SACDリッピング 第二幕(2)
telnetの方法
第二幕のハイライト、telnetを使ってBDP(ブルーレイディスクプレーヤ)への侵入する方法の紹介です。難攻不落の「ナバロンの要塞」に忍び込み、砲台に爆弾を仕掛け、大混乱を引き起こす、同じ手口だね。
BDP-170でtelnetの方法は、#71 there is another for the manual telnet sacd_extractionに詳細な解説があります。その通りやればいいです。メッセージの前半部分はoppo用スクリプトとToshiba用スクリプトの違いの解説です。後半部分がtelnetの解説です。
telnetを使ったripping方法については#695 Telnetting into and issuing “sacd_extract -I” rips directly to the connected discにやり方が紹介されています。telnetでログインした後、AutoScriptに入り、sacd_extractを実行すればいいようです。
ここでは僕の試した方法をご紹介します。環境が違うため、#695とは多少異なります。こちらの方が#71よりちょっとだけシンプルだと思います。
BDP-170の電源を入れ、SACDをセットしておきます。
notepadで以下の内容のテキストファイルを編集。
#MTKAT 0.xx script CLI(CLI_exec echo root::0:0:root,,,:/root:/bin/sh >/etc/passwd) CLI(CLI_exec /usr/sbin/inetd &) SLEEPMS(3000) CLI(CLI_app.vfdmg.b clear_msg) CLI(CLI_app.vfdmg.b scroll_msg start) SLEEPMS(5000)
テキストファイルをAutoScriptとAutoScript.TSSという名前のスクリプトとして、AutoScriptという名前のディレクトリに置き、USBメモリのルートに保存します。
前回解説したMaldurさんのdropboxにあるアーカイブを解凍して、AutoScriptディレクトリを取り出します。名前をAutoScriptSACDに変更します。AutoScriptSACDをUSBメモリのルートに保存します。
170は電源オンの状態でtelnet用のUSBを差し込みます。
パネルに“ABCDERG…”と表示されたら、puttyでtelnet起動します。
Linux 2.6.35 (192.168.0.9) (pts/0) mtk8530 login: root -sh-3.2# ls /mnt/sda1/ AutoScript AutoScriptSACD BUDA System Volume Information -sh-3.2# cd /mnt/sda1/AutoScriptSACD/ -sh-3.2# ./sacd_extract_160 -I [0]: convert_string(): Conversion not supported. Charsets: ISO646-JP -> UTF-8 Processing [BPHR STEREO SOUND SAMPLER (1).iso] (1/1).. ・・・・ Completed: 1% (47.0MB), Total: 1% (3272.1MB) at 2.24MB/sec
ls /mnt/sda1/はディレクトリ内容の確認のためです。メモリを差して、telnetを立ち上げ、ディレクトリを移動し、sacd_extract_160を実行すれば、rippingできるということになります。
この方法のメリットは高速のUSB接続のハードディスクがあれば、高速&効率よくrippingできることですね(#695にも書き込まれています)。内部でダイレクトにデータの転送が出来るわけだから、最高速で処理出来ます。
telnetに関しては、#120 Is it true that so far all the Oppo (and now Cambridge) units refuse the telnet connection, while the Pioneer 160/170 accepts it? Not an issue for SACD ripping, but just curious…でtmtomhさんが問題提起されていて、その後のやりとりで、ted_bさんがtelnetとrippingは無関係ということを明らかにされています(#126 This is all great feedback… that the most foreign of steps (telnet) is now an option worth skipping.)。
このあたりが不明確な状況でオープニングメッセージは書き込まれいますので、注意が必要です。
リッピング可能なプレーヤ機種
リッピング可能なプレーヤ機種に関する書き込みですが、
#147 BDP-180 is based on MTK8563, not on MTK8560 as 160/170. #119 #198 Cambridge Azur 752BD #154 Success with Oppo BDP-105D #238 Pioneer Elite BDP-80FD #579 After edit Autoscript as pointed out in thread #416/419, my pio(Pioneer BDP-170) started to rip SACD without any problem #615 Works perfectly with my ARCAM CDS 27
最初に登場したメッセージだけです。
最初の#147はBDP-180が不可というメッセージです。これはオープニングメッセージでBDP-180が入っているのですが、160/170とはチップが違うので出来ないことの確認する書き込みですね。
BDP-80FDは格好だけで判断するとBDP-170の米国向けOEM版のようですね。
BDP-105DでOKというのはoppoの現行機種ですので、有力ですね。この他にも現行機種でOKなものがあるようですが、今のところ報告されていません。
Pioneer bdp-lx58/88についてはオープニングメッセージにありますが、動作報告は上がっていません。88はまだ現役のようです。高級機ですね。Oppoの105DJPと比較した記事などもあり、rippingにも使えるとなると面白いですね。オーディオ用に中級機としてgetしておく手はありそう。お持ちの方、試して、結果をご報告して頂ければ幸いです。
Oppoの103/105の日本版モデル(jpモデル)についても動作報告はありませんが、ヨーロッパ版、カナダ版などはOKとの報告がありますので、動く可能性があります。
GUIを使ったリッピング/ISOファイルの処理方法
getしたisoファイルの使い方ですが、PS3ではScarletbookを使うという方法でした(「sacd ripping(2)」の「SACD ISOファイルの処理方法」を参照)。スレッドで紹介されているのは、#129 Simple Instructions for PC users with iso2dsdというプログラムです。これはGUIで簡単に操作できますし、ダイレクトにBDPとサーバクライアント通信してリッピングすることも出来るのでお勧めです。
これはisoファイルを変換中のスナップショットです。
Windowsで動くGUIソフトとしては他に#793 sacd_extract-gui might not need Java.というソフトがあります。こちら.netで動くので、linuxやMacでは使えません。特長はコマンドラインで指定出来るパラメータは全て使えることです。iso2dsdとは使用目的に合わせて使いわけることが出来ます。
最新版のsacd_extract.exeの在り処
この書き込み(#1088 Can we get latest version sacd extract file, sacd_extract.exe 0.3.8 and replace the one in the folder with the latest one?)にあります。
sacd_extract.exeの置き場所は
コマンド | sacd_extractの在り処 |
---|---|
sacd.cmd | コマンドラインで指定 |
iso2dsd | iso2dsd_gui.exe/iso2dsd_gui.jarが置いてあるフォルダー |
sacd_extract-gui | コマンドライン用のダイアログで指定 |
となります。
その他の雑談
OppoのSACDリッピングへの対応
以下の二つのメッセージが興味深いです。
- #529 Oppo had stealthily made their BDP-9X models capable of playing BD/DVD iso’s
- #640 Oppo definitely wouldn’t have been aware of this in time to block this functionality with this firmware update and unless they get pressured from external entities (Sony?), I doubt they’ll take any action to block it.
