GentooPlayerの使い方(5)
本題に入る前に脱線を二つ。
久しぶりにゴルフをやりました。三密とは無縁の遊びなので、禁止はされていないようで、感染率が全国ビリッケツの県でも、ちゃんとゴルフ場は営業しています。もちろん他県の人はプレー出来ません。
ゴルフ場もニューコモン時代。貴重品ボックスなし、食堂なし、風呂なし、キャディなし、バンカーのレーキ無し、受け付けはビニール幕で防護、キャッシュレス、某新聞社員宅で起きたような騒動にならないようにニギリも無し(^^;;;。つまり、純粋にプレーだけを楽しむスタイルで、健康的に遊びました。
自粛ポリスもゴルフ場までは手がまわらないようで(^^;;;、平和裏にプレーできました。
メンバーは全員、致死率の高い年代のヤツばかり。コロナ死を選ぶか、自粛し過ぎの不健康を選ぶかの二者択一に関し、長考し、健康を選ぶことにしました。地元のスーパーの社長という方も入っているので、バレたらヤバイのじゃないかと思いますが、内緒でやりましたよ。
二つ目。こっちはオーディオの話。
ラズパイ4対応SMPDの正式版がリリースされました。
これは素晴らしい内容です。ここのところ、lightMPD、GemtooPlayer、HQPlayer Embeddedといった、インテル対応の高音質のlinux音楽ソフトが次々と登場しているので、そちらに目移りしていたのですが、十分に対抗出来る音質に仕上がっていると思います。試してみたいという方は、メンバ推薦を以前にアナウンスした方法で継続していますので、是非応募して下さい。
ここまでが雑談。ここからが本題。
今回はGentooPlayer(以下gpと表記します)をDLNAサーバーとして使うという話題です。gpのweb設定画面の「Player A Enable」を開くとこういう画面が表示されます。
赤丸で示したように MinimServer(以下msと表記します) を指定できるのですよね。このMinimServerはgpご本家のサイトではまったく触れられていないのですが、試してみました。enableを指定して、executeすると
GentooPlayer-64 ~ #ps aux ・・・・ root 5489 0.0 0.1 8588 2424 ? S 01:17 0:00 /bin/sh /opt/minimserver/bi ・・・・ root 6173 0.1 0.1 8976 4020 pts/0 Ss 01:19 0:00 -bash root 6282 0.0 0.1 8056 2604 pts/0 R+ 01:20 0:00 ps aux GentooPlayer-64 ~ #
ご覧の通りちゃんと起動されています。
どうやって使うのだろうとホームディレクトリをチェック。
GentooPlayer-64 ~ # ls ./ GentooPlayer-64 ~ #
何もないですね。しかし、MinimServerの起動に必須のjavaは確かにインストールされているみたいです。
GentooPlayer-64 ~ # java -version openjdk version "1.8.0_232" OpenJDK Runtime Environment (IcedTea 3.14.0) (Gentoo icedtea-3.14.0) OpenJDK 64-Bit Server VM (build 25.232-b09, mixed mode)
ということはどっかにインストールされたディレクトリがあるのだろうとチェック。
GentooPlayer-64 ~ # find / -name minimserver /etc/runlevels/default/minimserver /etc/init.d/minimserver /run/openrc/options/minimserver /run/openrc/daemons/minimserver /run/openrc/started/minimserver /sys/fs/cgroup/unified/minimserver /sys/fs/cgroup/openrc/minimserver /opt/minimserver
ありましたね。それでは普通にコンソールから設定するかと操作してみました。
GentooPlayer-64 ~ # cd /opt/minimserver GentooPlayer-64 /opt/minimserver # ./bin/ mscript setup startd stopall update scriptdemo.sh startc starti uninstall GentooPlayer-64 /opt/minimserver # ./bin/setup MinimServer desktop integration is not available MinimServer automatic startup is not available Do you want to change these settings (y/n)? y GentooPlayer-64 /opt/minimserver # ./bin/startc Another instance is using configuration file /opt/minimserver/data/minimserver.config GentooPlayer-64 /opt/minimserver #
駄目ですね。いうことを聞いてくれない。「このヤロー。生意気なヤツだ」と思ったが、どういう仕掛けになっているかさっぱりわからんです(^^;;;。
途方に暮れていると、ネット仲間から「gpのms機能ってなかなかいいよ」というメールを頂戴しました。「ええ、どうやって動かしたの」と訊く。
教えてもらいました。全てWindowsからGUIでやるという驚愕の方法でしたね(^^;;;。
音楽ファイルディレクトリの指定
ネットワークに繋がったWindowsPCから「ネットワーク」を開きます。
こんな感じの画面が表示されますので、mpのdlnaサーバを捜します(「MinimServer(GentooPlayer-64)」と表示されます)。見つかったら、アイコンを右クリック。プロパティを選択します。
プロパティ画面が表示されます。デバイスのWebページというタイトルでipアドレスが表示されます。そこをダブルクリック。
msのライセンス画面が表示されますので、acceptをマークしconfirmをクリック。
status画面が表示されますので、Content directoryを入力し、Update。その後、Rescanボタンをクリックします。Content directoryにnasを指定することも可能です。
メデタクこれで、gp dlnaサーバーいっちょうあがりです。
このサーバは使い古した型落ちのatom機でも動きます。古いインテルハードで、delaとかfidataといったバカ高い市販サーバーに負けない音がしますので、お勧めします。ちなみに写真は今回使ったハードの写真です。
このハード、食パンパソコン(EPSON Endeavor NP11)という名前らしいです。
gpの起動はUSBメモリから行うのが普通ですが、このシステムは内蔵のSSDにシステムと音楽ファイルを保存するディレクトリを置いています。理由は次にご紹介するアップサンプリングの負荷を出来るだけ減らすためです。このためにはこの食パンをスライスし、内蔵ディスクを交換する必要があります。「こんな薄いものどうやってバラすのだ」と思われるでしょう。やり方はこのサイトを参考にしました。外箱6箇所、SSDマウンター4箇所の六角ネジを取り外せば、交換できます。リンク先の記事の後半に詳しい説明があります。交換するディスクにはあらかじめgpのイメージをetcherを使い書き込んでおく必要があります(ハードが古いので、BIOS Embedded Systemを選択する必要がありますので、ご注意)。あとは普通に起動すれば、問題なく使えました。
次にこれを使って、アップサンプリング用の設定を行ってみます。
MinimWatchを使ったアップサンプリング用の設定方法
同じLAN内部でネットワーク接続されている外部のWindowsパソコンにMinimWatch(以下、mwと表記します)をインストールして下さい。方法はこちらを参照。
起動するとタスクトレイにこんな感じでアイコンが表示されます。
右クリックするとこんなメニューが表示されますので、propertiesを選択。
packagesタブを選択し、表示させるとAvailable Pachagesにminimstreamer-0.7.15が表示されます。これを選び、インストールします。ffmpegもいっしょにインストールされます。登録されて上記画面となります。
その後、systemタブを選ぶと、上図のように stream.converter に ffmpeg が表示され、これを使ってコンバートされることが確認できます。
stream.optionとstream.transcodeを設定します。下記の設定はサンプルです。
convOut=-af aresample=resampler=soxr,precision=28,preBuffer=2.7 flac:wav24;176,dsf:wav24;192
stream.optionはオマジナイのようなものですから、上記の通りでよいでしょう。stream.transcodeは環境次第ですので、適当な内容を選択する必要があります。設定方法については、こちらとこちらを参照して下さい。
(PC_Audio) 2020/05/23
HQPlayer Embedded(3)
まず、前回の続きです。
内蔵ディスクの指定方法
HQE(HQPlayer Embeddedのことです)で内蔵ディスクを指定して再生させる方法。
「GentooPlayerの使い方(4)」でご説明したように、初画面の下の方のメニューからlibraryを選びます。ユーザー名(root又はhqplayer)とパスワード(gentooplayer又はpassword)を聞かれたら入力すると、上記が画面が表示されます。これが音楽用のディレクトリを登録する画面です。
Path欄にディレクトリ名を入力します。例えば前回の操作例の通りだと、/media/musicと入力すればいいです。Clean scan は現在の登録状況をクリアしたいならマークします(通常はマーク)。
後はScanボタンを押せば、指定されたディレクトリの音楽ファイルの読み込みを開始します。
ディクトリが正しく存在し、読み込みが開始されると、上記が画面が表示されます。後は、登録が完了するまで待ちましょう。ファイル数が多いとかなり時間がかかります。
ファイルの登録が完了すると上記のような画面が表示されます。
タグ情報を使いアーティスト、アルバム、ジャンルなどに分類して表示する機能を持ちますので、DLNA並の操作性は保証されます。
configration操作画面解説
前回、configrationのための操作画面の説明に関して手抜きをしましたので、説明しておきます。
図の赤い楕円で囲った枠部分が再生の設定に関連する部分。青い楕円で囲った枠部分が変換の設定に関連する部分です。勿論、これだけでなく他にも設定に関連する項目はいろいろありますが、少なくとも枠部分は確実に設定する必要があります。
再生関連部分
- Backend
- DAC(DDC)部分ととどう繫ぐかの設定です。
Auto、Alsa、Network Audio の何れかを指定します。右端のボタンを押すとメニューが出ますのでそこから選びます。Networkaudiodを使う場合は Network Audio を指定します。Alsaを指定した場合はNetworkaudiodを通さないで直接Alsaにデータを送ることになるのだと思います。Autoはシステム側にまかせることになります。 - Alsa Backend
- BackendにAlsaを指定した場合、DAC(DDC)として何を使うかを指定します。右端のボタンを押すとメニューが出ますのでそこから選びます。
