退廃の音楽家

SUB:RE:退廃音楽展 (~~;

けーざいさん、こんにちは。

暗そうだけど(^^:、おもしろそうな本ですね。さっそく捜してみよう。

1930年代って、亡命の時代ですね。

シェーンベルクは亡命し、ウェーベルンは残る。
ワルターは亡命し、フルトベングラーは残る。
バルトークは亡命し、コダーイは残る。
ヒンデミットは亡命し、シュトラウスは残る。

まあ、残った方は概ね政治的にはノンポリ派で、出てった方はユダヤ系であるか、
政治に潔癖な方々であったようです。けーざいさんが別のメッセージで書かれてい
たようにヒンデミットだけ例外で、はずみで亡命しちゃったケースですね(もっと
も残ってたら、強制収容所コースで、危なかったかもしれない)。

| それとゲッペルスの肝入りで<退廃芸術展>なるミセシメの逆展覧会を
| ナチスがやった話とゆうのは知っていたけれど、<退廃音楽展>とゆう
| のもやっていたのだなあ、やっぱりなぁ。。(--;

これ、なんかで読んだ記憶があります。当然、やりだまにあがるのは前者の亡命し
た作曲家達の作品ですげど、ウェーベルンがよく大丈夫だったなぁと思います。ナ
チスはウェーベルンの音楽なんて聴いたことがなかったのでしょうね。
しかし、第2次世界大戦が終わり、ナチスドイツが崩壊した直後に、アメリカ兵の
間違いで、ウェーベルンは銃殺されてしまうのですけど、歴史の皮肉ですね。

収容所で作曲された音楽としては、メシアンの「世の終わりのための4重奏曲」が
有名ですけど、あんな変な(?)曲を書いてて、よく処刑されずにすんだものだな
ぁと思います。ナチスの将校は楽譜が読めなかったのですかね。

                                                        窪田 洋(TBE00266)
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SUB:RE:退廃音楽家シリーズ

けーざいさん、こんにちは。

| しかもモチーフの扱い方が、なんだかマーラーの交響曲にそっくりで
| …おカタい内容にもかかわらず、すんなり読めてしまいます。

展開が支離滅裂。あっちに飛びこっちに飛ぶという意味でしょうか(マーラーファ
ンの皆様ごめんなさい(^^;;;。悪意はありません。僕もマーラーの交響曲、結構す
んなり聴いています)。

新ウィーン楽派の3人組とナチスの関係、ご賢察の通りでしょうね。
まあ、ナチスとしてはユダヤ人(シェーンベルク)のつくり出した音楽技法(12
音技法)に基づく作品は、作曲者が生粋のアーリア人種だとしても、認めたとは思
えませんね。

全然関係ないけど、アルマ・マーラーもシェーンベルクを嫌っていたのは有名です
ね。こちらは、シェーンベルクがヨーロッパでマーラーより玄人うけしていたのが
気に入らなかったらしい。二人ともカリフォルニアに亡命していますが、亡命先で
は、よそよそしい付き合いだったようですね(アルマ・マーラーの伝記で読みまし
た)。

1930年代のドイツの悲劇は芸術家崩れの人間(ヒトラーとゲッベルス)にとんでも
ない権力を許してしまったことでしょうね。ヒトラーが死の直前にお気に入りの女
官と部下の将軍たちの品評をやって、最後に一言。「しかし、やつらは皆、芸術の
分からない連中ぱかりだったなぁ」と言ったという話がありますけど、怖いなぁ。
同じ時期、ソ連ではスタリーンとべリヤの組み合わせでモダニストの粛清をやって
いますけど、本当に何という時代だったのだろう。

| うね。。たとえばビクトル・ウルマンのオペラ『アトランティスの皇
| 帝』もテレージェンシュタットのユダヤ人強制収容所で書かれとりま
| すが。。この曲、ポリドールはロンドンレーベルからCD出てますよ
| ね。(窪田さんならとうにご存じかもしれません (^^))

これ、知りませんでした(^^;。酷い話ですね。機会があれば曲を聴いてみたいと思
います。

最近(といっても30年近く前の話ですが)、恐怖政治に危うく殺されそうそうに
なった作曲家としては朝鮮のユン・イサンがいますね。西ドイツに在住していたの
に、KCIAにスパイ容疑で拉致監禁されて、強制的に韓国に連行。秘密裁判で死
刑を宣告され、あやうく執行されそうになったが、KCIAの暴挙が明るみに出さ
れ、ようやく西ドイツに無事生還できたということがありましたね。この時、獄中
でユン・イサンが書いた作品もオペラですね。死を目前にした作曲家は、言葉と舞
台のある作品で思いを伝えたくなるのかしら。

                                                        窪田  洋(TBE00266)