狂想曲 to get Pioneer BDP-160/170 in Japan
海外から日本の中古市場でPioneer BDP-160/170をget。送り方、電源などに関する悪戦苦闘の物語です。
このメッセージ #473 I finally got a Pioneer BDP-170-K and it worked without a problem.が面白いです。
USBメモリブート論争
BDPに差すUSBメモリはブータブルである必要が有るか無いかという論争が発生しています。none bootableでOKというのが正解だと思いますが、ブータブル派(cdevezaさん)が頑張るものだから、よく分からないまま論争は終了していますね。#1099から#1116あたり。ちょっと誤解を招きそうです。
OppoのSACDリッピングへの対応(2)
ブート論争の直後(#1119から#1123)のやりとりでOppoの地域別版の対応の書き込みがあります。203でどうなるのかなという話もあって興味深いです。#1136 This is good news for any of us who are looking for an Oppo 10x as a ripper, though.では 103D/105D が中古で安くなるから、今がripping用にgetするチャンス到来とありますね。なるほど。
まとめ
リンクだらけの書き込みとなりました。「結局、SACDリッピングするための一番簡単な方法は何なの ?」というご質問へのまとめです。
第二幕は、USBメモリとネットワーク接続可能なOppo(103/105シリーズ)とパイオニア(BDP-160/170)のブルーレイディスクプレーヤ(BDP)が主役です。これらののBDPに組み込まれたLinuxチップのsecurity holeを利用し、第一幕PS3で採用されたサーバ・クライアントモデルのSACDリッピング方式を発展させ、リッピングを行います。
BDRはUSBメモリを認識すると、USBメモリ内のAutoScriptディレクトリに置かれたスクリプトを自動実行します。この仕組みを利用し、sacd_extractをデーモンとして起動します。このsacdデーモンをPC側のsacd_extract.exeで呼び出し、SACDリッピングを行っています。
この一連の手順を一番簡単に実行する方法は以下の通りです。
- SACDリッピングに対応しているBDPをget。家庭内LANに接続。ipアドレスをチェック。
- オートプレイ機能、レジューム機能をオフ。
- USBメモリのルートディレクトリに自分の持っているBDPに対応するAutoScriptを作成(ディレクトリ内にAutoScript、AutoScript.TSS、sacd_extract or sacd_extract_160が存在すること)。
- 作成したメモリをBDPに差す。トレイが開くから、リッピングしたいSACDをセットして、クローズ。
- iso2dsdダウンロード。好きな場所に展開。iso2dsd_gui.exeかiso2dsd_gui.jarを実行(iso2dsd_gui.jarを動かすにはjavaがインストールされている必要があります)。
- iso2dsdのパネルでServerInputを指定。ipアドレスを指定。ChannelMode Dual、OutputMode PhillipsDFFを指定。
あとはiso2dsdのパネルのexecuteボタンを押せば、dffファイルのダウンロードが開始されるはずです。
BDP-170サーバからdffファイル転送中のスナップショットです。
まとめの最後に、もう一度、クライアント・サーバに置くディレクトリを保存するドロップボックスへのリンクがあるメッセージにリンクを残しておきます。
- BDP-160/170用のドロップボックスへのリンクがあるメッセージ(#48)
- Oppo103(D)/105(D)用のドロップボックスへのリンクがあるメッセージ(#26)
- telnet(BDP-160/170)用のドロップボックスへのリンクがあるメッセージ(#71)
p.s. 直前のスナップショットでリッピングしているSACDが何か分かりますか。ステレオサウンド創刊50周年200号記念に添付されていたラトル/ベルリンフィルのライブシリーズのサンプラです。
選曲が凄い。以降全て交響曲です。シベリウス5番3楽章、シューマン2番3楽章、ベートーヴェン4番1楽章、6番2楽章、7番4楽章。バランスが悪いのだけど、選曲はシック。某レコード雑誌の付録CDのよう一部数十秒だけというのとは異なり、全て一楽章分全部収録。このSACDにつられて、ついつい久しぶりに(何十年ぶりだろうか?)この雑誌をgetしてしまいました。
雑誌の内容は相変わらずバカ高いオーディオ機器の紹介がメインですが、パーヴォ・ヤルヴィとか仲道郁代さんの特集があって、楽しく読めました。getしたSACDは演奏はもちろん、録音も素晴らしい。「フィルハーモニーホールで聴く音ってこんな感じなのかな」という音がします。
という訳でちょっと高い(2800円也)衝動買いだったけど、もとはとれたかな。
p.s.s. ところで、こうやってリッピングしたDSDファイルをどうやって再生するか。DSD対応したDACを使うということになるのですが、「そんなもん持ってないよ」という方にお勧めは RaspberryPI や BeagleBone Black対応のI2S接続する基板を使うという方法です。以前はDSD対応するものは無かったのですが、最近、rpiだとTerraBerry、bbbだとB3D-A4495いう製品が登場していてますね。
以前、この記事でこのタイプのボードを使ってみて、良く出来た製品があることは知っていたので、getしてみましたが、どちらもお勧めです。特にTerryBerryの方はグローバルなrpi対応なので、誰でも安心して使えると思います。コンパクトなケースもあり(前々回の記事に蓋をする前の状態の写真があります)、サポートも良いので、サルでも使えるというレベルですね。いずれ、二つを比較し、もう少し詳しくご紹介するつもりです。
(PC_Audio) 2016/10/29
SACDリッピング 第二幕(1)
第一幕は言わずと知れたソニーPS3の巻。悪代官ソニガミの苛烈の弾圧のもと、リッピング派はあえなく沈没。ハード(PS3)はリッピングできないよう改版され、さらにリッピングソフトのダウンロードサイトは閉鎖に追い込まれ、リッピング派は流浪の民となったのはご存じのとおり。
さて、第二幕はOPPO/パイオニアBDP(ブルーレイディスクプレーヤ)の巻。この件、ここで賑わっているのですが、日本語の情報はさっぱりですね。まあ、「下手な事を書くと、牢屋に入れられる」なんて書いてあるサイトがあるから、無理もないけど。しかし、DSD再生がPCM再生と同じように普及するには、SACDリッピングが当たり前になることが大切だと思います。そのためには必読のスレッドだと思いますので、スレッドの内容をご紹介します。
リンク先ですが、ComputerAudiophileのスレッドです。今年の7月後半にted_bさんがスレッドを立てて、3ヶ月ちょっとで1000通を超える投稿数になっています。一日平均10通以上の投稿量ですので、凄いペースですね。全部チェックするのに数日かかります。僕は10月はじめにこのスレッドを見つけました。しかし、読むのが大変(^^;;;。一週間位かけて全部読んで、これは使えそうだなと分かり、早速ハードをget。試してみました。PS3と同じようにリッピングできます。僕のPS3ですが、長時間使っていると熱暴走気味になり、どうするかなと思っていたところでした。ちょうどいいタイミングでバックアップ機を用意すること出来ました。
写真は新旧二台のリッピングマシン。下が第二幕の主役、パイオニアのBDP-170です。
本題に入る前に、(蛇足ですが)、ted_bさんのオープニングメッセージの最後にある警告メッセージを引用しておきますね。
Caveat: as with the PS3, this ripping process is ONLY intended for those who already own the SACD discs, for archiving or personal file-based playback purposes. Please do not pirate!!