- Network Audio Backend
- Backendに Network Audio を指定した場合、DAC(DDC)として何を使うかを指定します。右端のボタンを押すと画面のようにメニューが表示されます。そこから選びます。正しく動いていれば、画面のように接続されている全てのDAC(DDC)の名前が表示されるはずです。このパソコンの場合、ONKYO PCI200というかなり古いPCI接続のカードが刺さっていますが、しっかり表示されています。
変換関連部分
- Output Mode
- Auto、PCM、SDM(DSD) から選択します。右端のボタンで表示されますので、そこから選択すれば良いです。
- PCM Settings, Sample Rate
- PCM の場合の変換レートを指定します。下の画面のように、右端のボタンで表示されますので、そこから選択すれば良いです。
- SDM Settings, Bit Rate
- DSD の場合の変換レートを指定します。右端のボタンで表示されますので、そこから選択すれば良いです。
xfsの使用
掲示板でゴロキさんが「USB-DACによるPCオーディオ作成手順書」という内容の投稿を連載されています。
この中でファイルフォーマットとしてxfsを使うという指定をされていました。それで、PCオーディオを始めた頃に、「このフォーマットが音質向上に有効だよ」とシンさんに教えられたことを思い出しました。最近、imgフォーマットで提供されることが普通になったので、OSのインストールから自力で行わなくなり、結果としてxfsを使わなくなりました。
このxfsフォーマットですが、別にシステムだけでなく、音楽ファイルを置くディスクに使うことも出来ます。
という訳でゴロキさんの書き込みを読んでこれは試してみる値打ちが有りそうだと思いました。掲示板に「gpで使えないのかしら」と書いたら、Cressonさんから簡単に出来るよというご返事がありました。
早速試してみましたが、ファイルの移行は大変ですが、効果はあるようです。以下、やり方です。
gpでxfsツールを使えるようにする。
emerge --sync emerge -a sys-fs/xfsprogs
gentooの場合、アプリケーションはPortageというパッケージ管理機能によって管理されています。emergeはこのPortageのコマンドです。「emerge –sync」はGentooリポジトリの更新を行うコマンドで、debianの「apt-get update」のような機能です。「emerge -a」は「apt-get install」に相当します。
次に、接続したディスクをxfsにフォーマットします。
fdisk /dev/sdx mkfs.xfs
これで接続ディスクをxfsで使えるようになります。後はマウントしてディレクトリ&ファイルをコピーすることになりますが、やり方はextフォーマットのディスクと同じです。
この項の内容は上に書いたようにゴロキさんとCressonさんの情報に助けられました。お二人に感謝いたします。
(PC_Audio) 2020/05/08
HQPlayer Embedded(2)
「この写真は何だ」という方は多いでしょう。
どうも、僕も住んでいる某国は既に脱線しているようです。苦しい時の神頼み。この国の得意技ですね(^^;;;(^^;;;。
だから、クマはマスクの代わりにお守りでガードというわけ。
本題に入ります。
前回のkomaさんのhqplayer構成の謎解きです。以下、僕がkomaさんに送ったメールです。
ProDesk600(プレーヤ部)では ネットワークデーモン(Networkaudiod)のみが動き MPGZ390(操作部)では HQPlayer(HQPlayer Embeddedではなく)が動いているのです。 HQPlayerというのはWindowsのHQPlayerと同じ機能の プログラムなので、操作機能が含まれています。この機能を使って 操作は行われるようです。 ブログの写真のようにSettingでBetworkAdapterを指定されて いますので両者はハブを介して接続されます。 データは左端のBubbleから右端のHQPlayerに送られ、しかるべく サンプリング処理された後、中央のNetworkaudiodに送られ、 非同期にタイミング処理され、DACに送られるということです。
謎解きのポイントはMPGZ390(操作部)で動いているソフトです。前回の図に示されているようにこれはHQPlayer Embeddedではなく、Windowsでも動くデスクトップ版のHQPlayerですね。最新のV4ではなく、一つ前のV3版のようですが。
このデスクトップ版のHQPlayerは、名前の通り、GUIによる操作が可能です。LinuxのGUIによる操作中の画面がkomaさんのサイトにあります。Windowsの画面と大差はないようです。
komaさんの環境でMPGZ390(操作部)はメールなどの日常操作に使うもので、LinuxのディストリビューションとしはArch Linuxを選択しているようです(日常に使うOSがArch Linuxだとは。さすがLinuxのプロですね!!)。
komaさんの話では「HQPlayerデスクトップ版は試しなので、普段使っているマシンにビルドして(!!)、インストールした」ということらしいです。ちなみに「何でV3だったの」と質問したら、V4は無いよというご返事でした。
これが、とんでもなく特殊な構成が誕生する元になったわけです。
まず、Arch Linux配下のデスクトップ版HQPlayer。こんなもの普通の人は使わないです。そもそも、よくArch Linux用のパッケージがあったものだと驚き、呆れます。komaさんの推理によると、「ArchLinuxのメンテナーにはAudio、videoが大好きな人間がきっと存在すると思います(笑)」 ということです。ArchLinux用のデスクトップ版HQPlayerのパッケージがあるなんて、HQPlayerの作者のJussiさんも知らないのではないだろうか。凄いです。
Arch Linux配下となれば音もいいでしょう。しかし、残念ながら、V4版が無いようです。従って、ライセンスの購入が出来ないので、本格的には使えないのですが。
図の中央はスクラッチ版のHQPlayer Embeddedを使っています。ここではHQPlayer Embeddedの本体(変換エンジン)は動いていません。動いているのはネットワークオーディオアダプター又はネットワークデーモン(Networkaudiod)と呼ばれるプレーヤに直接繋がる再生エンジン部分です。
前回も紹介しましたが、このネットワークオーディオアダプターはdiretta相当の負荷均一化機能があり、HQPlayerの高音質化するには欠かせないツールです。上記したWindows/LinuxのHQPlayerのデスクトップ版は再生機能をもっています。但しこの再生機能は負荷均一化機能はありません。高音質化させるため、負荷均一化機能を使うためには、ネットワークオーディオアダプターと接続することが必要です。このソフトは無償で提供されていますから、利用する一手だと思います。
ネットワークオーディオアダプターの使い方は簡単です。
設定のconfig画面のDeviceSetting(Path)からNetworkAudioを選び、下の方のNetworkAudioBackendで適当な音声出力アダプターを選ぶ必要があります。NetworkAudioを使わない場合は、WindowsではAsio、LinuxではAlsaをDeviceSetting(Path)で選択することになります。
この辺りが設定の最大の関門ですね。
さて、komaさんの設定でビックリしたのは、右側の音楽データベースに汎用DLNAサーバー(Bubble UPnP)を使っているのに、左側の操作部分はデスクトップ版HQPlayerの操作機能を使っていることです。つまり、かたや汎用のDLNAサーバー、こなたHQPlayer専用の操作機能。これでも動くらしい。驚きました。
以上で謎解きはお終いです。複雑怪奇、魑魅魍魎の世界だったのではないかと思います。
パソコン3台の構成ですが、1台はDLNAサーバーですから、実質的には2台で、操作機能をエンジン部分のパソコンと再生部分のパソコンをネットワークで繫いだということになります。従って、JPLAYなどの2台構成と同じことで、そんなに複雑な構成ではないのですが、上記したようにDLNAサーバとプロプライエタリーな操作&変換エンジン部分と再生部分がくっついているという点ではユニークでした。
さて、HQPlayer Embeddedには本体(変換エンジン)部分に再生機能を持っていますので、直接Alsaを指定し再生させることができます。しかし、高音質化させたければ、内蔵されているネットワークデーモン(Networkaudiod)という再生エンジン部分を使う一手です。そして、十分な性能を確保出来るハードであれば、両方を纏めて一つのシステムに出来ます。新しいハードであれば、affinity機能によりCPUを処理に貼り付けることが出来ますので、この機能を使えば、シンプルな1台だけのハードでシステムを構成することが可能になります。
4個以上のマルチコアの最新のインテルマシンを使い、この方法でシステムを構成することをお勧めします。音も僕の確認した範囲では、第8世代以降のi7以上のマシンを使えば、音質的には2台構成と差はないと思います。
この辺りは実験中なので、また改めてご紹介したいと思います。
ここでは、HQPlayerの高音質化のもう一つの方法を説明します。変換エンジンの活用です。
HQPlayerの特長の一つは強力な変換エンジンです。カタログスペックではPCMは1.5M、DSDは1024Mまで高速化出来ますし、PCM<->DSD間の変換も自在に可能です。実際、僕の環境ではカタログスペックの数値まではいきませんが、PCMで768K、DSDで512Mで再生が可能で、この設定での再生が、一番、音が良いです。
ただ、このPCMで768K、DSDで512Mでの再生には条件を整えてやる必要があります。 ポイントは音源ファイルを内蔵ディスクに置くこと。
NAS(dlnaサーバ)に置いた場合と比較すると、音源ファイルをメンテナンスする操作性は悪くなるのですが、高精度の変換により、音は良くなので、高音質化を重視する方にはお勧めします。
ただし、HQPlayer Embedded(以降HQEと呼びます)の場合、このやり方は音源ファイルをLinux管理化に置くことになるので、慣れていない方には大変です。
という訳で、以下はLinuxに関しては初心の(Windowsについては知識のある)方に、GPのHQEを使って、USB接続のハードディスクを登録する方法を説明した操作事例です。
ディスクの接続状況の確認
まず、ターゲットマシンのディスクの接続状況を確認します。
GentooPlayer-64 ~ # fdisk -l ・・・・・ Device Boot Start End Sectors Size Id Type /dev/sdb1 2048 390719854 390717807 186.3G 83 Linux ・・・・・
容量などから判断して、/dev/sdb1がターゲットディスクと分かります。
ターゲットディスクにバーティションを作成
/dev/sdbをlinux用(ext4)のディスクとしてパーティションを作成します。
「何でNTFSで作成しないのか?」という質問があるかと思います。トラブルを避けるためです。郷にいっては郷に従えです。linuxの標準フォーマットを使いましょう。Windowsのフォーマットは災厄の基です。
GentooPlayer-64 ~ # fdisk /dev/sdb Welcome to fdisk (util-linux 2.33.2). Changes will remain in memory only, until you decide to write them. Be careful before using the write command.
