義という全体主義の破綻を証明する世紀だったとすると、21世紀は習近平やプーチン流の覇権主義がウイルスと環境破壊に有効かどうか実験する世紀となるのですかね。どう考えても宇宙や自然を相手に勝てるばずの無い無謀な戦いを挑もうということだと思います。付き合わされる人々には迷惑な話ですね。
監視カメラとクラウドとAIで、月の裏側と砂漠と海の底で、党組織と10億の民と広大な領土で、何でもできると思っているのだろうね。本当にそうなのだろうか。過去の王朝の歴史が物語っているという気がするが。
グロテスクな五輪というタイトルは今月の文藝春秋の高口康太氏の「北京五輪のグロテスク」という記事から頂戴しました。他にインタネットに五輪を「グロテスク」と呼ぶ福島香織氏の記事「北京五輪にどうしても感じてしまうグロテスクさの正体」が同じタイミングで発表されています。
北京五輪はグロテクスだと感じている人は結構いらっしゃるようですね 。
東京五輪は無理を通して道理を引っ込めさせたという感じはしましたが、グロテスクという感じはしませんでした。「金メダルに国民を熱狂させ、コロナを忘れさせて、選挙に勝とう」という政治的茶番劇だとは思いましたが、それがグロテスクだとは思わなかった。
北京五輪は習体制と共産党支配を磐石のものにするという意味では同じような茶番ですが、何故グロテスクだと感じるのか。
この五輪がグロテスクな矛盾だらけだからでしょうね。ジョン・レノンが夢見た理想郷の真逆の世界でイマジンがもっともらしく使われていることに代表される矛盾。
バッハIOC会長が「ハムレットの舞台上で、俳優に政治的な意見を述べてほしいなどと誰も期待しないはずだ。」と言ったそうです。シェークスピアも口アングリでしょうね。あの戯曲は政治批判としてみられることを回避するため舞台をデンマークにしたのではなかったでしたっけ。
相変わらずですね。金儲けのためには、ありとあらゆる虚言、暴論をもってするということですかね。
東京五輪を強行した菅前首相は、結果として、コロナに負け、退陣に追い込まれたわけですが、中国はどうなるのでょうか。その前にウクライナで火がついて五輪どころではなくなるのかな・・・
とここまで書いたら、ROC(「流通卸売センター」ですかね^^;;;)なる自国の名前も名乗れない組織の金メダル最有力候補が薬物まみれという疑惑が発覚。しかも、その国は大統領は皆がボイコットする北京五輪の見物に来て、居眠り、ウクライナの周りに兵を構えて世界をハラハラさせているのだから。ビックリですね。
さらに、IOCはROCの抗議に負けて、疑惑の選手を出場させ、競技は続行されているというのだから、これぞグロテスクの極み。立派なものです(^^;;;。さすが疑惑の王者、IOC。完璧です。
もう真面目にこの競技を観戦しようと人はいなくなったでしょうが、真剣にプレーしている選手達が可哀相ですね。
(others) 2022/02/17
「作家政治家の栄光と屈折」
石原慎太郎氏の死に関して、「最後まで作家として振る舞い続けていた」という遺族の証言は興味深かったです。
彼の初期の著作は読んでいますが、印象に残るものは無かった。政治家に転身したあとのものは、読んでもいない。というわけで、書くこともないのですが、死に際してのマスコミや政界からさまざまなコメントはどれもピントはずれで、「なんか的を得ていないなぁ」という気がしていました。
その中で、今日の毎日新聞、伊藤智水氏の「作家政治家の栄光と屈折」という記事を読みました。「眼から鱗が落ちる」という内容です。モヤモヤを綺麗に晴らしてスッキリ。見事に謎が解かれたという印象です。
「文学と政治は両立出来ないのではないか?」という観点で一刀両断、バッサリと石原文学と慎太郎政治活動を叩き切る論説でした。
記事は石原の最後のベストセラー本(「天才」)のネタ本明かしから始まります。ネタ本は田中角栄の生涯を描いたドキュメンタリー「朝賀昭 角栄のお庭番」だそうです。ネタ本の著者(中澤雄大)は毎日新聞の記者だった人物なので、伊藤さんは中澤さんをしっかり取材したらしい。その部分が非常に面白いので引用します。
(中澤氏は)石原氏とも旧知の間柄だった。「天才」の刊行後に会うと「ありがとう、お陰でいい本ができたよ」と礼を言われた。いくつか間違いを指摘したら「え、あそう、悪かった」でおしまい。率直で悪びれず一見爽やかだが、中身は自分勝手で相当いいかげん、それも自覚してやっている。
他にもロッキード事件米国謀略説をうのみにしたり、最初の都知事選前、表で攻撃していた角栄に裏で金を無心していた過去をしれっとなかったことにしたり、ツッコミどころ満載の同書が、なぜそんなに売れたか。