要するに、「手持ちのSACDを自分自身の使用目的のためにリッピングする以外は駄目よ」ということです。
「蛇足ですが」と書いた理由はどこかの国の著作権法がおかしいと思うからです。私的利用は認めておいて、そのための手段だけ中途半端に禁止しようというのだから。
本題に入ります。
使えるハードは(以降、括弧内にオリジナルの投稿番号を示ます。これは#1)
have Mediatek chips MT8580 (like Oppo 103/105, Cambridge Audio 752bd/cxu, Pioneer bdp-lx58/88 ) or MT8560 (like Pioneer BDP-160/170)
で、この他 Arcam CDS27 が動作するという報告があります(#615)。bdp-lx88を除き、全て販売終了になっている旧機種ですが、Oppoは新機種103D/105DでもOKということです。パイオニアのBDP-160/170の後継機種BDP-180はチップが変わってしまったので、駄目なようです。
MT8580/MT8560というのは
Linux 2.6.35 (192.168.0.9) (pts/0) mtk8530 login: root -sh-3.2# uname -a Linux mtk8530 2.6.35 #1 PREEMPT Sat Jan 24 09:20:40 CST 2015 armv6l GNU/Linux -sh-3.2# cat /proc/version Linux version 2.6.35 (root@bdp170) (gcc version 4.5.1 (GCC) ) #1 PREEMPT Sat Jan 24 09:20:40 CST 2015 -sh-3.2# cat /proc/cpuinfo Processor : ARMv6-compatible processor rev 7 (v6l) BogoMIPS : 804.86 Features : swp half thumb fastmult vfp edsp java CPU implementer : 0x41 CPU architecture: 7 CPU variant : 0x0 CPU part : 0xb76 CPU revision : 7 Hardware : mt85xx Revision : 0000 Serial : 0000000000000000 -sh-3.2# cat /proc/meminfo MemTotal: 235388 kB MemFree: 127260 kB 以下省略
というBDP用のチップで、上記の機種で使われるいるらしいです。mtk8530というのがチップの名称のようにみえますが、制御用のLinuxディストリビューション名なのでしょうね。 ご覧のようにLinuxですから
-sh-3.2# ls /bin basename chmod dd fdisk kill mkdir nice rmdir sort uname bash cp dfbdump grep ln mknod pBdpTest sed sync cat cut echo gunzip login mount ps sh tar cfdisk date false gzip ls mv rm sleep umount
という具合にどういう仕組みなのか調べることができます。厳しいのはエディターが入っていないこと。nanoもviもありませんので、テキストファイルの中味を見るにはcatを使うしかないです。
こういう具合にtelnetで入れて、中を弄れるわけです。ハッカーたるもの「チャンス到来、Jail Breakしてみよう」という気になりますよね。で、ウクライナの達人が脱獄に成功したということらしいです(#48 Person behind this is from Ukraine, Kiev, i belive.)。
BDP-170でSACDリッピング
僕がgetしたBDP-170での脱獄方法を紹介します。
やり方はPS3のサーバ/クライアント方式の改良版となります。PS3のサーバ/クライアント方式については第一幕の書き込みを参照して下さい。
#1098 All you need to know to rip SACD’s using Pioneer players BDP160 and BDP170に丁寧な解説があります。同じことを書いても、しょうがないので、ここでは僕のやり方を解説します。#1098を参照しながら、読んで下さい(書き方のアプローチが違うので、余計、訳が分からなくなるかもしれませんが^^;;;)。
事前にBDP-170のオートプレイ機能とレジューム機能をオフにしておいて下さい(リモコンホームメニュー->本体設定->再生->ディスク自動再生とラストメモリをオフ)。
サーバのBDPはクライアントとなるパソコンと同じネットワークに繋がれている必要があります。繋ぎ方は有線/無線、DHCP/固定アドレスどちらでもいいですが、接続されたipアドレスをチェックしておいて下さい。Windowsであれば、ネットワークのプロパティで見られるはずです。
プログラムはPS3用のものが改版されて使われています。下記のリンク先のアーカイブはスクリプトとプログラムをまとめたものです。この記事(#48)のリンク先(Maldurさんのdropbox)にあります。
アーカイブは上記内容で構成されています。
このメッセージ #1005 There are two sets of files you need in order to extract the data from your sacd into an ISO file which ends up on your computer.が上記の内容を的確に解説していると思います(#1098はこの構成の解説がないので、ちょっと分かりにくいです)。
解凍してsacd_extractディレクトリをパソコンの適当な場所(Cドライブのルートがお勧めらしい)に、AutoScriptをUSBメモリのルートに移して下さい。スクリプトはテキストですから自由に変更できますし、内容を見ることができます。sacd.cmdのipアドレスをチェックしたBDPのipアドレスに書き換える必要があります。
BDP-170の電源を入れます。USBメモリをBDPの前面の差し込み口に差し込みます(BDPの電源がオフの状態で差し込んでおいてもかまいません)。BDPがUSBを認識すると(アクセスされるとブリンクするタイプのUSBメモリを使うとちゃんと認識されているかどうか分かりやすいです)、トレーが開きますので、rippingしたいSACDを入れてクローズします。
プレーヤがSACDを認識したら(パネルにSACDと表示されます)、パソコン側からsacd.cmdを実行(ダブルクリック)します。
sacd.cmdが開始すると、コンソール(コマンド・プロンプト)が起動され、処理状況が表示されます。
処理が完了すると、コマンド・プロンプトが消え、sacd_extractディレクトリに転送されたISOファイルがおかれているはずです。
SACDの入れ換えと、sacd.cmdの実行を繰り返せば、何回でも処理を連続して行うことが出来ます。
やり方の説明は以上です。簡単でしょ。サーバ側でデーモンプログラムの立ち上げ操作が不要なので(自動化されている)、PS3より楽だと思います。
OppoでSACDリッピング
Oppoでの脱獄方法もスクリプトがちょっと変わりますが、同様な方法で対応できるようです。
スクリプトの違いについては #620 So now we have confirmedに詳しい紹介があります。
Working with original script: Oppo BDP-103 Oppo BDP-105 Cambridge Audio Azur 752BD Arcam CDS27 Working with Pioneer 160 script: Pioneer BDP-160 Pioneer BDP-170 Pioneer Elite BDP-80FD
original scriptとあるのは #26 ted_bさんのdropboxにあるもの(記事へのリンク)、Pioneer 160 scriptは直前に解説したMaldurさんのdropboxにあるものです。
Oppoでのやり方については、ted_bさんのオープニングメッセージか#1053 To clarify the process…と#1055 What you need to understand to get this to work…を参照すればよいかと思います。また、その次の #1056 I read all posts and am confused. Please advise which is the correct set of files for thumb drive, see attached. と以降のやりとりも参考になるかと思います。
MacでSACDリッピング