ここからがfdiskコマンドに対する操作となります。操作部分の下に操作内容を ****** 行で説明します。
Command (m for help): d ****** d(パーティションの削除)と入力 Selected partition 1 Partition 1 has been deleted. Command (m for help): n ****** n(パーティションの作成)と入力 Partition type p primary (0 primary, 0 extended, 4 free) e extended (container for logical partitions) Select (default p): p ****** pと入力 Partition number (1-4, default 1): 1 ****** 1と入力 First sector (2048-390719854, default 2048): ****** ディフォルトで良いので改行だけ入力 Last sector, +/-sectors or +/-size{K,M,G,T,P} (2048-390719854, default 390719854): ****** ディフォルトで良いので改行だけ入力 Created a new partition 1 of type 'Linux' and of size 186.3 GiB. Partition #1 contains a ext2 signature. Do you want to remove the signature? [Y]es/[N]o: y ****** ext2 signatureを削除してよいかと聞いてきたのでy(es)と入力 The signature will be removed by a write command. Command (m for help): w ****** w(作成したパーテション情報を書き込み) The partition table has been altered. Calling ioctl() to re-read partition table. Re-reading the partition table failed.: Device or resource busy The kernel still uses the old table. The new table will be used at the next rebo ot or after you run partprobe(8) or kpartx(8). GentooPlayer-64 ~ #
ext4ディスクとしてフォーマット
作成したパーティションをext4としてフォーマットします。Linuxのext4はWindowsのNTFSと同じようにポピュラーなファイル形式です。
GentooPlayer-64 ~ # mkfs.ext4 /dev/sdb1 mke2fs 1.45.5 (07-Jan-2020) Creating filesystem with 48839725 4k blocks and 12214272 inodes Filesystem UUID: aff94a00-e2ba-4047-9645-34450b5b4017 Superblock backups stored on blocks: 32768, 98304, 163840, 229376, 294912, 819200, 884736, 1605632, 2654208, 4096000, 7962624, 11239424, 20480000, 23887872 Allocating group tables: done Writing inode tables: done Creating journal (262144 blocks): done Writing superblocks and filesystem accounting information: done
NASとターゲットディスクをマウント
NASファイルを/mnt/sambaにマウントします。
フォーマットしたターゲットディスクのパーティションを/mediaにマウントします。
GentooPlayer-64 ~ # mount -t cifs //192.168.1.12/CD/ /mnt/samba Password for root@//192.168.1.12/CD/: パスワードを入力 GentooPlayer-64 ~ # mount /dev/sdb1 /media
/mediaパーティションの内容を確認します。
lsコマンドを使います。
GentooPlayer-64 ~ # ls /media/ lost+found GentooPlayer-64 ~ #
NASとターゲットディスクの状況確認
ここで、マンウト状況を確認します。
GentooPlayer-64 ~ # df -h Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on udev 10M 4.0K 10M 1% /dev /dev/sdc3 14G 4.7G 8.6G 36% / tmpfs 764M 784K 763M 1% /run cgroup_root 10M 0 10M 0% /sys/fs/cgroup shm 3.8G 0 3.8G 0% /dev/shm //192.168.1.12/CD/ 3.7T 2.9T 770G 80% /mnt/samba /dev/sdb1 183G 61M 173G 1% /media
最後の二行でNASとターゲットディスクが/mnt/sambaと/mediaにマウントされていることが確認できます。
musicディレクトリを作成
マウントしたパーティションに音楽ファイル格納用のmusicディレクトリを作成。
GentooPlayer-64 ~ # mkdir /media/music GentooPlayer-64 ~ #
音楽データのコピー
音楽データを丸ごとコピーします。-avオプションを使うのがポイントです。
コピーが終わったら、duコマンドを使い、内容と容量を確認します。
GentooPlayer-64 ~ # cp -av /mnt/samba/audio-gv/* /media/music/ ・・・・ GentooPlayer-64 ~ # du /media/music/ 264080 /media/music/鈴木大介 - 武満徹 没後20年記念 森のなかで ・・・・ 7980048 /media/music/
以上で最初の音楽データディレクトリの作成はお終いです。
エトセトラ
以下は参考です。
同期をとるコマンドはこれ。/mnt/samba/audio-gv/になっていることに注意。最後の/が必須。 rsync -avh --delete /mnt/samba/audio-gv/ /media/music/ 丸ごと削除する時はこれが簡単です。但し、確認無しに削除しにいくので、気をつけて。 rm -rf /media/music/* 内容を詳細に表示するための方法。-lオプションを使うことがポイントです。 ls -l /media/music/
rsyncはファイルの同期に必須のコマンドです。
使い方の解説はあっちこっちにありますが、以下は僕のお勧めです。
最後に、/dev/sdd1を自動マウントする方法です。
/etc/fstabにオープンするための行を追加します。
nano /etc/fstab /dev/sdd1 /media/ ext4 defaults 1 1
内蔵ディスクをHQPlayer Embeddedに登録するのはWEBの管理画面のlibrary機能を使えば、簡単に登録出来ます。やり方の説明は次回に。
(PC_Audio) 2020/04/18
HQPlayer Embedded
日本でHQPlayer は知られていますが、HQPlayer Embeddedの知名度は低いですね。
「HQPlayer Embedded」でググってみると、日本販売代理店(iCAT)以外にヒットするのはasoyajiさんのサイトでの10年位前の情報(ブログの紹介の書き込みに対する問い合わせ)だけです。
iCATのページではさすがに簡潔で正確な紹介がされています。
EmbeddedはiCATのRoonネットワークプレイヤーRNPシリーズに搭載しているGUIレスのHQPlayerで、GUIレスのLinuxにのみ対応した組み込み用途のHQPlayerで、GUIを搭載したWindowsやMacでは使用できません。このHQPlayerはLinux上のプロセスとして動作し、設定コントロールはリモートのブラウザーから行います
HQPlayer ClientのリリースによりWindows,Mac,LinuxのアプリとしてのClienetからの操作・設定も可能となりました。iCATでは、この度MsHD-Vegas5およびMsHD-Beat3のGUIモデルにも、このEmbeddedを搭載可能とし、Desktop OSでもEmbdedded Versionをお選びいただくことが可能となりました。 GUIを使用しない分、メモリーや余分なプロセスが実行れませんので音質的には有利です。
ただ、
DLNAレンダラーとして動作するので、
- android、IPADで動く標準のDLNAコントローラーを使い操作ができること
- サーバーとして標準のDLNAサーバーを使えること
が省略されています。上記の紹介文にもあるように、MsHDという自社開発のLinuxパッケージとセットの販売が中心なので、余計な情報は書かないということなのですかね。
HQPlayerご本家のサイトでは HQPlayer Embedded の紹介はトップページからCustom products というリンクでダイレクトに辿れるようになっていて、記述も充実しています。このページです。
ちょっとクーグル翻訳で紹介しましょう。
HQPlayer
HQPlayer Embedded は、Linuxベースで音楽再生とデジタルオーディオ処理を行うために設計されています。さまざまなデバイスからのデジタル入力とアナログ入力の両方を処理可能で、高度なDSPパイプライン処理されたオーディオ信号を生成、出力します。したがって、たとえば、デdigital-in-digital-outのアップサンプラーとして動作せたり、デジタルプレーヤとして使うことが出来ます。また、UPnP AVレンダラーとして機能させることもできます。さらに、HQPlayerを再生エンジンとして利用して、カスタムGUIまたは他のタイプのフロントエンドを実装するために使用できるHQPlayerコントロールAPIもサポートされます。 HQPlayer Embeddedには、モバイルデバイスと互換性のあるWebベースの制御および構成ユーザーインターフェイスもあります。
メディアのデコード機能拡張用FFMPEGライブラリのカスタムビルドオプションがあります。
デジタル型の室内音響補正およびその他のイコラージングの目的で、選択可能な畳み込みアルゴリズムをサポートします。Convolution エンジンは、RIFF(WAV)形式のFIRインパルス応答をサポートしています。従って、Acourate、Room EQ Wizard、Audiolense、DRCなどのソフトウェアで利用できます。
意味不明の部分は適当に手を入れています。但し、テクニカルタームの意味が分からない部分(^^;;;はそのままにしてあります。
HQPlayer OS
HQPlayer OS(イメージ)は、上記のHQPlayerの機能に合わせて調整、最適化された、完全にカスタムベースなLinuxオペレーティングシステムです。HQPlayer Embeddedとネットワークオーディオアダプターの両方の機能が単一のイメージに含まれており、そのままで起動可能です。このイメージは適当なプログラムを使い様々なメディアに簡単に展開できます。このイメージを使うのに特別なインストール手順は不要です。イメージをUSBメモリスティックまたは(micro)SDカードなどの適切なストレージメディアに書き込むだけで起動できます。
この部分は重要です。
何故重要かと言うと、要するにHQPlayer EmbeddedはOS込みでイメージファイルとして提供されているということです。従って、インストールは簡単です。WindowsでEtherを使えばインストール出来ますので、Linuxの知識は不要です。USBメモリをターゲットハードにセットして、電源を入れるだけで、システムを起動出来ます(ターゲットハードを、どうすれば、USBメモリから起動出来るかは知っている必要はありますが)。
少し脱線すると、このイメージファイルの中味ですが、いわゆるスクラッチと呼ばれる手法で作成されています。ベースになっているのはBusyBoxと呼ばれるlinuxプログラムです。BusyBoxとは組み込み用のシステムを作成する時に使われるツールで、標準のUNIXコマンドを実行するための多数のプログラムを単一の実行ファイルに「詰め込んで」提供するプログラムのことです。従って非常にコンパクトに構成されたシステムとなり、当然、高音質化が期待できます。lightMPDも同じような手法をとっていますので、ご存じの方は多いでしょう。
イメージファイルに関してはこのページに説明があります。
最初の起動時にはターゲットハードにコンソールディスプレイを接続することをお勧めします。起動すると始めに、一瞬、こんな画面が表示されます。
続いて、コンソールメッセージが次々と連続して表示され(ここを丁寧にチェックすることは不可能です)、
最後にこんな画面になり、1~2数秒、画面の更新が止まります。 その後、画面がクリアされ、ログイン用の画面メッセージが表示されます。
こういう具合に表示されていれば、正しく起動されたと見て、OKです。但し、起動時にネットワークや音源に繋がっているチェックされていません。従って、最初の起動後、以下の確認を行っておくことが賢明です。
上記ログイン画面でrootと入力すれば、パスワード無しで中に入れます。
これがネットワークの確認。ifconfigでチェック出来ます。繋がっていないと上記のように表示されます。正しく接続される場合はipアドレスが表示されます。
これが音源の確認。接続されていれば、このように機種名が表示されます。
この後はウェブから設定することになります。やり方は前回の書き込みで説明しました。
HQPlayerご本家のサイトの HQPlayer Embedded の紹介の続きです。ネットワークデーモン(Networkaudiod)の説明になります。
ネットワークオーディオアダプター
ネットワークオーディオは、プレーヤーがワイヤレスデバイス上で実行されている場合や、オーディオデータをエンドポイントにワイヤレスで転送する必要がある場合に、不安定な転送レートの問題を解決するのに特に役立ちます。ネットワークオーディオでは、光ケーブルを使用することにより、完全なガルバニック絶縁と長時間の実行が可能となります。ネットワークのマルチアクセスの典型的な恰好の例です。
HQPlayer Embeddedは、プレーヤーの入力側と出力側の両方にネットワークリンクを配置して、最大限の柔軟性と分離を実現します。
プレーヤーアプリケーションによって処理が実行され、処理されたデータは、DACに接続する非常に軽量なネットワークオーディオアダプターにネットワーク経由で非同期にストリーミングされます。非同期FIFOは、処理とオーディオ再生を最大限に分離します。
Processing is performed by the player application and the processed data is then asynchronously streamed over network to a very lightweight network audio adapter interfacing to the DAC. Asynchronous FIFO provides maximum isolation between processing and audio reproduction.