(中略)
でも政治記者の目には、天才にあやかろうとする政治家・慎太郎の屈折した敗北宣言、自嘲まじりの総括と見えた。
最終行の政治記者とはネタ本を書いた中澤記者のこのベストセラー本に対する評価です。
僕は、石原がなんで晩年になって、角栄の伝記本を書いたのか不思議に思っていました。「うーむ、なるほど」ですね。ちょっとした手がかりがベースに、綺麗に謎が解けたということですね。
さて記事はここから政治と文学の関係の話に展開します。ちょっと省略して、途中から引用を続けます。
肉体、行為、実感、躍動、光栄、価値びん乱、没倫理・・・。石原氏の求める生き方において「政治と文学」は対立しない。「言語を扱う同じ世界で背中合わせ」だから、作家と政治家は両立し、お互いを向上させる。晩年までそう言い続けた。だが棺の覆われた今、どちらも中途半端に終わったとの評価は免れまい。
この後、一部略しますが、
江藤淳、三島由紀夫、川端康成ら政治に足を踏み込んだ一流(これ重要 yo付記)の文学者が表向きの理由はどうあれ一様に自死追い込まれた非命は偶然か。政治も文学も時に人の生き死に関わるが、精神の働き方は異なる。本当の文学の言葉は政治に無力であるからこそ文学である逆説を背負う。(中略)石原氏と同じくベトナム戦争を見た開高健は、だから政治を回避し釣に没頭したのだ。それが政治の業であり、文学の言葉なら、石原氏の長命に作家としての不全感がつきまとうのも仕方ない。
自殺した江藤、三島、川端との比較、石原に近いスタイル(率直な行動派)であるが政治を無視し続けた開高との対比。どちらも的確な例示です。「なるほどなぁ」と納得しました。石原文学が二流であることを見事に簡潔に証明している。
そして、下の写真ですが、政治家慎太郎は誰に破れたのかという話に移る。論説のこの後半の部分の指摘が凄いです。
写真の中央が石原に勝った日本の首相です。ビックリでしょ。本文を引用しましょう。
では、政治家・慎太郎は誰に破れたか。くしくもひと月前に無くなった海部俊樹元首相である。拳闘を愛し、ヨットで鍛えた俺が? 石原氏は冗談じゃないと目をむくだろう。
この後、海部氏へのマスコミの寸評が続きます。あまり格好良いものはありません。そして
在任中から「竹下氏のパペット(操り人形)」と呼ばれ、暫定内閣と目されながらも内閣支持率は中位安定、2年3カ月間続いた。結果的に自衛隊海外派遣と選挙制度改革への扉を開いたという意味では戦後政治の大転換を担う内閣となった。海部氏を「高校野球のピッチャー」と冷笑した戦後を代表する知性派・宮沢喜一元首相より、政権運営能力は上だったのが政治の面妖なところである。
「竹下氏のパペット」「高校野球のピッチャー」という酷い言葉を並べておいて、その言葉を発した本人と政策運営能力を比較して見せる。凄い技ですね。
そして、写真の総裁選挙戦の結果を示し石原氏が、林義郎氏にも負け、最下位で惨敗した結果を示す。さらに
林氏は宮沢派に入り、今や長男の林芳正外相が「次」をうかがう。
と続く。これは、どう読んでも、「父は最後まで作家だった」と言った石原伸晃氏が落選し、「次」どころではないことへの皮肉でしょうね。
6年後、石原氏は衆議院議員を辞任し、都知事への転身をするわけですが、著者はこれが海部氏に対する敗北に起因するものと見る。
さまざまな憶測はあれど、総裁選惨敗で限界をつきつけられたのは間違いない。歯牙にもかけなかった海部氏が永田ムラのみこしにのり、石原氏はムラを追われた。
論説の最後は都知事時代の評価になります。そのまま引用しましょう。
都知事13年間では政治家の醍醐味を味わえただろうか。ディーゼル車排ガス規制など業績はあるにせよ、運輸相、環境長官でできなっかたことを東京都で実行しても後退である。焦りが尖閣諸島購入など浅薄な蛮勇へ駆り立て、国政レベルの業績も海部氏に負けた。だが、別の栄光があった。「それでも日本人は慎太郎を選んだ」からだ。民主主義の逆説である。
コテンパンですね。
石原の政治的貢献でディーゼル車排ガス規制は誰でもみとめる最大のものだと思います。しかし、『運輸相時代に出来た話だろう。都知事としてやっても「後退である」』と言い切るとは凄い。ちょっと可哀相だという気もするが、その通りであることは事実でしょう。そしてこの点で「海部氏に負けた」と言われれば、反論の余地はありません。
「だが、別の栄光があった」からの最後の三行は鋭い指摘です。こうして作家としてはニ流以下、政治家としては数多くの失敗にも関わらず、「民主主義の逆説」で石原を讃える人は多いということなのでしょう。