Macの場合は#40 There is a sacd_extract version for OS X in this packageにスクリプトへのリンクがあり、#46 Can you do a brief ‘how to’ guide -> Sure.と#127 A simple set of instructions for Mac usersにやり方の解説があります。
長くなったので、以降は次回に。
(PC_Audio) 2016/10/22
UPnPの世界(JPLAYStreamer vs lightMPD/upnpgw)
lightMPDはapu、RaspberryPI、BeagleBone Black、CuboxIなどで動くLinuxの高音質プレーヤです。LinuxのオーディオプレーヤとしてはVolumioやRuneAudio、VoyageMPDなどが知名度が高いですが、lightMPDは使い勝手を犠牲にして、徹底した高音質化にポイントを絞って設計、開発され、一部のファンに熱烈に支持されています(僕は同じようなコンセプトの自作のarch linuxシステムを使っているので、使っていませんが)。
このlightMPDの最新版がlightMPD/upnpgwという名称でupnpのレンダラーとして動作させるためのパッケージとして公開されています。左のリンク先を覗いて「あら、JPLAYStreamerと同じだなぁ」とビックリ。ヨーロッパ vs 日本、Windows vs Linux と環境は大きく異なりますが、高音質のPCオーディオ最先端の世界が同じところに向かっているというのは面白いですね。
「UPnPの世界」については、リンク先で、lightMPDの作者、デジファイのおとさんが書いていらっしゃる内容は大変に興味深いです。変に解説するより、直接そちらを読んで頂いた方がよく分かると思いますので、内容の説明は省略します。
今のところ、公開されているのはlightMPD/upnpgwだけですので、スタンドアローンのUPnPレンダラーとして動かし、試聴してみました。オーディオ環境はPC部屋の装置を使い、apu2c4 -(usb)-> SHENZHEN社のF-1 -(spdif)-> JOB社DAC96 という構成で接続しています(写真は比較試聴中の僕のデスクトップ)。また比較のため、lightMPD-v1.0.2(64bit版)も動かしています(こちらはnas接続ということになります)。比較したオーディオ用ネットワーク構成は以下の通り。
UPnPメディアサーバー | UPnPコントロールポイント | UPnPレンダラー |
---|---|---|
Atom Linux MinimServer | Nexus 9 Kazoo | lightMPD/upnpgw(apu2c4) |
Atom Linux MinimServer | Nexus 9 Kazoo | JPLAYStreamer(Core i3-3225/Asrock H77M-ITX) |
nasサーバ | mpdクライアント | mpdプレーヤ |
---|---|---|
Cubox Linux SambaServer | Nexus 9 MPDroid | lightMPD-v1.0.2,64bit版(apu1c2) |
というわけで、このような最先端のPCオーディオの世界を取り込むには「UPnPの世界」をどうやって構築するかが勝負となります。Windowsで構築という場合は前回の記事の終わりのご本家や「PCで音楽」のリンク先が参考になりますので、そちらを参照して下さい。ここではlightMPDを使うので、Linux環境での構築の仕方を解説します。
各構成要素の説明ですが、UPnPコントロールポイントはタブレットを使うのが普通だと思います。タブレットへのKazooインストールは簡単なので、省略。lightMPD/upnpgwのインストールはリンク先に作者の適切な案内があります。その通りやれば、問題はないので、これも省略。
空いているatom機にVoyageMPDを入れて、UPnPメディアサーバー(dlnaサーバ)を立ち上げる方法を解説します。Linux環境であれば、同じような方法で応用は効くはずです。
まず、dlnaサーバとして何を使うか。簡単に導入できそうなのは大所のLogitechMediaServer(SqueezeBox)をベースにしているVortexBoxですが、僕のatom機ではインストールエラーになるのでパス。
次にLogitechMediaServerそのものを適当なLinux環境に導入する手があるなと思い、ubuntuのデスクトップ版で試してみることにしました。使ったのはubuntu日本語版の古いやつ(Ubuntu 12.04 LTS Desktop 日本語 Remix CD リリース)。ubuntuのインストール方法はググれば情報は山ほどあるので省略。最近の版は良くできていますね。パーティションの分割が必要なVoyageMPDとのマルチブートも実に簡単にできました。
次に、LogitechMediaServerのインストール。やり方は簡単で、ここからdebを持ってきて、dpkgするだけです。最新版は7.8.0なので、ここから直接ダウンロードした方がはやいかもしれません。参考までに、コマンドだけ羅列すると
yo@yo-desktop:~$ wget http://downloads.slimdevices.com/LogitechMediaServer_v7.8.0/logitechmediaserver_7.8.0_all.deb yo@yo-desktop:~$ sudo dpkg -i logitechmediaserver_7.8.0_all.deb
これだけです。後は、Windows環境だとネットワークにメディア機器としてLogitechMediaServer(xx-desktop)というアイコンが表示されますので、ダブルクリック。表示されたweb画面から音楽用ディレクトリなどを指定すればいいです。簡単でしょ。
この時、一番苦労したのは、ubuntuのデスクトップでterminalを捜すことでした。最近のLinuxディストリビューションは軟弱(^^;;;になって、terminalなどというlinux生のプログラムは見せないようにしているのですかね。以前は簡単に出てきたのですが、どこにも無いです。仕方がないのでダッシュボードとかいう画面から検索して引っ張ってきました。「ターミナル、どこに有るのか ? 」とさんざん悩んだから、これに一番時間がかかったなぁ(^^;;;。
さて、せっかく解説しましたが、僕はSqueezeBoxサーバは使っていません。理由はちょっと重たいこととdsdファイルに対応していないことです。結局、Windowsと同じくMinimServerを使っています。デスクトップ版だと操作性もWindowsと同じですし、javaの割りには軽いし、インストールも簡単ですので、お勧めします。
インストール方法はMinimServerご本家のこのページに詳しく解説されています。MinimServer-0.8.4-linux-x86.tar.gzはダウンロード済でUSBメモリに書き込んでLinux側にもってくるという前提で話を進めます。
インストール方法はデスクトップ版、コンソール版共通ですね。ちなみにデスクトップ版かコンソール版はプログラムで自動判断されます。
ubuntuでデスクトップ版をインストールする方法(javaをインストールして、MinimServerをいれる)。
yo@yo-desktop:~$ sudo apt-get install openjdk-7-jre yo@yo-desktop:~$ java -version java version "1.7.0_111" OpenJDK Runtime Environment (IcedTea 2.6.7) (7u111-2.6.7-0ubuntu0.12.04.2) OpenJDK Server VM (build 24.111-b01, mixed mode) yo@yo-desktop:~$ cp /media/TOSHIBA/MinimServer-0.8.4-linux-x86.tar.gz ./ yo@yo-desktop:~$ tar xf MinimServer-0.8.4-linux-x86.tar.gz
次に、voyageでコンソール版をインストールする方法。
root@voyage:~# apt-get install openjdk-7-jre-headless root@voyage:~# cp /media/usb0/MinimServer-0.8.4-linux-x86.tar.gz ./ root@voyage:~# tar xf MinimServer-0.8.4-linux-x86.tar.gz
違いはjreがheadlessかどうかだけです。
次に起動方法の初期セットアップ。
まず、デストトップ版。