最後のフレーズは重要だと思いますので、原文もそのまま残しておきました。
これは要するにdirettaのうたい文句といっしょです。
処理されたデータは非同期にネットワークに送り出され、非同期な処理はFIFOのジッターを発生しない安定した再生を実現し、高音質再生を可能にすると言っているわけです。
このネットワークデーモンの組み込み方法も前回の記事でご紹介しました。
このスクラッチ版のHQPlayer Embeddedですが、linux版のHQPlayer Embeddedの中でもとりわけ良い音がします。
linux版のHQPlayer Embeddedについてはubuntu、debianやarch linuxなどでは、パッケージ管理されているようです。また前回ご紹介したようにgentoo linuxの場合はGentooPlayerを使えば、HQPlayer EmbeddedとNetworkaudiodが最初から組み込まれていますので、簡単に導入することが出来ます。ただ、音の良さと簡単に使えるという意味ではスクラッチ版のHQPlayer Embeddedがお勧めです。特に音源をUpnpサーバでなく、内蔵ディスクに置き、linraryで設定し、鳴らした音は最高だと思います。運用が大変なので、積極的にはお勧めしませんが、勇気と体力のある方は挑戦されたら如何でしょう。
Arch Linuxのパッケージについてはkomaさんが実験されたようですね。
彼の実験結果(このページに書かれています)は非常に興味深いので、紹介しましょう。
リンク先にもありますが、これがkomaさんが最初に動作確認した構成です。
さて、この構成の解読に入る前にちょっと解説。
脱線ではなく、この情報が謎解きの基本になります。
hqplayer embedded がどのように動作するかの説明です。
僕がkomaさんに送ったメール。
HQPlayer Embeddedの音楽データの再生の仕方には 二つ方法があります。 一つ目は標準のHQPlayer Embedded(ネットワークデーモンを 含む)が標準のDLNAレンダラーとして振る舞い、サーバと コントローラーは標準のものを使い、再生する方法。 標準のサーバー、コントローラーとはHQPlayer Embedded 以外の他のDLNAレンダラーでも使えるサーバ、コーントローラーが それに該当します。例えば、MinimServerやBubbleUPnPなどです。 紛らわしいのですが、アンドロイドのHQplayerクライアント (HQPDcontrol)はこの標準のDLNAコントローラーではありません。 二つ目はHQPlayer Embeddedが独自のプレーヤとして振る舞い、 ディスクから音楽データを読み込む内部機能で対応し、 再生する方法。 この場合は、当然、サーバは不要、コントローラーはこの 独自プレーヤのモードに対応するHQPDcontrolを使います。 この二つの再生方法があるのに、どこにもちゃんと説明されていない ことが混乱の元凶なのですよね。だからkomaさんも錯乱する(^^;;;。 ということです。お分かりになりましたでしょうか。 あのPDFの接続方法で音が出たのは驚きです。一つ目と二つ目の 方式がああいうネットワーク構成で混在出来るということらしいの ですが、ビックリ仰天、驚嘆賛嘆だなぁ(^^;;;(^^;;;(^^;;;。 面白いので、僕のサイトでそのまま使い謎解きしていいですか。
いよいよ謎解きに入るのですが、長くなったので、次回に。
お急ぎの方は、以上の情報とリンク先のkomaさんのサイトの情報を組み合わせて考えれば、答えは分かる筈です。
このArch Linuxを使う方法は操作性(GUI)と音質を合わせて考えるとベストの解かもしれせんね。但し、システムの構築は相当に大変だと思います。
(PC_Audio) 2020/04/10
GentooPlayerの使い方(4)
いよいよ「Windowsを捨てて、Linuxを使おう」の本題です。NetworkaudiodとHQPlayer EmbeddedをGentooPlayerに設定する方法を解説します。
例によって本題に入る前に脱線します。何で NetworkaudiodとHQPlayer Embedded なのかについて。
HQPlayerについてはご存じの方は多いでしょう。ちょっと前ですが、みみず工房掲示板でも tairyuさんが「HQPlayerとDiretta Target PC」というタイトルで丁寧なレボートをされています。また、最近、「PCで音楽」でasoyajiさんが「HQPLayerを最高の音にする(4)」というタイトルで素晴らしい記事を書き込んでいらっしゃいます。
これらの書き込みを読んでいただければ、HQPlayerの概要は分かると思います。HQPlayerはWindowsで音の良い有償ソフトとして、JPLAYと並ぶもののようです。僕も、一度、試して見たいと思っていたのですが、なかなか機会が無かった。トライするまでに至らなかったのは、WindowsならJPLAYを持っていて、これ以上ソフトを増やしても仕方がないし、ちょっと価格が高いというのが大きい理由でした。
しかし、今回、GentooPlayer がNetworkaudiodとHQPlayer Embeddedをサポートしていると知って、やってみようと考えました。Linux それもGentooという音楽再生にはベストのディストリビューションでこれらのソフトを簡単に使えるなんて、鴨がネギをしょって来たような、千載一遇のチャンスだと思ったからです。
HQPlayerのトップページです。「HQPlayer 4 Desktop - upsampling multichannel audio player for Windows, Linux and macOS」という謳い文句が示すようにサボートするOSはWindows, Linux and macOS です。
「linux デスクトップ ユーザー数」でググると情報が出てきますが、Linuxでパソコンを使っているユーザは圧倒的に少ないですね。パソコンユーザの2%~3%。パソコン使用ユーザーの30人~50人に一人いるかどうかというところのようです。HQPlayerのOS別ユーザ数の比率もおそらくこの比率に準じる値になると思います。つまりLinuxユーザはほとんどいないということになります。
実際、上記にリンクしたasoyajiさんとtairyuさんのお二人の書き込みもWindows版に関してですし、ググっても、出で来るのはWindows版やMAC版の記事ばかりです。
しかし、HQPlayerの出自はLinuxです。
作者(Jussi Laakoさん、フィンランドの方です)はMPDのボランティアのサボーターで、linux関連の様々なソフトを公開されています。HQPlayerのオリジナルはlinux版です。つまり、Windows版やMAC版はビジネスのために開発されたもので、ご本人が使っているのはlinux版だと思います。
HQPlayerはPCユーザ向けの有償ソフトとしては珍しくLinuxのサポートに力をいれたソフトです。HQPlayerは本体のデスクトップ機能とネットワーク対応するためのNAA機能から構成されます。デスクトップ機能、NAA機能共にWindows、Linux、mac全てのOSに対応しています。さらに、音質の要となるNAA版のLinux対応についてはインテルハードだけでなく、ラズパイ、BBB、Cuboxなどのハードでも動かすことができます。
デスクトップ機能に関しては、これをLinux専用にヘッドレスにし、高音質化させたEmbedded版が存在します。このEmbedded版の存在は作者が本気なのはlinux版ということを明に示していると思います。
という訳でLinux用のHQPlayerの実力を試してみたいと思っていたら、GentooPlayerでかなえられたということでした。
本題に戻ります。
起動用ディスクの作成から起動、ログイン、初起動直後の処理については前回の記事を参照して下さい。gp-updateと電源ボタンでのオフを設定した後の処理から続けます。
NetworkaudiodとHQPlayer Embeddedを登録
alsaを複数の音楽アプリで共用することは出来ないようなので、MPDなどを立ち上げたままにしておくことは出来ません。前々回ご説明したようにgp-menuから「Add to the system boot」、「Remove from starting the system」を使って設定することも出来ますが、シンプルで分かりやすいのはWebGUIを使う方法でしょう。
WebGUIの起動方法はブラウザのアドレス入力ボックスから「ipアドレス:5000/」です。こんな具合です。
上記画面の下の右側の部分はWebGUIの操作メニューとなります。
「Player A. Enable」という項目をクリックします。 左側の部分に選択出来るアプリケーションのメニューが表示されますので「Networkaudiod」、「HQPlayer Embedded」、「Web Interface」のみをenable。この三つ以外の全てをdisableにします。一番下のexecuteをクリックします。登録されたら画面右上の「reboot」項目をクリック。下のexecuteをクリックします。
再起動されますので、立ち上がるのを待ち、もう一度、「Player A. Enable」をクリック。「Networkaudiod」、「HQPlayer Embedded」、「Web Interface」のみenableになっていることを確認して下さい。
これで必要なアプリケーションの登録は終わりました。
ここで設定した「Networkaudiod」、「HQPlayer Embedded」とは何かについてはこのページを参考にして下さい。一言でいうと「HQPlayer Embedded」とはDLNA対応ヘッドレス版linux専用HQPlayer、NetworkaudiodはHQPlayer版のdirettaです。
次にHQPlayerの設定を行います。
HQPlayerの設定
ここから先の説明はGentooPlayerの説明ではなく、HQPlayerの説明になります。
「Networkaudiod」+「HQPlayer Embedded」はヘッドレスで動いていますので、WebGUIで設定を行います。WebGUIの起動方法は「ipアドレス:8088/」です。
この時、Google Chromeを使うと理由は分かりませんが、暗証番号の入力が出来ず、エラーになります。Edge、IEでは上手くいきました。以降はEdgeでの表示画面です。
これがトップ画面です。メニューの場所が分かりにくいのですが下の方に
Main Input Library Configuration Speakers Convolution Matrix Backup Restore About Authentication Key Log
という行があります。これがメニューです。この中の「Configuration」というのが設定用の項目です。これをクリックします。
ユーザ名とパスワードを問い合わせるダイアローグボックスが表示されます。
ユーザ名=root、パスワード=gentooplayer と入力して下さい。
設定用の画面です。全画面は長くなりますので、これは上段です。とりあえず設定する部分は左上の「backend」とある部分です。項目ボックスの左側のチェックマークをクリックします。
クリックすると、こういう具合に選択できるメニューが表示されます。ALSAとNetworkAudioから選択することになります。
次にこれは設定画面下部部分です。
選択メニューが表示されている「Network Audio Backend」を設定します。
設定が終わったら画面左下。「Apply」ボタンをクリック。これでとりあえずの設定は終わりです。
これ以上の設定に関する解説はHQPlayer Embeddedのアップサンプリングを中心とするチューニングに関わる内容となります。実はHQPlayerの最大の特長はこの点のようですが、僕もユーザではないので良く分かりません。代わりに、ググって見つけたサイトをご紹介します。
- HQPlayer Network audio adapterの設定方法
- hqplayer+jetson nano
- MEASUREMENTS: A Look At HQPlayer 3.25; Filtering, Dithering and DSD Conversion
(PC_Audio) 2020/03/21
GentooPlayerの使い方(3)
今回のテーマは「HQPlayer、Roonを使いたければ、Windowsを捨てて、Linuxを使おう」です。
前回ご紹介したようにGentooPlayerの設定はメニュー形式をとり、そんなに難しくはありません。最新のインテルハードのマシンさえあれば、GentooPlayerは比較的簡単に動かすことが出来ます。そのやり方をご説明しましょう。
準備するもの
GentooPlayerはUSBメモリから起動します。従って、使えるハードはUSBメモリから起動できるインテルハードです。
CPUは多いほど、速いほど、音を良くなります。理想はインテル第8世代以降のコア数6以上のマシンです。従ってi7又はi9マシンがベストとなります。メモリは4GBあれば十分です。
ネットワークに繋がっている必要があります。Wifiも可能なようですが、面倒なので、有線での接続をお勧めします。
