GStのエデットの基本
- インスツルメントエディタの使い方 -
GigaXとInstrumentEditorの使い方(音色のコントロール)
GigaXはキーボードの各々のキー別に、どのサンプルを使うか、音量レベルはどうするか、フィルターはどうかけるか、どんなエンヴェロープで鳴らすか、LFOをどうかけるか、レイヤをどう分けるか、チューニングはどうするかなどに関して、最大32通りの設定が可能で、これらの設定をヴェロシティやCCによりリアルタイムで切り換えることができます。従って、リアルタイムに鳴る音を相当に細かくコントロールすることができます。
設定はInstrumentEditorによって自在に編集可能です。編集機能はGUIを駆使したもので、ドラッグ&ドロップで簡単にウェーブを変えたり、複数のサンプル(ウェーブ)をまとめて処理したり、マクロを使って定型的な設定をボタン一つで適用したり出来ますので、とても便利です。GigaXとInstrumentEditorの操作体系は直感的に分かりやすい、良く出来たものだと思いますが、Gigaで使われるキーワードの意味が分かっていないと、「チンプンカンプン。何が何だかさっぱり分からん」状態になるでしょうね。問題はGigaXの操作の基本的なコンセプトとキーワードの意味を解説する記述がどこにもないこと。このため、GigaXの操作は永遠の謎のまま取り残され、サンプルプレーヤとしてのみ使われるということになっているのじゃないかと思います。
という次第で、ここでは、Gigaで使われるキーワードを解説をしながら、GigaX操作の基本的な考え方と具体的な使い方を説明します。なお、以下の情報は、NemeSys(TASCAM)社からの公式の情報は公開されていませんので、GigaXのマニュアル、ヘルプ、振る舞いから推定したものです。内容の信頼性について著者はいっさい責任を持ちませんので、ご了解下さい。
gspファイル(パァフォーマンス)
Gigaのセーブ機能で保存されるファイル(拡張子が.gsp)で、
などGigaXのパネルを使い操作した設定情報の格納ファイルです。
- ローディングするgigファイル
- ローディングしたgigファイルのプログラムチェンジ、バングチェンジの割り当て
- ポート、チャネル毎のgigファイルの設定
- ポート、チャネル毎のミキシング情報(ボリューム、パンなど)
- イフェクトの設定情報
- ウェーブ出力毎の出力設定(ボリューム、アウトセンド)
いわゆるDTM音源にはこのようなものはないのですが、MIDIファイルの頭でチャネル毎に音色の設定を行うデータに相当すると考えればいいでしょう。
Gigaを使って、曲を仕上げていく時、このgspファイルをセーブしておけば、毎回同じパネル操作をする必要はなくなるわけです。
gigファイル(パッチ*1)
DTM音源でいうとハードの箱の中にROMに格納されているサンプル音色と設定情報に相当します。ハード音源ではROMに固定されているものが、サンプラではディスクに置かれ、曲に合わせて、必要に合わせて、とっかえひっかえできるわけです。Giga用のサンプルにはこのgigファイルの形でサンプル音が収録されています。
一つのgigファイルは一つ以上のインスツルメントで構成されていて、インスツルメントの切り換えはプログラムチェンジ(+バンクチェンジ)で行うことが出来ます。インスツルメントというのは、DTM音源やMIDI音源のパッチに相当します。どのサンプル(ウェーブ)をどんな風に鳴らすかというデータの集まりと考えればいいでしょう。*1 DTM/MIDI音源のパッチに相当するのはインスツルメントで、gigファイルは関連する複数のパッチを集めたものとなります。
gigファイルの構成
gigファイルはサンプルファイルの構成情報とサンプル用の一つ以上のウェーブファイルから構成されます。
サンプルファイルの構成情報はインスツルメントと呼ばれるProgramChangeとBankChangeで切り換えられる楽器を構成する情報とそのインスツルメントが使うウェーブファイルを管理する情報(ウェーブリスト)からなります。
一つのインスツルメント(パッチ)は最大127(*2)のキーボード(これをリージョンと呼びます)で構成することが出来、それぞれのキーボード毎に32の異なる設定(サブリージョンと呼びます)をとることができます。従って、一つのインスツルメントは最大4064のサブリージョンを持つことができます。