yo@yo-desktop:~$ minimserver/bin/setup Migrating autostart configuration Acquiring root privilege for system configuration update... Adding system startup for /etc/init.d/minimserver ... /etc/rc0.d/K20minimserver -> ../init.d/minimserver /etc/rc1.d/K20minimserver -> ../init.d/minimserver /etc/rc6.d/K20minimserver -> ../init.d/minimserver /etc/rc2.d/S20minimserver -> ../init.d/minimserver /etc/rc3.d/S20minimserver -> ../init.d/minimserver /etc/rc4.d/S20minimserver -> ../init.d/minimserver /etc/rc5.d/S20minimserver -> ../init.d/minimserver MinimServer desktop integration is disabled MinimServer automatic startup is enabled Do you want to change these settings (y/n)? y Enable desktop integration for MinimServer (y/n)? y MinimServer desktop integration has been enabled Enable automatic startup for MinimServer (y/n)? y
これで、デスクトップにMiminのアイコンが表示されますのでクリック。その後の操作方法は、Windowsと同じなので省略。
次にコンソール版。
root@voyage:~# minimserver/bin/setup MinimServer desktop integration is not available MinimServer automatic startup is enabled Do you want to change these settings (y/n)? y Enable automatic startup for MinimServer (y/n)? n MinimServer automatic startup has been disabled root@voyage:~# minimserver/bin/startc Migrating autostart configuration MinimServer 0.8.4, Copyright (c) 2012-2016 Simon Nash. All rights reserved. autoUpdate: installed package 'minimserver-0.8-update-88' Enter command (? for help): autoUpdate: relaunching runtime MinimServer 0.8.4 update 88, Copyright (c) 2012-2016 Simon Nash. All rights reserved. starting MinimServer[voyage] Enter command (? for help): Enter content directory, or null to continue: >/sdb/CD
ヘルプを見れば、使い方は分かります。
>? Commands: rescan restarts the media server and rescans the media library props shows current properties for the media server prop n=v sets media server property name n to value v about shows version and status information for the media server stop stops the media server without exiting the application restart restarts the stopped or running media server exit exits the media server application packages shows installed packages (with status) and available packages install p installs package p remove p removes installed package p undo p undoes a pending change to installed package p relaunch relaunches the runtime and applies pending package changes modules shows installed modules (with status) updates shows available updates for installed packages sleep t delays execution for t seconds (can be useful for scripting) help (or ?) displays this information >rescan
要するに、minimserver/bin/setupで自動セットアップにしないで、その後、minimserver/bin/startcで音楽ディレクトリを指定し、rescanによりデータベース内容を更新しているだけです。意外に簡単でしょ。
ついでにsambaもインストール、セットアップしました。
sudo apt-get install samba sudo nano /etc/samba/smb.conf --------------------- # Change this to the workgroup/NT-domain name your Samba server will part of workgroup = WORKGROUP hosts allow = 192.168.0. server string = %h server ---------------------- # This option controls how unsuccessful authentication attempts are mapped # to anonymous connections map to guest = bad user guest account = root client lanman auth = yes client ntlmv2 auth = no client use spnego = no ---------------------- [public] comment = Public Space for Everyone path = /media guest ok = yes browseable = yes public = yes writable = yes hosts allow = 192.168.0. #create mask = 0600 #directory mask = 0700 [sacd] path = /mnt/sdb/sacd writable = yes guest ok = yes ----------------------
voyage環境では sudo が不要な以外は同じです。
ハードディスクは外付けのUSBディスクを使っています。こいつがどういう具合に認識されるかで、mount方法を変えないといけなくなるのですが(/etc/fstabでmount)、長くなるので省略。
さて、「これでお終い」と書こうとしましたが、肝心なことを忘れていましたね。試聴した音の比較を書き忘れていました(^^;;;。
三者三様、それぞれ高水準の音だと思います。意外だったのはlightMPD-v1.0.2,64bit版とlightMPD/upnpgw版の差が大きいこと。lightMPD/upnpgwとJPLAYStreamer(シングルモード)より大きいと思いました。lightMPD-v1.0.2の音は高解像度でオーディオ的に作られた音という感じなのに対し、lightMPD/upnpgwは演奏会場の自然な響きがします。実際に楽器が鳴っているという感じはJPLAYStreamerやlightMPD/upnpgwの方が良いと思います。オーディオ的にはlightMPD-v1.0.2も悪くないと思いますが、普段、いろいろな音楽をCDからリッピングして聴くなら、僕は lightMPD/upnpgw か JPLAYStreamer を使いますね。