(others) 2022/02/06
メットのボリスゴドノフ
メトロポリタン歌劇場が1年半ぶりに再開して、2021年-2022年度のシーズンを開始しました。初日の演目がボリスゴドノフ。ライブビューイングされるということなので、地元の映画館に見に行きました。
演出、演奏は素晴らしかったです。
この曲は1872年の改訂版かリムスキーコロサコフの改良(?)版で演奏されることが多いのですが、今回は1869年の初版(原典版)で演じられました。これがとても良かったです。
改訂版やリムスキーコロサコフ版にはポーランドが舞台の第3幕が追加されています。初版には当時のオペラでは当たり前だったソプラノとテナーの華麗なやり取り(アリアや二重唱)とバレエがありません。改訂版はこれをポーランドを舞台にする第三幕で補った訳です。
僕にはこの第三幕が違和感だらけで、「このオペラ、全体的には良く出来ているけど、第三幕はとって付けたみたいで、変だよなぁ」と思っていました。今回、初めて第三幕無しの原典版を聴いて、「なるほど、これがオリジナルだったか。凄い傑作」と感心。改めて、ムソルグスキーはバルトーク、ショスタコーヴィッチに繋がる重要な作曲家であることが良く分かりました。
プロローグの合唱の扱い、鐘の音の使い方、第一幕の旅籠屋での愉快な民謡風のやりとり、第四幕の白痴と子供たちやりとり、など20世紀の作曲家達の創作を先取りしたと思われる部分が多々ありますね(場面の表記は改訂版のもの)。
原典版は改訂版のポーランドの場(第3幕)がないので、演奏時間が140分位です。今回の公演では全曲を途中休憩無しで、通して演奏されました。これが、全体の統一感の強い演出と相まって、曲の緊迫感の高める絶大な効果があったと思いました。
原典版は正統な後継者であったドミトリー皇子を殺害したことをおびえ、死んでいくボリスの悲劇として全体が構成されています。従って改訂版の偽皇子グレゴリーに関連する場面は無く、緊張感の強いストリーとなっています。今回の演出はこのストリーを分かりやすく示すものだったと思います。
例えば、老僧ピーメンの書くバカでかい年代記の本は、舞台、右手に置きっぱなしにされ、この本と皇帝の椅子が演出上重要な役割り果たします。最後の場で僧ピーメンの殺された皇子に関連する奇跡が年代記の本の上で歌われ、ボリスの恐怖をクリアに示す。ピーメンが年代記に皇子殺しの事実を書き込む場では皇帝の椅子が舞台中央に置かれ、ボリスが苦悩する姿を演ずる。などの演出上の工夫が原典版の統一感を明解に示していました。
原典版と改訂版の違いについてはWikipedia)を参考にしました。
地元の大規模ショッピングモールにある映画館モール(というのかな?)に初めて入りました。平日、こういう演目ですので、さすがに客は少なく、ガラガラでした(200人以上入りそうな劇場に10人位)。
大画面、クローズアップで見られるのはいいですね。音はマアマアというところかな。僕の場合は、音楽を聴くには、自宅のオーディオ装置の方が優秀だと思います。映画館の音です。音楽を聴くにはギリギリ我慢出来るレベル。
終わって、カーテンコールで現地の客席を写していましたが、大部分の人はマスクをしていました。ニューヨークのお客はお行儀が良いということですかね。それともオミクロンの脅威は凄いということなのかしら。
メットのライブビューイングですが、「ナクソス島のアリアドネ」、「ドンカルロス」、「トゥーランドット」などの演目もあります。音はいまいちだけと、リアルタイムでニューヨークの演目を見られるのは魅力です。見に行きますかね。
ついでに、ザルツブルクとか、バイロイトとか、スカラ座とかやってくれると嬉しいなぁ。
(music) 2022/01/26
メルカリの怪(2)
前回で終わりにするつもりでしたが、年末年始、普通の勤め人はお休みだろうに、メルカリ/メルペイよりメールを3通頂戴しました。あまりに呆れた内容なので、公開し、糾弾(^^;;;します。
こちらの主張する内容を理解してもらうには、メルカリからの返信不可メールを読んで頂かざる得ないので、前回は控えましたが、今回のトラブルに関してメルカリから受信したメールの冒頭部分を引用します。前回引用を省略した発端のメール2通も引用します。
順番を変えると分かりにくくなるので、時系列で順番に紹介します。
これらのメールは全て返信不可のメールアドレスを使っていて、直接、返信することができません。メルカリがトラブル対応ために必要となる人数を減らし、メルカリ側を主張を一方的に通すための便法だと思いますが、卑劣な対応だと思います。