ウェーブリストはインスツルメントの定義とは無関係(とは言えないのですが*3)にフォルダを持ち、ここにウェーブファイルを格納します。
GigaXではサブリージョンがウェーブの割り付けの最小単位となり、ステレオスプリット、ヴェロシティスプリット、ディメンジョンスプリットに分けて管理されます。*2 何故ノート数の128でなく、127なのかは不明ですが、推定されるのはキースイッチ用に最低一つのノートが使われてしまうということですかね
*3 通常、フォルダは音色、ヴェロシティの強弱などの管理しやすい単位に分けて作られますので、結果的に1インスツルメント1フォルダとか、1ヴェロシティスプリット1フォルダとかになります。
gigファイルの全体構成
|
インスツルメント
DTM/MIDI音源のパッチに相当します。最大127キーで構成されるひとまとまりのサンプル音色(リージョン、サブリージョン)の塊です。InstrumentEditorの画面右上に表示されるキーボードの下に白い領域が表示されますが、この白い領域全体がインスツルメントを意味します。通常はある楽器の一つの音色のまとめたもの(パッチ)か、打楽器など複数の音色を一つのキーボードで弾くためにまとめたもの(ドラムセット)として使われます。
DTM音源ではパッチリストやドラムセットはハードに固定で、操作したくても出来ませんが、サンプラでは自由に編集できるわけです。
編集中のgigファイルにどんなインスツルメントが設定されているかは画面左上のインスツルメントリストに表示され、ここで、どのインスツルメントを編集するか選択します。
リージョンとリージョンマップ
インスツルメントを構成する単位で、GigaEditorの画面右上に表示されるキーボードの下に表示される白い領域一つ一つのことです。リージョンはキーボードの連続する複数キー(一つでもよい)で構成されます。つまり、一つのリージョンは最小一つのキー、最大キーボード全体にできる訳です。画面では黒い線で白い領域が分割されて表示されますが、この一つ一つが一つのリージョンです。リージョンの最小単位は一つのキーですので、1インツルメントは最大127のリージョンで構成することができます。
リージョンマップとは一つのインスツルメントの全リージョンのマップで、この白い領域全体のことです。
リージョンマップの使い方
白い部分を左クリックして黄色くして、クリックしたままずるずる引っ張って音域を変えたり、右端左端を引っ張ってリージョンの範囲をかえたりできます。リージョンの表示は黄色いと選択、白色は非選択を表し、複数のリージョンを選択した場合は濃い色になっているものがアクティブ(*4)です。複数のリージョンをまとめて処理するには、Windowsの通常の操作と同じように、Control+左クリックやShift+左クリックという操作で出来ます。さらにある範囲のリージョンをまとめて指定するのであれば、リージョンの外で左クリックしたまま、目的のリージョンまでドラッグすれば、簡単に特定の範囲や全体を黄色にして、まとめて処理することができます。
*4 アクティブなリージョンのサブリージョンのパラメータ状態が画面右下に表示されます。スプリットの分割方法やフィルターの設定などを実行する時に、"apply to the similar region"をマークしていないと、アクティブなリージョンのサブリージョンだけが対象になります。詳しくは後述。
サブリージョンとスプリット
一つのリージョンは最大32のサブリージョンに分割できます。あるキーに対応してどういう具合にサンプルを鳴らすかはこのサブリージョン単位に指定します。またフィルター、ミキシング、エンヴェロープなどのパラメータの指定もこのサブリージョン単位に行えますので、その気になれば、非常に細かい設定が可能です。
一つのリージョンはステレオスプリット(スプリット数 1 or 2)、ヴェロシティスプリット(スプリット数 1 2 4 8 16 32)、最大5つのデメンジョンスプリット(スプリット数 1 2 4 8 16 32)から構成されます(*5)。
スプリットとサブリージョンの関係ですが、1スプリット=1サブリージョンで、リージョンないのサブリージョン数はステレオスプリット、ヴェロシティスプリット、ディメンジョンスプリットの数を掛け合わせた数になります(*5)。