lightMPD/upnpgwとJPLAYStreamerのどちらがいいかはオーディオ環境次第でしょうね。lightMPD/upnpgwの音を聴いて、また、linuxの世界に戻ってみるかなと思いました。
という訳で、我ながら節操がないが(^^;;;、JPLAYでの書き込みはしばらくお休みにして、またLinuxの世界に戻ります。
(PC_Audio) 2016/10/16
JPLAY(10)
JPALYパラメータ設定
JPLAYのセッティング画面から設定ですが、ユニークな名前のものがあり、面白いですね。throttleというのはエンジンのスロットルを模したのですかね。喉を締めて、システムの全体的な動作を窒息気味にさせるという意味なのかしら。「窒息させる」というonがディフォルトというのが、JPLAYらしいです(^^;;;。
hybernate mode というのもなかなかのネーミングです。冬眠するとはね。throttleモードをもっと極端にして、「そして(JPLAY以外は)誰もいなくなった 」という世界です。このモードでJPLAYがハングすると、手も足も出なくなり、どうしようもなくなります。リセットボタンを押して、再起動しかありません。立ち上げ時、マイクロソフトに「お前、前回ちゃんと電源を落とさなかったな」と怒られますが、気にすることはない、そのまま立ち上げて問題ないです。
それ以外のパラメータは名前からどんな機能か推察できます。この内、音に一番大きく影響するのは Engine に何を選ぶかです。Classic、Xstream、UltraStreamの三つモードが選択可能です。この三つのモードはJPLAYのレベルアップによって
Classic → Xstream → UltraStream
と拡張されてきたようです。音を良くするためにUSBとのデータのやりとりの方法を変えてきたのでしょう。新しいものが無条件に全ての環境で音が良いというわけではないので、古いものも残した。結果として、何を選べばよいかユーザを悩ませるということになりました。自分の環境で音を鳴らして良いものを選ぶというのが正解です。
Engine に何を選ぶかについては、v5.0の情報ですが、ComputerAudiophileの以下のスレッド(What are your best settings for Driver Buffer, Ultrasize and XtreamSize if you’re running Jplay, especially Streamer-Dual PC mode?)が興味深いです。
I personally prefer ULTRAstream with Driver Buffer 0, Ultrasize as low as possible (25 - 30 in my case) and XtreamSize the highest (if using Xtream mode, 5000). I also like River engine. I have Minicache on 1000, it's enough for me even with the largest tracks. Using Win8 64bit on both computers with all DirectLink connection and no other modifications of sound, Jplay Mini as a player, Jriver only for library management and for easy copy/paste to Jplay Mini for playback... Jplay Mini alone is better than Jriver + Jplay combination.
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ULTRAstream was specifically designed for streamer mode usage and it IMHO offers the best experience in terms of soundstage. While both River and Xtream sound very good, both are a bit flat in comparison to ULTRAstream which offers a very good depth. In terms of detail, both Xtream and ULTRAstream are equal IME - and if there is a very tiny difference according to your ears, its due to a bit different FR most probably (ULTRAstream a bit warm, Xtream a bit more emphasis on treble).
Riverというのは、多分、v6.0のclassicのことだと思います。
このスレッドは2013年6月ですから、JPLAY 5.0でULTRAstreamは存在していたようですね。
選択出来るモードついてはハードやOSの制限があります。日本語JPLAYサイトに解説はありますが、ちょっとゴタゴタして分かりにくいので、フローチャートで説明してみます。
つまり、Classic/Xstream/UltraStreamの三つを選べるのは、「ネットワーク・アダプターのチップがQualcomm/Atheros」以外で、「OSがWindows7 or WinServer2008r2」以外で、「KS(Kernel Streaming)」の場合のみとなります。また、「ネットワーク・アダプターのチップがQualcomm/Atheros」で、「OSがWindows7 or WinServer2008r2」で、「KS(Kernel Streaming)」でなければ、Classicしか選べないことになります。
DAC Link と PC Buffer はセットで設定することになります。PC Bufferの小さい値(0.1ms以下)はDAC Linkを大きな値(170Hz以上)にしないと選択できません。このあたりはJPLAYがチェックし、自動的に修正してくれます。しかし環境によってはJPLAYが修正した値をとってもハングするということがあります。この場合は諦めて、リセットボタンとなります。
Xstream Size はXstreamモードをとった時だけ有効(?)で、いわゆるバッファ値の変更と考えてよいですかね。であればギリギリの小さい値にすれば、先鋭な音に、大きい値にすれば、ゆったりした音になるはずですが、僕の環境ではあまり変化がないですね。
Engine に何を選ぶかと DAC Link と PC Buffer の値については、JPLAYのフォーラムでもよく話題になっています。ここでは V6.0 に関するスレッドを二つ紹介しましょう。ここ(Now JPlay 6.1a is out what are peoples best settings ?)とここ(best setting?)です。日本語のフォーラムでも話題(19番目のメッセージ)になっていますね。日本語フォーラムで僕が投稿した内容を引用します。
面白そうな話題ですね。僕の値ですが、wavとdsdでdacを分けているので、
wav用 Phasemation HD7A-192(WinSV2008r2 WebSV版) Xtream 1Hz 10sec 2000
dsd用 Mytek 192DSD-Dac(WinSV2016 Core版) UltraSttream 40Hz 1sec
となります。どちらもデュアルモードで動かし、ControlPCはWin10です。
2台のパソコンは専用のハブで接続していますが、このランプの点滅の仕方が興味深いです。
DAC Linkを大きな値(40Hz以上)にすると非常に短い周期(msオーダ)で点滅し、小さな値にすると点滅の周期は長くなります(例えば1Hzだと0.5秒位)。つまり、大きな値ではデータを細切れにして転送し、小さな値では大きな単位でデータのやりとりをしているようです。これが音に影響するということですかね。PC Bufferの値は変えてもこんなに極端に変化しません。
この「PC Bufferの値は変えてもこんなに極端に変化しません。」という部分は間違えであったようです。ComputerAudiophileの以下のスレッド(How to set DAC LINK Value in JPLAY mini. Need Help..)でJPLAY作者のMarcinさんが解説しています。関連する部分だけ引用すると、
My friend recommended to set around 170-700hz.
but i don't know which one is the best value for me.