USBメモリから起動しますので、ハードディスクは不要です。USBメモリサイズは8GB以上必要です。ディスクからの起動も可能ですが、面倒なので、お勧めはしません。ハードディスクからの起動方法(システムディスクとして使う方法)は最後にご紹介します。
音楽用データは内蔵ディスク、NAS、DLNAサーバなどどこにあってもOKです。
というわけですので、一番簡単方法は、今、お使いのマシンにUSBメモリを刺して、起動する方法です。
もちろん、お使いのマシンをUSB起動出来るようBIOSを設定する必要があります。この方法はお使いのシステムにより異なりますので、自力で調べて下さい。
イメージのダウンロードとUSB媒体への書き込み
ご本家のサイトのダウンロードページからインストールするハードに対応したイメージをダウンロードします。ご本家のダウンロードページです。
現状、GentooPlayerのインテル版は64bit版しかありません。上のスナップショットの通り、PC x86-64bitには4つのイメージがあります。Linuxのイメージとは何かについてはここを参照して下さい。
- UEFI対応のCUIシステム(UEFI Embedded System)
- UEFI対応のGUI=Xfce4システム(UEFI Xfce4 System)
- 古いBIOS対応のCUIシステム(BIOS Embedded System)
- 古いBIOS対応のGUI=Xfce4システム(BIOS Xfce4 System)
古いBIOSの機種の場合はBIOS Embedded Systemを選びます。XfceとはLinux用の軽いGUIです。
普通はウェブインターフェースで対応できますので、不要でしょう。
ダウンロードしたファイルはxz圧縮されています。Linuxではサルでも知っている圧縮形式なのですが、Windowsユーザには馴染みのない圧縮形式ですね。Windows環境では7-Zip 19.00 (2019-02-21) for Windows 64bit x64を使って、解凍して下さい。
リンク先のexe実行形式のインストールプログラムでインストールした場合はxzファイルを右クリック・メニューから解凍出来ます。
ダウンロードページのそれぞれのイメージのリンクの後にSSHログイン時のユーザ名とパスワードがあります。しっかりチェックしておいて下さい。パスワードはハードとシステムによって変わりますので、注意して下さい。
Linux環境でのUSB媒体への書き込み方法についてはダウンロードページに解説があります。Windows環境で書き込みには必ずEtcherを使って下さい。他のプログラムでは上手くいきません。理由は不明です。
解凍には相当に時間がかかります(僕の環境では10分以上)。コーヒーブレイク。のんびり待ちましょう。
イメージを書き込んだUSB媒体を使ってシステムを起動
USBメモリをパソコンにセットし、そのUSBメモリから起動します。どのようにやるかは環境次第です。自力で調べて下さい。BIOSの変更は電源投入直後のDELキー又はf2キーを押すことで出来ることが多いですが、ハード次第です。ハードによっては特定のファンクショキーを押すことでブートデバイスを選択出来るものもあります。
システムが起動されるとコンソールとしてつないだディスプレイにlinuxの立ち上げ時のログメッセージが表示されます。この辺はWindowsでは表示されないようになっていますので、異なるところです。そして、立ち上げ終了時にロングンするための画面が表示されます。上記したユーザ名(root)とパスワード(インテルマシン場合はgentooplauer)を入力しログインします。
さて、ここから先のコンソールからの操作はSSHで操作する場合とまったく同じです。従って、次項のSSHでの操作の中で解説します。
SSHでの設定
SSHの接続方法については、マニュアルやTIPSページに記述がありますので、参考にして下さい。
ここではTIPSページにあるIpScannerを使ったipアドレスの取得方法をご紹介します。
僕の環境でのIpScannerの実行結果です。画面右上スキャンというボタンを押すとこのような画面が表示されます。
画面右からホスト名、IPアドレス、製造社が表示されます。通常はこのホスト名で識別出来るのですが、僕の環境では半分位のハードのホスト名は表示されず、IPアドレスが代わりに表示されます。従って、ハードの製造元である製造社名で切り分けることになります。自作したパソコンの場合はマザーボードのLANチップの製造メーカーの名前が表示されるようですね。
これで分かったIPアドレスを使ってSSH起動します。
最新のWindows10であれば、コマンド入力コンソール画面からSSHを起動することが出来ます。Puttyなどと比較すると多少使い勝手は悪いですが、インストールする必要がないので、簡単に使えます。ここではコマンド入力コンソールからのSSH画面を使って解説します。
ログイン
下記のどちらかの方法で「ファイル名を指定して実行」画面を表示させます。
- 画面左下のWindowsボタンを右クリックして、「ファイル名を指定して実行」を選択
- Windowsキーと“R”キーを同時打鍵
「cmd」と入力すれば、sshを起動するためのコマンドプロムプトを表示させることが出来ます。
sshを起動したコマンドプロンプト画面の操作履歴です。
「ssh -l root ipアドレス」と入力し、Windowsのsshクライアントプログラムを起動します。ユーザ名はrootでログインします。
初めてSMPDと接続する時は警告メッセージが表示されますが、無視してかまいません。この場合はyesと入力します。
次にパスワードの入力が要求されます。gentooplaterと入力して下さい。二回目以降のssh起動であれば、警告メッセージは書略され、直接パスワードの入力が要求される行になります。
パスワードの入力すると、gentooplaterの初期画面が表示されます。ここで、使えるコマンドの一覧を確認出来ます。操作すると当然見えなくなりますが、再表示したければ、homeと打ち込めば表示されます。
最初の起動後、先ず行う必要のあるのはスクリプトを最新の状態にする必要があります。これはコマンドラインから「gp-update」と入力することで出来ます。スクリプト起動直後に実行するかどうか問い合わせてきますので、実行するには改行すればいいです。
メニューから選択することも出来ます。「gp-menu」と入力すると、こういう画面が表示されますので、
4番を指定すれば、いいです。
gp-update以外に初期起動の直後このメニューで実行しておいた方がよい操作は電源オフボタンで電源ダウンの指定です。メニュー番号の3番を指定すればいいです。
ここからは「Windowsを捨てて、Linuxを使おう」ために、NetworkaudiodとHQPlayer Embeddedを動かすまでの操作を解説します。長くなったので、以降は次回に。
(PC_Audio) 2020/03/14
GentooPlayerの使い方(2)
今回の解説はインテル版のGentooPlayerに関するものです。GentooPlayerはラズパイやBBBでも動きますが、僕は使っていないので、パスです。そちらでの質問は掲示板でどうぞ。掲示板はラズパイを中心に議論されています。
使い方の解説に入る前に例によってちょっと脱線します。日本でのGentoo Linuxの知名度について。
GentooPlayerは2017年12月にイタリアで登場し、2018年12月にComputerAudiophileの掲示板でグローバルデビューしています。
僕は、moctさんが掲示板に書き込まれたメッセージを読んで、このソフトの存在を知りました。Gentoo Linuxの名前は知っていましたが、マニア好みの変なLinuxと思っていたので(^^;;;、最初はこのソフトの良さがピンと来ませんでした。だだ、moctさんの言うことなのだからと信用し、早速、ラズパイ4で試してみて、あまりの音の良さにビックリ。10年位前にVoyage MPDを初めて試した時の驚きを思い出しました。どちらも、コンパクトなlinuxを使えば、Windowsとは全く異なる音の世界が広がるのに、日本でそのことが全く知られていなかったという意味でです。
moctさんの投稿を読んだ後、GentooPlayerをキーワードにググったのですが、出てきたのは海外の情報ばかり、日本語の情報はゼロでした。まあ、これは良くあることなので、そんなものなのかなという感想。
意外だったのは Gentoo Linux で検索したのですが、日本語情報の少ないことです。マニアックなディストリビューションだから、もっと情報があるのかと思ったら、予想外に情報が無かったです。同じようにマニア向けディストリビューションの Arch Linux の場合、日本語情報はもっと豊富ですし、有志達による海外の情報の日本語化もはるかに進んでいます。従って、Arch Linux で音楽環境を構築しようという場合、英語の資料を読まないと駄目ということはほとんどありません。Gentoo Linux の場合は大分様子が異なるようです。
Gentoo Linux に関しては,他の国と比較して、日本が特別に母国語の情報不足の状態にあるみたいですね。 例えば、Gentoo Linux のフォーラムですが、英語版がご本家で運用されていますが、この中にマルチ言語対応するためのサブグループがあります。このページがフォーラムのトップページですが、真ん中辺りにInternational Gentoo Usersというタイトルのサブグールプがあります。タイトルをクリックするとこんなページが表示されます。
ご覧のように、中国、ドイツ、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア、ポーランド、北欧、ギリシャ、フィンランドという具合にIT主要国全ての言語を網羅していますが、何故か日本語だけない(まあ、韓国語もないようですが)。しかしポルトガル語やギリシャ語まであるのに、何で日本語は無いと言いたくなりますね(決してポルトガルやギリシャを軽んじているわけではありません。IT人口の比率からみて奇怪しいなァいっているわけです)。
グローバルページで、イタリアを選択するとイタリア語でやりとりするサブグループのメニューが表示されます。合計のスレッド数が3万、メッセージ数が30万、毎日のメッセージの流量が数十通という感じでイタリア語でも結構なやり取りがされています。この数週間でも勢いはさして衰えていませんので、新コロナの席巻もマニアたちには差ほど影響していないようです。GentooPlayerの作者Antonellocaroliさんもここのアクティブなユーザです。
GentooPlayerの開発にはこの Gentoo Linux イタリア語グループが大きな助けとなったようです。Antonellocaroliで検索すると80以上のトピックでの発言が見つかります。全てGentooPlayerの開発に関連するものなのだろうと思います。イタリア語なので、全部は確認しきれませんが、グーグル翻訳でチェックした範囲ではそうでした。
以上、どうしてこういうことになっているのか、理由はよく分かりません。日本には Gentoo Linux を愛するマニアが少ないということなのでしょうか。
ここまででが一つ目の脱線です。次に二つ目の脱線です。
このユーチューブ画像は本文と何の関係もありません(^^;;;。「Derailment」とYouTube検索したら表示された映像です。もう脱線しているかも知れないどっかの国に住んでいる身としては、身につまされる映像ですね(^^;;;(^^;;;(^^;;;。
二つ目の脱線は Windowsユーザに捧げるメッセージ。「RoonやHQPlayweを使って、高音質化させたければ、Windowsを捨てて、Linuxを使おう」というお誘いです。
GentooPlayerはGentoo LinuxにSqueezelite、MPD、HQPlayer、Roon、LogitechMediaServerなどの様々な音楽ソフトを組み合わせて、専用の音楽再生システムとして自由にシステムを構成できる音楽用のディストリビューションです。
Windows で例えるなら、Windows OS を音楽専用OSとして使い、foobar、JPLAY、HQPlayer、Roonなどの音楽用のソフトをあらかじめ組み込んでおき、インストール時の設定でどの音楽ソフトを使うか決めることが出来るパッケージのようなものです。もちろん、Windowsではこういうことは不可能ですが、Linuxなら出来るというわけです。
前回、書いたようにGentooPlayerの最大の特長はこの点です。もちろんVoyage MPDやArchphileのように特定のOSとMPDを組み合わせ、音楽専用ディストリビューションとして提供されるというものはありました。ただ音楽アプリケーションはMPD専用であり、この部分をなんでも使えるようにしたものは無かったと思います。
この点がGentooPlayerの最大の特長です。
RoonやHQPlayerはWindows版だけでなくLinux版も提供されているわけですが、Linux版を使うという人はあまりいないのだろうと思っています。WindowsよりLinuxの方が音楽専用化にすることは容易ですし、音質面では明らかに優位であるのに、あまり使われていないのは、Linuxを使う壁が存在しているということでしょう。