*5 スプリット分割の単位(resolution)は2のn乗で、一つのリージョンは最大2の5乗まで分割できるので、スプリットは2の5乗=32となり、これをステレオスプリット、ヴェロシティテスリット、リージョン、ディメンジョンスプリットで共用するので、最大32のスプリット=サブリージョンに分割されます。
スプリットの分割され方
まずステレオスプリットですが、これは使用するサンプルで自動的に決まって、サンプルがモノラルなら一つのスプリット、ステレオなら二つのスプリットとなります。上記の説明で、ステレオスプリットのスプリット数が 0 or 2 と書いたのは、モノラルだと分割数は0。2の0乗で一つのスプリット、ステレオなら分割数は1で2の1乗で二つスプリットに分けられるということを意味します。
次にヴェロシティスプリットですが、モノラルサンプルなら最大2の5乗(32スプリット)まで、ステレオサンプルなら最大2の4乗(16スプリット)までのスプリット(サブリージョン)に分割できます。モノラルとステレオで乗数の差があるのは、ステレオスプリットの場合、ステレオであることで、一つの分割単位(2の1乗)を使用しているからです。
ディメンジョンスプリットも同じ考えかたになるのですが、詳細は次に。
ディメンジョン
ディメンジョンというのはCC(コントロールチェンジ)、アフタータッチ、レイヤなどを使って、音色、音量、エンヴェロープ、フィルターなどのパラメータを変える仕組みのことです。画面中央下、ヴェロシティスプリットの右に5段重ねで、領域表示されています。
ディメンジョンスプリット
ディメンジョンの分割のされ方ですが、ステレオスプリット、ヴェロシティスプリットと同じく2のn乗が分割の単位です。違いはディメンジョンスプリットは最大5個のディメジョンジョンにさらに分けられること。つまり5つのCCを使い分けて、音色やフィルターの効き方などを変えられるということです。
個々のディメンジョンのスプリット分割のされ方ですが、2の0乗であればディメンジョンの指定は無し、2の1乗であれば二つ、2の2乗であれば四つという具合に増えていって、2の5乗であれば一つのディメンジョンで32個のスプリット(サブリージョン)を使い切ってしまうということになります。
このスプリットへの分割のされ方とディメンジョンの数ですが、相関関係にあって、32個(2の5乗)のスプリットを使い切るまでディメンジョンを定義できます。
具体的には、例えばステレオサンプルを使って(2の1乗)、ヴェロシティスプリットを二つに分けている(2の1乗)場合、残りは2の3乗、つまり8個のサブリージョンにディメンジョン分割することが出来ます。ディメンジョンの設定としては、一つのディメンジョンを、2の3乗を使い切って、8個のスプリットに分ける方法と二つのスプリットに分け、一つ目のディメンジョンは2の1乗で二つのスプリットに分け、もう一つのディメンジョンは2の2乗で4つのスプリットに分けるという構成がとれます。
この場合、サブリージョンの数は前者が2(ステレオ)×2(ヴェロシティ)×8(ディメンジョン)、後者が2(ステレオ)×2(ヴェロシティ)×2(ディメンジョンA)×4(ディメンジョンB)であり、それぞれ、最大の32サブリージョンとなります。
ちょっと説明がゴタゴタしているのですが、要するにステレオスプリット、ヴェロシティスプリット、デメンジョンスプリットで2の階乗構成になっていて
2×2×2×2×2=32
それぞれの2の部分をどう使うか、構成次第ということです。
スプリットの作り方
実際に画面でヴェロシティ領域と個々ディメンジョン領域の上部にあるタブをクリックするとその領域をどうサブリージョン分割するかの設定画面が出ますので、これを実際にいじってみると、上述した仕組みが理解できるのじゃないかと思います。
例えば、モノラルのヴェロシティもディメンジョンも設定されていないサンプル(リージョン)を表示させてみて下さい。この状態でディメンジョンの領域は5段とも操作可能な表示になっていますね。ここでヴェロシティスプリットを作ってみましょう。例えば分割単位(resolution)を3(2の3乗)としてみて下さい。上部のタブをクリックし、表示された画面の左下(resolution)で3bitを選び、OKをクリック。ヴェロシティスプリットが8つ(2の3乗)に分割されましたね。
ここで、ディメンジョンスプリットの表示状態を見て下さい。上の二つと下の三つで表示色が異なっていると思います。3乗分の分割単位を使ってしまったので、残りは二つ。上の二つのディメンジョンだけ、使えるという意味です。