So... I should listen to it value by value or what?
Thanks... ^_^
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All parameters are available in JPLAYsettings panel (available via shortcut in Start Menu or directly in JPLAY installation folder i.e. C:\JPLAY\ by default).
I recommend 1Hz ^_^
Cheers,
Marcin
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1hz sounds seems to be more narrow sound stage than higher freq (as my experiments)
I tried to set it to 700hz but it's not available for free version. So i had to reduce it to 350hz. It sounds better than 1hz. More opened soundstage and space between music instrument.
And at 1hz, i can't set buffer to 0.01sec which the less buffer, the better sq (as my knowledge ^_^)
It can be apllied when dac link is set to 170hz or higher
Finally i ended up with xtream mode with 350hz dac link and 0.01sec buffer
I'm not sure it's the best or not but i sounds good to me.
Anyway Thanks Marcin. So nice to meet you ^_^
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Whatever sounds best in your system That's why we have all those parameters and engines there so people can find ones that sound best in their systems
You can't set buffer to 0.01sec with 1Hz, because 1Hz means 44100 samples which is 1s, so the buffer must be higher than this.
-------------------
Thanks Marcin... I really don't have knowledge about computer in technical term. I have no idea about it. so... you seem to be my supervisor from now on ^_^ ha ha..
Could you explain a little bit what are those value stand for? I mean DAC link... Buffer... something like that.. What is it? How it works? and adjustment guide...
I just bought JPLAY today and just received the download link... I have to hurry go back home to download and try it.. Can't wait!!!
-----------------
Everything is described in detail on our website here: Manual | JPLAY
Enjoy!
Cheers,
Marcin
要するにPC Bufferで指定する時間の周期でデータ転送が行われているということのようです。DAC LINK Value は「1Hz means 44100 samples」だから、最大値の700Hzでは63Hz samplesとなり、最小の時間周期は0.00143msとなるわけですね。従って、150Hz以上(0.0067ms)でないと、PC Bufferの最小値0.01msを設定できないことになるわけです。
選択したEngineによって、この動作は多少変わります。Classic->Xstream->UltraStreamの順にこの動き方が明確になります。
DAC Link と PC Buffer の値で要注意なのは、この計算値ではOKな値をとってもギリギリの値をとるとAudioPC側がハングするケースがあることです。この場合はAudioPCをリセット、再起動するしかありません。また、この状態が気がつかないと、いくらリセット、再起動しても、ハングすることを繰り返すことです。「どうやっても、元に戻らない。助けて !」ということになる(僕の経験です^^;;;)。ご注意くださいませ。
JPLAY v6 の DAC Link の仕組みについては、Marcinさんがこのスレッド(jplay-6-dac-link-feature)で「秘密だよ」と言っていますね。残念。というわけで、謎は謎のままです。
まあ、いずれにしても、これが本命という設定値は無いようなので、試して決めるしかなさそうです。
以上でJPLAYデュアルモードのシステム作成に関する解説はお終いです。ControlPCとAudioPCを一緒に記述したので、ちょっとゴタダタしたかなと思いますが、いずれ整理したいと思います。
さて、JPLAY6.0の目玉はJPLAYStreamerです。次回はそちらに話題を移します。ただ、JPLAYStreamerを使う方法についてはご本家や、asoyajiさんの「PCで音楽」で必要十分に書かれているので、それ以上追加する内容はなさそうです。という次第でこれまでWindows中心の話題でしたが、Linux UPnPの世界に移します。
その前にここでは、JPLAYの書き込みの終わりに、「JRIVERでJPLAYドライバを使うための魔法」について、「PCで音楽」に投稿した僕のコメントを引用しておきます。
JRIVERでJPLAYドライバを使うための魔法
asoyajiさん
MinimServer稼働成功おめでとうございます。
JPLAYStreamerでの動作はデュアルモードだとドライバ方式とあまり大きな差は出ませんが、シングルモードの場合はかなり音が違いますね。もちろんJPLAYStreamerの方が断然いいです。
JRIVERでJPLAYドライバを使えなくて困っている方が多いようですが以下のパッチ(レジストリの変更)で対応ですきます(JRiver Media Center 21とJPLAY 6で確認)。
------ Windows Registry Editor Version 5.00 [HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ASIO\JPLAY Driver] "CLSID"="{A54D266D-F1D5-4D3C-B717-55FBB2BF302A}" "Description"="AweDriver" JPLAY Driver ------
再起動後、"AweDriver"というやつを選択すればいいです。
この情報、以前はJPLAYの英語版の掲示板にあったのですが、パッチだけ撤去されちゃったみたいですね。争いは続いているということでしょか。
以上の書き込みへの補足
一番簡単なのは、notepadを立ち上げ、切り取り線の間をcopy&paste、jplay-jriver-patch.regという名前で保存し、保存したファイルをダブルクリックして実行、です。レジストリの変更になるので、必ずバックアップをとってからやって下さい。
この時、asoyajiさんが書いておられるように、過剰警備のノートンだと「スパムだ」と怒られますが、無視して下さい。
あと、Narumiさんが書いておられる
> JRMCに出てきませんでした・・・
は理由がよく分かりませんね。
"Description"は"AweDriver"に書き換えられていますか ?