前回、最後に、メルカリ連絡板を使い、メルカリに送った僕のメッセージを紹介しました。そのメッセージの元となるメルカリからのメールの冒頭部分です。
メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその1(12月22日)
これは、その前のこちらからの問い合わせに対し、メルカリが僕のアカウントに対する不正アクセスがあったことを認め、賠償に応じると言ってきたメールとなります。
このメールに対して、僕はアカウントで使用しているメールアドレス、暗証コードとクレジット番号が漏洩しているようなので、このアカウントを使い続けることは難しい。従って、退会を希望する。しかし、アカウントの不正使用によるメルペイの仕掛残高が残っているため、こちらからは退会処理が出来ないので、何とかして欲しいと書いたわけです。
前回の最後に紹介した僕のメッセージのその部分をもう一度引用します。
今回のトラブルで登録したメールアドレス、暗証コードと関連するクレジット口座情報が流出し、悪用されていることは明らかなので、現在のアカウントは削除したいと思います。
退会手続きを取ろうとしましたが、「メルペイスマート払いの清算方法を設定していないので、退会処理できない」というエラーになります。なんとかして下さい。
当然、メルペイスマート払いは悪用した犯人が指定したわけで、私は関与していません(パソコンでしか使っていませんので、指定もできません)。
しかし上記の「メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその1」と同じタイミングで、次のメールが送られていました。
メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその2(12月22日)
賠償のための手続きを記述したメールです。引用した部分は冒頭の部分だけですが、「損害を受けたことを警察に届け出て、その証明を提出し、賠償の請求権を放棄を宣誓し、メルカリと代理の会社に処理を委託する書類を提出すれば、金は返してやるよ」という内容でした。
損をさせたのはメルカリのセキュリティの甘さなのに、それを無視して、不正処理の後始末をメルカリ側のやりたいようにしてくれれば、金は払うという感じです。あきれた内容でした。返信可能なちゃんとしたメールのやりとりなしに、メルカリ側の方針を無理矢理承諾させようというのだから乱暴です。
こんな一方的な処置にはとても応じられないと考えました。更に退会したいというこちらの意思を明確に伝えるため、12月23日に次のような退会依頼の掲示板メッセージとして送りました。
退会したい旨、連絡しましたが、返事が貰えてません。
至急対応お願いします。
(署名してあります)
この後、一週間以上経って、大晦日の朝、こんなメールが到着。
メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその3(12月31日)
以下省略しますが、12月22日の「メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその2」と全く同じ文面でした。
退会したいというこちらの希望は無視。相変わらずの一方的メルカリ方針の押し付けです。
次に、元旦の朝、こんなメールが到着。
メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその4(1月1日)
前回、メルカリからのメールは引用しませんでしたが、幾つかの定型パターンが用意されていて、得意(^^;;;のコピー&ペースト駆使し、返信不可アドレスを使い、返信するという対応しているようです。
要するにトラブルは日常化しており、対応は定型パターンで十分という方針のようです。しかし、僕のケースは定型パターンのトラブルではない(パソコンのみでの使用で、スマホは使わない。メルペイも登録していない)ので、この方針で対応されると変なことになるのですよね。
「返信メールその2」はメルペイの支払いが仕掛になっている顧客全てに自動的に配信するもののようです。月末の締め切り日の一月前前の朝に自動的に送られる。だから元旦の朝に届いたということだと思います。
そう言えば最初に引用した「メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその1」の最後の行に「メルペイスマート払いの清算要求が自動送信される」可能性があることは書かれていました(メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその1(12月22日)の最終行)。