GentooPlayerはこのような壁(トランプの壁みたいですね)に困っている避難民のためのシステムです。
詳細はこれから解説しますが、GentooPlayerのインストールは簡単です。また、初期起動後の設定も理屈が分かっていれば、難しくはありません。
Windowsからの避難民にとって、Linux国の複雑なしきたりや難解な呪文は謎だらけでしょう。しかし、GentooPlayerを使い、Linux国に入国するための幾つかの仁義さえ覚えれば、Windowsではどんなにプロセスカットしても不可能な高音質化システムを簡単に享受出来る筈です。
僕はRoonやHQPlayerを使ったことがないので、ネット仲間が試したHQPlayerの構成をご紹介します。
- HQPlayerによる通常の再生
- HQPlayer 4 Desktop(HQPlayer用パソコン) -> Networkaudiod(NAA専用パソコン)
- Qubozによるストリーミング再生
- Mpd+UpMPDcli(NAA専用パソコンを切り替えて使用)
という構成です。
どうせ脱線中なので、このまま操作方法の説明をします。
Playerの選択
上記した通り、GentooPlayerの最大の特長は様々なPlayerを自由に選択し、音楽再生環境を自分の好みに合わせて設定できる点です。 トップページのうたい文句では
Squeezelite-R2, Squeezelite, Mpd, UpMPDcli, BubbleUpnp, Networkaudiod (NAD), RoonBridge, HQPlayer Embedded, HQPlayer, LMS (LogitechMediaServer), Sox-dsd, RoonServer, Cantata (mpd Client). Ability to install JRiver Media Center and NoMachine (remote desktop software)
となっていますが、実際にはインテル版のプレーヤーメニュー画面の表示では
[1] Squeezelite [2] Squeezelite-R2 [3] Networkaudiod [4] Mpd [5] RoonBridge [6] LogitechMediaServer [7] RoonServer [8] HQPlayer Embedded [9] Upmpdcli [10] Bubbleupnp [11] Main Menu [0] Exit
となっていますので、JRiver Media Centerはインテル版ではサポートされていないようですね。JRiverの場合、Windowsに特化されたシューマンインターフェースですので、無理にインテル版Linuxで動かしてもあまり意味はないということだと思います。
順番が逆になりましたが、SSHでメニュー画面の表示の仕方は
GentooPlayer-64 ~ # gp-menu
で起動し、こういう画面が表示されますので、
[1] Players [2] System [3] Add ACPID at start, if you want to switch off the PC with the power button [4] Update Overlay and Script [5] Choice between RT and ST kernels, and various configurations [6] Wizard configurations, Mpd, squeezelite, squeezelite-R2 [7] Ramdisk - System in ram [8] Turn off the system [0] Exit
1を入力。Playersを選択すればいいです。これらのメニュー画面は殺風景ではありますが、下のように、操作に注意する項目は色分けされて表示されています。
上記の画面で1を選択し、プレーヤーメニュー画面から設定をしたいプレーヤーの番号を選びます。この時、表示される画面はプレーヤー毎にことなりますが、このメニューを見れば、そのソフトで何を設定すればよいのか、大体分かります。Networkaudiod(HQPlayerのネットワークアダプター)、Mpd、LogitechMediaServer、Upmpdcli の四つのアプリについてメニューを見てみましょう。この四つのアプリを選んだ理由は、MpdとUpmpdcliはUPNPの再生のための基本アプリであること、LogitechMediaServerはUPNPサーバであること、NetworkaudiodはHQPlayerでの高音質化再生での必須アプリであることです。
Networkaudiod [1] Restart and stop other players [2] Restart [3] Stop [4] Add to the system boot [5] Remove from starting the system [6] Update Networkaudiod [7] Remove Networkaudiod from the system [8] Read log [9] Submit log [10] Players Menu [11] Main Menu [0] Exit Mpd [1] Open the configuration file [2] Restart and stop other players [3] Restart [4] Stop [5] Add to the system boot [6] Remove from starting the system [7] Update Mpd [8] Remove Mpd from the system [9] Read log [10] Send log [11] Players Menu [12] Main Menu [0] Exit LogitechMediaServer [1] Restart [2] Stop [3] Add to the system boot [4] Remove from starting the system [5] Update LogitechMediaServer [6] Remove LogitechMediaServer from the system [7] Players Menu [8] Main Menu [0] Exit Upmpdcli [1] Restart [2] Stop [3] Add to the system boot [4] Remove from starting the system [5] opens the configuration [6] Update Upmpdcli [7] Remove Upmpdcli from the system [8] Players Menu [9] Main Menu [0] Exit
となります。ご覧のように項目のかなりの部分は重なっています。最後のLMSのメニューの全ての項目は上の三つに含まれているものです。
Restart、Stop、Add to the system boot、Remove from starting the system、Update XXX、Remove XXX from the system、Players Menu、Main Menu、Exit の10項目がこの三つのアプリで共通となります。
順に説明していきます。
最後の三つ、Players Menu、Main Menu、Exitはgp-menu内の遷移に関するものであり、文字通りですから、説明は不要でしょう。最初の二つ、Restart、Stopもアプリの開始と停止に関するものであり、説明は不要かと思います。
Update XXX(アプリ名)も全てのアプリで選択可能です。これはパッケージ管理のアップデート機能を起動しているということのようです。必要に応じて使えばいいのでしょう。
「Add to the system boot」、「Remove from starting the system」はシステムの起動時に「そのアプリを起動する」、「起動する設定を解除する」という意味です。従って、システム起動時に該当するアプリを自動的に起動したければ、この設定を行う必要があります。
例えば、システム起動時にUPNP再生を自動的に出来るようにしておきたければ、 MpdとUpmpdcliを「Add to the system boot」指定すれば良いです。
また、これをHQPlayerでの再生をディフォルトにするよう変更したければ、MpdとUpmpdcliを「Remove from starting the system」し、Networkaudiodを「Add to the system boot」すれば良いです。
「Remove XXX(アプリ名) from the system」というのは過激なコマンドで、そのソフトをライブラリから削除するという意味だと思います。
このコマンドはWindowsの言葉を使うと「アンインストール」となります。インストール機能は無いようですからアンインストールだけしか出来ないのは過激ということになります。
ここまでが全てのアプリに共通のコマンドです。ここからは一部のアプリのみの個別のコマンドの説明に移ります。
「Restart and stop other players」はMpdとNetworkaudiodのみにあるメニュー項目です。指定アプリ以外の全ての動作中のプレーヤーを停止し、指定アプリを起動するというコマンドです。MpdとNetworkaudiodは自身以外の再生アプリと共存が出来ないので、こういう指定があるようです。このコマンドはSqueezelite、Squeezelite-R2、RoonBridge、HQPlayer Embeddedとプレーヤには全てありますので、GentooPlayerでは全てのプレーヤは独立して、単独でしか動けないということのようです。
ログ関連のコマンド(Read log、Send log、Submit log)に関しては説明不要でしょう。呼び名はアプリに合わせているようです。
「Open the configuration file」、「opens the configuration」。これもアプリに合わせて呼び名を変えているようですが、同じことで設定ファイルを強制的にnanoで開き、改修したら、再起動するためのコマンドです。MpdとUpmpdcliの他、Squeezelite(-R2)で指定可能です。
以上が音楽アプリをGentooPlayerに登録設定するための方法です。YouTubeの画像通り、脱線したまま本題に入っちゃいましたね(^^;;;。操作方法はご説明した通りシンプルですから、サルでも出来るとは言わないが、簡単なのではないかと思います。次回はもう一度やり直し。順を追って解説したいと思います(^^;;;。
(PC_Audio) 2020/03/07
GentooPlayerの使い方(1)
この記事は非グーグル翻訳対応です。「非グーグル翻訳対応」とは和文をグーグル翻訳し、内容をチェックしていないという意味です。海外のプレーヤーの紹介した記事の英文への翻訳にそれほど意味があるとは思えないので、チェックは省略しました。
本題に入ります。
GentooPlayerはイタリア製のオープンソースのlinux音楽プレーヤです。
Gentoo って何だという方もいらっしゃると思いますが、linuxのディストリビューションの中で普通の人が、一番、近寄り難い(^^;;;ディストリビューションです。linuxを愛するマニアの中のマニアというレベルの方のための特殊なディストリビューションです。
ソースレベルでのソフトウェアの提供が基本であり、ビルドすることでシステムを作成するという方法をとります。従って、コンパイルする時に細かいパラメータの設定が可能であり、使用目的に最適化されたシステムの作成が可能となります。GentooPlayerはこのGentoo Linuxをベースにしたソフトウェアですから、その特長を活かし、音楽再生に最適化されたシステムを構築することが出来ることになります。
Gentoo Linuxを詳しく知りたいという方は以下のサイトを参照して下さい。
GentooPlayerの名前の由来についてはGentooPlayerのサイトに次のような説明があります。原文とグーグル翻訳を併記しておきます。
GentooPlayer is not an official project of the Gentoo Foundation. This site is maintained by me, a.k.a. Antonellocaroli. The Gentoo Foundation bears no responsibility for the content of this site. The Gentoo logo and Gentoo name are used according to the licensing guidelines set forth by the Gentoo Foundation. The name “Gentoo” are currently trademarks of the Gentoo Foundation.