それではどちらかのディメンジョンの上のタブをクリックして分割単位(resolution)を2(2の2乗)で分割して見ましょう。操作したディメンジョンが4つ(2の2乗)のザブリージョンに分割されましたね。これで2の5乗分の分割単位を使い切って(ヴェロシティで3つ、ディメンジョンで2つ)、これ以上の分割が出来なくなったはずです。
リージョン/サブリージョンとパラメータの関係
リージョンの分割状態はリージョン表示の下左のヴェロシティ(ステレオ)スプリットとディメンジョンスプリットで示されます。そして下右のパラメータの表示はリージョンとスプリットの表示でアクティブなものが対象となります。どこがアクティブかということは、画面の表示で濃い色で示されます。リージョンであれば濃い黄色、スプリットであれば濃い緑です。
上記の状態でどれか適当なスプリットされたサブリージョンをクリックしてみて下さい。画面右下に表示されるパラメータは、クリックされ、濃い緑色に変わったサブリージョンの内容が表示されます。つまり画面中央下のスプリット領域で選択した32個のサブリージョンのそれぞれの状態を画面右下のパラメータ領域で参照、設定できるという仕組みになっているわけです。右下パネルのタブにあるように、EG/LFO1-3,Filter,Reponse,Mixer,Samplerdなどのパラメータをサブリージョン毎に細かく設定が出来るようになっているわけです。
一つのインスツルメントは最大127リージョン×32サブリージョンで構成できますので、最大4096種類のサブリージョンを使うことができます。こういう形でInstrumentEditorはインスツルメントを詳細にコントロールできるという訳です。
複数のリージョンサブリージョンをまとめて操作するには
さて、このリージョン、サブリージョン、スプリットという考え方はInstrumentEditorで複数の設定(リージョン、サブリージョン)をまとめて操作する時に、重要な概念です。InstrumentEditorでは画面右上に表示されるリージョンマップを使い、複数のリージョン(サブリージョン)をまとめて操作することが可能です。操作方法についてはInstrumentEditorのHelpを読んでいただければいいと思いますが、ヘルプに明記されていない注意事項をいくつか。
パラメータ一括操作の範囲
パラメータ画面の下のApplyボタンの右に"all region" "similar region"という二つのチェックボックスがありますが、それぞれ一括操作の範囲を示します。"all region" はインスツルメント全体、"similar region" はリージョンマップで黄色になっていてかつスプリット表示で緑色になっているリージョンのみが対象です。複雑なスプリット構成の一括操作をしている時、スプリット表示側の範囲の指定(*6)を抜かしやすいので要注意です。
*6 スプリット表示の領域も「ctrl+クリック」で複数のスプリットをまとめて指定することが可能です。
リージョンマップ+ドロップダウン・メニューでの一括操作の範囲
これもスプリット表示側で緑色になっている部分のみが対象です。よく間違えやすいので、上記と同じ注意が必要です。
レイヤ
通常は一つのサブリージョンに設定できるサンプル(ウェーブ)は一つだけなのですが、これを最大4つまでに拡大し、必要ならヴェロシティ、アフタータッチ、CCなどによりウェーブ間の音量をダイナミックにコントロールできるようにする仕組みのことです。
具体的な使い方(作り方)についてはマニュアルやヘルプに詳述されていますのでそちらを参照して下さい。
サンプル
一般にはサンプルというとCDROMで提供されるサンプルのことをいいますが、GigaXではウェーブファイルのことをサンプルと呼びますので要注意です。
サンプルリスト
画面左下のサンプル(ウェーブファイル)をプールして表示している部分です。サンプルをフォルダ単位に分けて保存することができて、このフォルダ毎ヴェロシティスプリットにドラッグ&ドロップすると、自動的にフォルダ内の各サンプルをリージョンに振り分けてくれます。この機能はヴェロシティレイヤを作るのにとても便利です。
キースイッチ