まあ、自分で不正利用は確認したのだから、自動送信はキャンセルすることが出来ればよいわけだが、メルカリのセキリティ関連ソフトの出来が悪くて、それも出来ないのですかね(^^;;;。
1週間以上前に「返信メールその1、2」を返信した後、「返信メールその3、4」を続けて送りつけてきたわけだから、これはメルカリが「(僕に関係のない人物が行なった)不正使用の代金を払え。そして、警察にちゃんと届ければ、払った代金は返してやるよ」と言ってきたことになります。とんでもない会社だね。
こちらは「退会したい」と言っているのに、「損害は補償して やる。ただし、そのためには、警察に届けてくれ」という返事が返ってきていることになります。怒り心頭、こういうご返事をしました(1月2日)。
メルカリ名無しの方殿
以下の内容のメールを受けましたが、そちらは私の口座の不正利用は認められています。
従って支払いの義務は無いはずです。
またメルカリのアクセスにスマホもアプリも使っていません。従って支払うことは出来ません。
何故このような不手際が発生するのかご説明願います。
ちゃんとした説明が無ければ、警察に「メルカリから不正な請求を受けた」旨被害を届けるつもりです。
ご返事よろしくお願いします。
(署名してあります)
かなり過激に書いたためか、お正月でメルカリセキュリティ担当者が暇だったためか、次の日に返事は返ってきました。
メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその5(1月3日)
対応が出鱈目です。
こちらが「金額の被害にはあっていない。ただアカウント関連の情報が漏洩しているので、アカウントは削除してくれ」と言っているのに、「補償金請求書を出せ。出さないから処理を勧められないのだ」という返信を続けるだけ。 「この会社、真面目に相手にする気になれないなぁ」という感想ですね。
その2(12月22日)、その3(12月31日)、その5(1月3日)、全て基本的には同じ内容です。
メルカリ殿、名無しのごんべい様が何人がかりなのか分かりませんが、こちらの言い分は一切無視して、メルカリ内の勝手なルールを押しつけるだけ。これでは、どうやっても退会出来そうにありません。
もう、こういうヤツを相手にしても時間の無駄ですので、諦め、ここに書き込むことにしました。
「メルカリ殿、名無しのごんべい様 返信メールその5」に対する僕の返信予定の連絡メッセージです。
メルカリ殿 名無しのごんべい様
早速のご返信ありがとうございます。
非の殆ど全てがそちらにある今回の件で、こちらが退会するだけのために、「私が有する不当利得返還請求権を、御社へ譲渡することを本書面にて確認します」などと宣言する補償金請求書を提出する必要性はないと思います。
提出するつもりはありません。
ご参考までに今回の件、詳細を私のサイトの以下の記事に書き込んでおきました。
http://mimizukobo.sakura.ne.jp/articles/articles031.html#001
http://mimizukobo.sakura.ne.jp/articles/articles032.html#001
何故、退会が認められないのか、納得のいくご説明をお願いします。
(署名してあります)
これからメルカリ連絡板に書き込むつもりです。結果どうなるか。面白い展開になったらまた書き込みます。まあ無視されるだけでしょうけど。
僕のアカウントの「やることリスト」はこんな具合になっていて
メルペイスマート払いを設定し、清算しないと、退会できません。 メルカリは「不正に購入された商品の代金を自分で支払い、その代金を盗難として警察に届け出て、補償金請求書を作成して、退会してくれ」と返信してきたことになります。「バカにするな」ですよね。
パソコンではこのメルペイスマート払いは設定できないません。そして僕のスマホは二重段階認証用専用でアプリは入っていません。そんなことはメルカリのセキュリティがちゃんとしていれば、簡単にチェック出来ることです。
メルカリの行なうべきことは、メルカリではアカウント不正利用した犯人の電話番号、住所などは分かっているわけだから、直ちに自ら警察に駆け込み犯人を逮捕して貰い、犯人に代金を支払わせることです。
本当に今回のメルカリの対応は変ですね。怪としか言いようが無いです。