GentooPlayerはGentoo Foundationの公式プロジェクトではありません。 このサイトは、Antonellocaroliによって管理されています。 Gentoo Foundationは、このサイトのコンテンツについて一切の責任を負いません。 GentooロゴとGentoo名は、Gentoo Foundationが定めたライセンスガイドラインに従って使用されます。 「Gentoo」という名前は、現在Gentoo Foundationの商標です。
さてGentooPlayerのご本家のサイトのトップページはこんな感じで始まります。
なかなか恰好良いですね。この下に内容の紹介と特長の説明があります。
この二つの文章は3秒程度の短い周期で交代して表示されます。従って、英文の速読を得意とする方でないと、読み取るのはなかなか大変です。また内容は気負った文なので、分かりにくいです。
ということなので、その内容の英文とその日本語訳です。残念ながら、グーグル翻訳の結果は悲惨な結果だったので、僕の意訳したものを使います。
GentooPlayer Linux Audio Players 一番目のメッセージ
GentooPlayer is nothing more than a Linux system, based on Gentoo, which includes various system modifications for better audio performance and very low system latency (4/5 microseconds, depending on the hardware). It includes several kernels, with different custom configurations, always looking for a better audio. The system includes a set of commands that recall scripts to help the average user in using a Linux system.
Include a webinterface, if desired can be entirely loaded in ram.
GentooPlayerは、GentooベースのLinuxシステムであり、オーディオパフォーマンスを向上させ、システムレイテンシーを低くするためのさまざまなシステム設定がされています。この結果、ハードウェア次第ですが、システムのレイテンシーは4/5マイクロ秒という数値を達成しました。 ユーザは、自分のオーディオ環境に合わせて、カーネルを選択することが出来ます。また、ウェブ機能によるコマンド使い、自在に高音質化のための設定することができます。
コマンドにはシステムをリードオンリー化し、電源をいつでも自由に落とせる機能が含まれます
二番目のメッセージ
GentooPlayer offers images for different platforms and includes several audiophile players, some of which require the purchase of a license:
Squeezelite-R2, Squeezelite, Mpd, UpMPDcli, BubbleUpnp, Networkaudiod (NAD), RoonBridge, HQPlayer Embedded, HQPlayer, LMS (LogitechMediaServer), Sox-dsd, RoonServer, Cantata (mpd Client). Ability to install JRiver Media Center and NoMachine (remote desktop software)
GentooPlayerはインテル、ラズパイなどのハードウェアで動作し、幾つかのオーディオプレーヤのレンダラとして構成されています。それらは異なるイメージとして提供されます。サポートする一部のオーディオプレーヤは有償であり、ライセンスの購入が必要です。以下にサボートするオーディオプレーヤを示します。
Squeezelite-R2、Squeezelite、Mpd、UpMPDcli、BubbleUpnp、Networkaudiod(NAD)、RoonBridge、HQPlayer Embedded、HQPlayer、LMS(LogitechMediaServer)、Sox-dsd、RoonServer、Cantata(mpdクライアント)、 JRiver Media CenterとNoMachine(リモートデスクトップソフトウェア)
この下に8つのキーワードによる特長を紹介する文があります。この説明は上記の交代する文の詳細な解説になっていますので、これを読めば、概要は分かります。
特長は8つ。
MultiPiattaform、Minimal System、Multikernel、Multiconfigure、Ramsystem、Multiplayer、Gentoo、Web-Interface。
順番にご紹介しましょう。
MultiPrattaform(複数のプラットフォームをサポート)
Available for Rpi-3B/3B+, Rpi-4B, BeagleBone/BeagleBone plus driver Botic, Sparky Usb Bridge, PC X86.
UsbRidge Sig coming soon....
これは訳は不要でしょう。主要なハードはすべてサポートされるということになります。
Minimal System(最小限のコンパクトなシステム)
The system starts with very few processes. Just what you need to play music. A lot of attention has been paid to this.
これも訳不要でしょう。
Windowsでプロセスカットに悪戦苦闘されている皆様からみると、垂涎の内容でしょう。
Multikernel(複数のカーネルをサポート)
On the systems, there are various kernels (realtime and not), with different custom configurations. All resulting from a continuous search for the best configuration for a better audio result. To choose which one gives the best results in your system.
リアルタイムを含めてまざまなカーネルを選択できるようになっていて、自分の環境に合ったものを選択出来るようになっています。
Multiconfigure(高音質化のさまざまな設定が可能)
You can choose from various system configurations. Some of these isolate the CPUs, which are then transferred to the LAN, USB, and Player respectively, the whole thing automatically. The options must be evaluated on their own system and make their own choice.
この記述は重要です。
要するに複数のCPUをLAN, USB, Playerなどの処理に専用化させて割り当て、再生処理を最適化できるということです。この機能はCPUコア数の多いハードでは非常に強力で、高音質化が図れます。
Ramsystem(システムのリードオンリー化が可能)
Possibility to load the system in RAM, and to have a ramdisk to save the music. All this does not require large amounts of ram. It also works on ARM platforms.
システムをリードオンリー化して、いつでも電源オフに出来ます。これはlightMPDでは当たり前の機能ですが、海外のソフトで実現したのはGentooplayerが初めてだと思います。
試してみましたが、DSD再生が出来なくなるなどのトラブルが発生しました。acpidを使って電源ボタンを押せば、電源オフにする機能ことが出来ますので、そちらをお勧めします。
Multiplayer(複数のプレーヤーの選択が可能)
The possibility to choose between different Audiophile players.
Squeezelite-R2, Squeezelite, Mpd, UpMPDcli, BubbleUpnp, Networkaudiod (NAD), RoonBridge, HQPlayer Embedded, HQPlayer, LMS (LogitechMediaServer), Sox-dsd, RoonServer, Cantata (mpd Client),
この部分がユニークのところです。HQPlayerやRoonなどの有償のソフトに関しては、Linux用の提供(公開)されたモジュールをそのまま組み込んでいるだけですが、HQPlayerのようにインテルlinux用に高音質化されたモジュールが提供されている場合にこの機能は有力です。
もちろんLinuxには他にも同じような仕組みをもつプレーヤーはあるようですが、Gentooを使ったというところが凄いです。上記のようにプロセスカットなどする必要のない最小限のコンパクトなシステムなのですから。
Gentoo(LinuxディストリビューションとしてGentooを採用)
Gentoo is a linux distribution that offers many configuration possibilities. It is one of the few linux systems that is compiled entirely on its own HW, including software that can be compiled by enabling only the features necessary for its purpose, without including unnecessary features.
これは既に説明していますので、解説不要でしょう。
Web-Interface(Webにより設定が可能)
Simply Web Interface.
works on both desktop and tablet. Also touchscreen.
説明されている通りです。結構使えます。
以上でGentooPlayerの概要はお分かり頂けたでしょうか。
実は、以上のlinuxの構成とソフトの設定を音楽再生に最適化するというGentooPlayerのコンセプトは、前回ご紹介したlightMPDと同じです。違いは最適化に使う手段です。lightMPDがBuildRootという組み込みシステム用のツールを使っているの対し、GentooPlayerはGentooLinuxを使っています。しかしツールの違いによる影響は大きくなく、同じハードであれば、両者はよく似た音がします。両者のインテル版とラズパイ4版で確認しました。
このGentooPlayerですが、開発スタイルはlightMPDやSymphonic MPDと共通点が多いです。
最初に引用した名前の説明にあるように、GentooPlayerはイタリア人のa.k.a. Antonellocaroliさんにより開発が行われています。これはlightMPDがdigififanさん、SMPDがパパリウスさんにより開発されているのと同じですね。どちらも開発者にとって英語が母国語でない点も同じです。
違いはGentooPlayerは積極的にグローバル対応していること。グーグル翻訳を上手く使っているようです。
例えば、開発用のボードは、NextHardware.comの掲示板を使っています。使用言語は母国語で行っているのですが、翻訳機能を使い英訳の掲示板も公開し、誰でも読めるようにしています。
こんな具合です。
ここで、ちょっと脱線します。現状でのグーグル翻訳の限界について。何かというと、「言語を跨がり複数回翻訳しようとすると駄目みたい」です。
ご本家のサイトのGentooPlayerの紹介の引用でグーグル翻訳が使えないと書きましたが、この時、「これはイタリア語を英語に。そして、その英語を日本語にしたからではないかな」と思いました。
英語の文はイタリア語からのグーグル翻訳をそのまま使ったのではないかと思います。多分、イタリア語の原文はかなり気負った表現だと推察しますが、英語にしたらその気負った部分が調子外れになってしまったという気がします。そして、それをベースにもう一度グーグル日本語に訳したから日本語訳は完全に変になってしまったようです。グーグル訳は紹介しませんが、意味が通じなくなっています(興味のある方はご自分で試してみて下さい)。
このため、イタリア語では、多分、こんな感じだったのだろうと推測して、日本語にしました。
脱線はここまで。
上記の通り、GentooPlayer開発のメインの掲示板はイタリア語の掲示板です。この掲示板のスレッドは2017年12月にスタートしています。この掲示板は上記したように翻訳された英語版がありますが、書き込むメンバは殆どイタリア人で、イタリア語でやりとりされています。これではグローバル化しません。
このため、グーバル対応にはComputer Audiophileというアメリカの掲示板を使っています。このサイトはコンピューターオーディオの老舗です。
開発を開始した1年後の2018年12月に作者のAntonellocaroliさんがAudiophile掲示板に最初の書き込みを行い、GentooPlayerのスレッドを立ち上げています。このスレッドは現在まで継続し、60ページ以上のメッセージが書き込まれていますので、Gentoo Linuxベースの特殊なソフトとしては、グローバル化が成功していると思います。
GentooPlayerのご本家のサイトは英語で作成されています。Audiophile掲示板でのやり取りにあわせて、整備されたという感じです。ただ、情報が必要十分に用意されているとは言えません。例えば、ウェブインターフェースを起動するための説明はTipsのページの冒頭にありますが、どうやってウェブインターフェースを使うかという情報はリンク先のページにあり、分かれています。そしてこのウェブインターフェースの説明はマニュアルにはありません。
また、マニュアルがどこにあるかという情報は掲示板にしか情報がありません。マニュアルはダウンロードの方法、ダウンロードしたイメージ書き込み方法、SSHを使った初期設定方法(かなり恣意的な内容で全体をカバーしているわけでは無い)などについて記述されています。残念ながら、これだけで、GentooPlayerを使いこなせるというわけにはいかないでしょう。
僕の試した範囲での確認なので、僕の確認ミスである可能性はありますが、Tipsのページの冒頭にあるホスト名でのウェブインターフェースの起動方法がそんなホスト名はないというエラーになります。ipアドレスを直接入力したら接続できたので、GentooPlayer側は正しく設定されていたようなので、謎です。
どうせだから、この件、もう少しこだわると、ディフォルトではこのGentooPlayer側のウェブインターフェース設定はオフになっています。従って、ウェブインターフェースだけで全ての設定を行うということが出来ません。まあ、これも初心者向けとはいえないですね。
GentooPlayerのインストール&操作情報は不十分だと思いますが、客観的にいえば、フリーソフトとしては標準的なレベルの情報はあり、「箸にも棒にもかからん」ということはないです。
例えば、GentooPlayerではPlayerの選択を行うのですが、これはLinuxの音楽ソフトについて知識があれば、MPDとUpMPDcliを選べばいいのだなと分かります。また、MPDは設定ファイルを直接弄ることができます。従って、ある程度linuxで音楽ソフトを使った経験があれば、使えると思います。 ただ、GentooPlayerをインストールし、システムを構成するには幾つかの難所があります。上記のウェブインターフェースの起動方法などもその格好の例ですね。
ここではそのあたりを中心に解説したいと思います。
次回は、GentooPlayerをUPNPで動作するレンダラとしての使い方を解説します。まあ、自分自身のためのメモのようなものですが、参考になればと思います。
(PC_Audio) 2020/02/29
lightMPD礼賛(1)
If you want to read in English, please click “Translate this page into English” button at the top left of this page.