上記のディメンジョンを使った機能の一つで、音を出すのに使用しないキー(ノート)を使って、インスツルメントを切り換える機能のことです。例えばヴァイオリンのサステインとピチカートの音色があるgigファイルをヴァイオリンの使用しない音域のキーを使って切り換えるという具合に使います。キーボードによるリアルタイムの演奏にはとても重宝する機能です。
GStの画面右側中央に表示されるキーボードで赤く表示されるキーがキースイッチ用のキーです。
あるインスツルメントをキースイッチに対応させるには、次のウィザードツールを使ってインスツルメントを作りあげるか、新しいディメンジョンをキースイッチをコントロールに使って設定すれば出来ます。
ウィザードツール
複雑なインスツルメントを自動的に作成するツールてす。
同じ音色のヴェロシティの違うサンプルをまとめて一つのフォルダに集めておいて、一発で楽器にすることが出来ます。ウェーブファイルに設定されている音高情報から自動的にキーを割りつけてくれます(問題があれば、後で手修正することも簡単にできます)。
ヴェロシティ、レイヤ、ディメンジョンなどの分割も複数のフォルダにサンプルを別けて置いけば、自動的にスプリットしてくれます。それぞれのリージョン間の音量差なども事前に指定で調整できますので簡単。ループもウェーブファイルに設定された情報が有効となりますから、特に処理は不要。
操作はウィザード形式にエディター側からの問い合わせに順番に答えるという方式をとっています。4画面程度の全部で10項目程度の入力をすると新サンプルの出来上がりという具合。本当に簡単ですよ。
ヘルプに使い方の説明はあるので、詳しくはそちらを参照して下さい。
ウェーブ形式のCDやフォーマット変換出来ない(ウェーブは取り出せる)CDを使って新しい楽器を作る時には必携の機能です。
ドラッグ&ドロップマッピング
サンプルをドラッグ&ドロップするだけでインスツルメントを構成する機能です
画面右上の楽器のキーボードでキーを指定して(クリックすれば良い)、画面左下のサンプルリストから適当なサンプルを選び、画面中央下のヴェロシティ/ディメンジョンスプリットにドラッグ&ドロップ。これでキーとサンプルのマッピングがされるという機能です。
ウェーブにキー割り当てするのに使います。なお、一時的な設定でウェーブを鳴らせばいいというのであれば、エディターを使わないで、GigaX本体のDsoundという機能がありますので、こちらがお勧めのようです(僕は使ったことがないのですが)。
レイヤリング&クロスフェードレイヤリング
最大、二つのステレオか四つのモノラルのレイヤを構成できます。それぞれのレイヤは独自に音量とパンのコントロールが可能で、一つレイヤから別のレイヤにクロスフェードさせることもでき、その度合いはコントローラで調整できます。
操作方法はマニュアルの最後の方とヘルプにありますので、そちらを参照して下さい。二つのインスツルメントをマージしてコンバインするのが簡単です。
リリーストリガー
サンプルの発音のタイミングをリリース時に設定する機能のことです。
Amp Envelope と Release Trigger Decay Time を使うことにより、スタッカートのような速いリリースもクロスフェードした長いリリースも可能です。クラシックじゃ、そんなのいらないと思われるかもしれませんが、チェンバロのキーを離した時のクリックの音を再現するのに有効です。あとギータなどのフレットノイズの再現にも使えるのかもしれません(僕はギターは詳しくないので、よく分からないのですが)。
サブミキシング
サブリージョン(サンプル)単位に音量レベルを指定することができ、また、その変化幅をコントローラを使って指定する機能です。サンプル間の微妙な音量差を吸収するのに使います。また、サンプル毎に6dBブートすることも可能で、これ結構重宝します。
レソナントフィルター
サブリージョン(サンプル)単位に異なるフィルターの設定が出来ます。フィルターのモードはLow Pass, Band Pass, High Pass と Band Reject。
ドラッグツールエディティング
これは、ディメンジョンの項で説明しましたが、画面中央上のタブでEnvelopes, LFO, Filter, Attenuation, velocity splits などのアイテムを選び、画面右上のリージョン領域で適当なリージョンを選択し、アイテムの値をGUIで変える機能のことです。スプリット領域を複数指定することで、多数のサブリージョンの値をまとめて処理できますので、とても便利ですよ。