このページの一番上、左側を見て下さい。「Translate this page into English」というボタンがあります。「TOKYO2020おもてなし」対応のボタンです(^^;;;。
もちろん冗談ですよ。思う所あって、このサイトをグローバル対応させようと考えました。「思う所とは何かなのか」については、いずれ、そのうち説明します。
ボタンを押すと、グーグル翻訳を使って、ページの内容が英訳されます。英訳された画面のメニューで、英語から日本語への再翻訳も出来ます。
この夏のJPLAY騒動で、グーグル翻訳が実用的なレベルで使えるということを知りました。貴方の知性レベルをおバカなAIのレベルに合わせてやれば、グーグル翻訳は使える。
「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶ。」という様な表現は絶対翻訳不可能です。しかし、「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び」ながら、おバカなAIの知性に合わせ、文章を細工すれば、まあまあの表現はしてくれます。
というわけなので、これから当分の間、僕の文体がバカのようにみえます。「ついに、あの野郎はボケたか。日本語のレトリックも忘れやがって」と思われるかもしれまんが、そうではありません。これはAIに合わせて、世を忍ぶ姿です。レイワの時代、皆、そうやって生きていくことになるのです(^^;;;。
タイトルは「lightMPD礼賛」です。
「Symphonic MPD讃」という記事を5回も書いておいて、こんどは「lightMPD礼賛」。僕の節操の無さは批判されるかもしれません。
某国某首相のように無節操に支持者にサクラを見せたら問題です。(この部分のグーグル翻訳は“It is a problem if you show cherry blossoms to supporters like the Prime Minister of Yasukuni.”でした。賢いAIですね。どうしてこうなるのだろう !!! !!! !!!)。
しかし、僕の場合は礼賛する理由がちゃんとあるのですよね。
10月初めにLIVA Z, LattePanda用のlightMPD v1.20が公開されました。APU2 用のlightMPDの最新版をLIVA Z, LattePanda用に修正させたもののようです。LIVA Z, LattePandaは持っていませんが、「lightMPDも遂にintelアーキテクチュアに対応するようになったのね」と知り、掲示板にdigififanさんが書き込まれた記事を読んでみました。こういう注意書きがありました。
Liva、Lattepanda 以外の機種でもイーサネットコントローラに Realtek 8169PCIやIntel 82575/82576を使った機種なら動作する可能性はあります。(保証はできません)
要するに、「LANチップがLiva(Intel 82575/82576)、LattePanda(Realtek 8169PCI) と同じであれば、動くかも知れないよ」ということらしい。試してみるかなと思いました。
僕の手持ちの機種のマーザボードの内蔵チップをチェックしました。残念ながら、同じ型番のものはありませんでした。ただ、Realtekのチップに関しては一つのドライバが複数のチップをサポートしているので、可能性はあるかなと思いました。
インタネット検索したら、こういうページを見付けました。「How To get your Realtek RTL8111/RTL8168 working」。なるほど、RTL8111というチップでも動きそうです。
調べてみました。ありましたね。ASRockのJ5005-itxマザーボードです。
LANチップはRealtek 8111Hとあります。早速試してみました。駄目ですね。動かない。NASのオープンでエラーになります。SSHも繋がらない。 しかし、このマザーボードのPCIeポートにLANカードが差してあって、チップは8111Cです。早速、LANケーブルを差し替え、起動してみました。上手くいきました。音も出ます。
digififanさんのサイトに行って、ご報告しました。リンク先をご参照下さい。
関心を持っていた人が多かったとみえて、USB-LAN変換アダプタを使い、ノートパソコンで試す人が登場しました。これも適切なアダプタを使えば上手くいくと判明しました。以下は僕が試して、起動出来たものです。
- Rankie 有線LAN アダプタ USB3.0 RJ45 10/100/1000 Mbps ギガビット イーサネット アダプター
- Anker アルミニウムユニボディハブ LANアダプター USB 3.0 RJ45 ギガビットイーサネットアダプタ 10/100/1000 Mbps
どちらも、RTL8153というRealtekのチップを使っているようです。僕が持っているアダプタは3つですので、かなりの確率で使えたということになります。どちらもアマゾンで2K円以下で購入したと記憶しています。
これが、どの位、凄いか解説します。
2キロ円足らずのUSB-LAN変換アダプターによって、貴方のインテルパソコンやノートPCが数百キロ円のネットワークプレーヤーに化けるということです。素晴らしい投資効率ですね。
USB-LAN変換アダプター以外に2GB程度のUSBメモリが必要です。誰でも持っているでしょう。
という訳で、これから貴方のインテルPCをネットワークプレーヤに変身させるレシピを紹介します。
ここから先に記述する内容は無責任、無保証です。内容が間違っていても僕は責任をとりません。貴方が購入したアダプタが動かないから、購入代金を払えと言っても、僕は一切払いません。全て自己責任で行って下さい。
用意するもの。
- 4Coreの以上のインテルCPUで動くパソコン。高性能なものほど良い音がします。USBメモリから起動出来るマシンである必要があります。今どき、USBメモリから起動出来ないハードは珍しいと思います。起動USBメモリから起動する方法は後述します。
- USB-LAN変換アダプター。チップにRealtekのRTL8153、8111C、8168(?)、8169を使っているもの。よく分からなければ、とりあえず、お手持ちのもので試し、駄目だったら、上記のリンク先のUSB-LAN変換アダプターをgetすればいいでしょう。
作業手順
ダウンロード
リンク先のページの一番最初のdigififanさんのメッセージの先頭部分に以下の二つのアーカイブのダウンロードリンクがあります。
- ブートイメージ(uefiboot256m.img.zip)
イメージというのはディスクの内容をそのままの形で保存したファイルのことです。ダウンロード先はインテルマシンをUSBメモリからブートさせるためのイメージファイルをアーカイブしたファイルです。このイメージファイルをイメージ書き込み専用のプログラムを使って、USBメモリに書き込みます。 - パッケージ(lightMPDx86_64-v1.2.0b1.zip)
上記のブートイメージを使ってインテルマシンをブート起動した後、lightMPDシステムを展開させるための設定データファイルが入ったアーカイブです。
この設定データファイルに設定された内容に基づきブートイメージの中に収められた初期設定用プログラムがlightMPDシステムを自動的に構築します。
それぞれ、digififanさんのグーグルドライブのページからダウンロードします。
ブートイメージ(uefiboot256m.img.zip)を解凍する
ブートイメージをUSBメモリに書き込むため、uefiboot256m.img.zipを適当な作業領域に解凍します。
ブートイメージ(uefiboot256m.img)をUSBメモリに書き込み
Win32DiskImagerを使って、解凍したブートイメージファイルをUSBメモリに書き込みます。
パッケージ(lightMPDx86_64-v1.2.0b1.zip)をUSBメモリに解凍する
エクスプローラでlightMPDx86_64-v1.2.0b1.zipを表示させます。その後の操作は環境次第です。
USBメモリのルートディレクトリ(一番上位のディレクトリ)にディレクトリ付きで解凍して下さい。
この時、注意してほしいのはUSBメモリのルートディレクトリにlightMPDx86_64-v1.2.0b1というディレクトリが作成されないようにすることです。lightMPDx86_64-v1.2.0b1配下のディレトリを USBメモリのルートディレクトリにそのままで解凍して下さい 。
解凍プログラムによってはこれが出来ないことがあるので、注意して下さい。出来ない場合は、一旦他のワークディレクトリに解凍し、解凍されたlightMPDx86_64-v1.2.0b1配下のディレクトリをUSBメモリルートディレクトリにコピーして下さい。
作業後の USBメモリルートディレクトリはこんな具合になるはずです。
lightmpd.confをDLNA用の設定に変更する
USBメモリのドライブをエクスプローラで開きます。上記のディレクトリが表示されるはずです。 lightmpdを開きます。
confディレクトリ(設定ファイルを集めたディレクトリ)を開きます。
それぞれのディレクトリの意味は次の通りです。
- standalone NAS接続の一台構成の設定ファイル(lightmpd.con、mpd.conf)を集めたディレクトリです。
- upnpgw-nas NAS接続の二台構成のバックエンド側の設定ファイルを集めたディレクトリです。
- upnpmode DLNA接続の一台構成の設定ファイルを集めたディレクトリです。
- upnpplayer DLNA接続の二台構成の設定ファイルを集めたディレクトリです。
二台構成のフロント側のソフトとしてはupnpgw1.0を使う必要があります(1.2はupnpgwフロント対応していません)。
DLNA接続の一台構成とするのが一番簡単です。upnpmodeを開きます。
lightmpd.con、mpd.conf を二つ上の画面のlightmpdディレクトリにコピーします。
lightmpd.confのネットワーク設定を変更する
Windowsアクセサリーのメモ帳を使って、lightmpd.confのネットワーク設定を変更します。
固定アドレスで指定します。どの番号が使えるかについては、適当な方法でチェックして下さい。
僕はSoftPerfect Network Scannerというソフトを使っています。
[network] interface=eth0 address=192.168.1.80 gateway=192.168.1.1 netmask=255.255.255.0 nameserver=192.168.1.1 domain=mydomain.jp
これは僕の設定例です。
USBメモリからの起動
いよいよ最終段階です。
Biosの起動ドライブの設定をUSBメモリから起動するように変更します。やり方はお使いのパソコンで変わります。マザーボードのマニュアルに記載があると思います。グーグルで「起動ドライブ変更 Bios」と検索するのもいいでしょう。頑張って下さい。