JRiverは"Description"の名前を使って(チェックして)、JPLAYをドライバリストに表示させないようにしているので、それを変えることにより、通してしまおうというものです。
まあ、JPLAYStreamerの方が音はいいですから、このパッチを無理に使う意味はあまりないとは思います。僕は動画はJRiverを使って再生しているので、便利に使っていますが。
という次第で次回は「UPnPの世界(JPLAYStreamer vs lightMPD/upnpgw)」という話題。
(PC_Audio) 2016/10/08
JPLAY(9)
JPLAYというタイトルで書き込みを続けていますが、ここまで、JPLAYそのものを話題にしたのは第2回目の「JPLAYとは何か」だけでしたね。艱難辛苦(^^;;;、ようやく、JPLAYと直接関係する処理にたどり着きました。
ここから先は全てControlPCでの操作です。JPLAYをデュアルモードで使っても操作は全てControlPCから出来るようになっています。従って、話題がJPLAYそのもの操作となると、全てControlPC側の操作になるというわけです。逆に、これまでがAudioPC側中心の記述だったのはOS、ネットワークなどJPLAYを巡る周辺の話題だったからです。
評価版のライセンス期間の延長
しかし、最初の話題はJPLAYに直接関連するものではなく、Windows Server 2008/2012r2のライセンス延長を試してみたよという話。早いもので、JPLAYの書き込みをはじめてもう半年たっちゃったのですね。という訳で評価版のライセンス期間の延長を行いました。
結果はまったく問題なし。きれいに180日間の延長ができました。やり方も簡単で、管理者資格でコマンドプロンプトを起動し、
slmgr -rearm
というコマンド一つ入力するだけ。入力すると、「処理が完了したよ、再起動して頂戴」というメッセージが表示されますので、再起動します。
起動後、ライセンスの確認を行う必要があります。操作方法はシステムのプロバティを開き、「Windowsライセンス認証でライセンスの確認を10日間以内に行うように」という案内が表示されていますので、「確認」をクリックすればOKです。
これだけでライセンスを半年延ばすことができるので、この方法は使えそうです。
AudioPCの認識
僕の場合はこれが最初で最大の難所でした(^^;;;。理由は「仮想マシン」。といっても「何のことやら」でしょうから、解説します。
AudioPCの認識のためのキーポイントはJPLAY日本語サイトにキッチリ書かれています。
Control PCがホーム・ネットワークに接続されている場合、一旦この接続を切ります。
5項にこのような記述があります。「なるほど、AudioPCと繋がっているLAN回線を外せばいいのね」と考えた。これが間違えでしたね。
「AudioPCの認識」のための操作は簡単で、JPLAYのセッティングパネルの右上から二番目「Audio PC」をクリックして「Search my LAN for JPLAY」を選び、OKをクリック。後は、検索完了を待つだけです。
しかし何回やっても下の画面のようにエラーになってしまいました。
「うーむ。何でだろう。」とさんざん調べて、「ネットワークと共有センタ」 -> 「アダプタ設定の変更」 からネットワーク接続の画面を出して「このVMwareNetwork回線というやつが怪しいな」と気が付きました。
試しにオフにしてみたら(右クリック、一番上の「無効にする」を選択)、
あっさりAudioPCを認識しました。
下図はAudioPC認識後のアダプタの状態です。
まあ、普通の環境ならインタネット側を切るだけで十分なのですが。手こずりましたね。
「Control PCがホーム・ネットワークに接続されている場合、一旦この接続を切ります。」の意味は「AudioPCに接続されている以外の全ての接続を切ります」という意味です。VMwareなどJPLAYに関係のない回線がオンになっていると、ControlPCは仮想回線の中をAudioPC捜しにいって、そのまま行方不明となり、エラーになるということらしいです。
ところでAudioPCの認識する時のネットワークのオン/オフの仕方ですが、
- 物理的にケーブルを外す
- ネットワークの接続でソフト(論理)的に切り離す
という方法があります。物理的な方法は野蛮(^^;;;ですが、簡単ですので、解説不要でしょう。
ソフト的に切り離す方法は上図の方法と「ネットワークと共有センタ」のネットワーク名をクリックし、下図のように、無効にするをクリックする方法があります。
「ネットワークと共有センタ」は下図のように画面右下のネットワークのアイコンを右クリックして選択するのが簡単です。結構、スマートに処理できますね。
AudioPCの認識するもう一つ、
- レジストリを操作して強制的にアドレスとホスト名をセット
するという方法があります。これはケーブルを外す以上に野蛮なので、お勧めはしませんが、有効です。実は、上記したVMwareの仮想回線の原因が分からなかった時、この方法で対応していました(^^;;;。
やり方は簡単で
Windows Registry Editor Version 5.00 [HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\JPLAY6] "Host"="192.168.2.1" "AudioPC"="nameip<192.168.2.1>; " "SinglePCOnly"="0"
というファイルをデスクトップに用意して、ダブルクリック。これだけです。Host、name、ipの部分は適当に入れ換えて下さい。結局、レジストリエディタのエクスポート機能でファイルを出力、インポート機能でファイルを入力という方法をとっているということです。
こういう脅しのメッセージが出ますが、めげずに「はい」をクリック。
と無事完了します。この方が操作数は少ないのでお勧めかもしれません。
もっとも、本当にシステムが動かなくなっても、一切責任とりませんので、ご自身のご判断でどうぞ。
JPALYの動作の設定
全て、JPLAYのセッティング画面から行います。また上記した「AudioPCの認識」以外はシングルモードでもデュアルモードでも設定方法に違いはありません。設定方法についてはJPLAY日本語サイトに詳しく説明されていますので、そちらを参照して下さい。ここでは例によって雑談。音質アップする設定について。といっても、結局
- Engine(Classic,Xtream,ULTRAstream)のどれを選ぶか
- dac linkの大きさは
- PC Bufferの長さは
- XtreamSizeの大きさは
という話題に集約されてます。英語JPLAYサイトのォーラムでこの話題で結構長いスレッドが出来ています。
次回はこの話題で。
p.s. しばらく書き込みを中断していたので、旧聞になってしまいましたが、ソフトバンクが英国ARM社を買収したのですね。Raspberry PIはARM社のイギリス工場で製造されているらしいので、この支配権をソフトバンクが握ったことになります。凄いですね。
IOT時代、キーになりそうなデバイスをコントロール出来るようになったのだから、孫社長が「これは自分が行った最大の決断で、ソフトバンクの歴史に残るはず」というのももっともです。
あと、感心したのは英国メイ首相がこの買収を「国民投票でイギリスのEU離脱が決まった後も、イギリス経済が繁栄していられることを示す」と評価したこと。ヴォーグだけ読みふけっているわけじゃない。ファッションセンスだけでなく、経済センスもなかなかですね。三本目の矢がヨレヨレ状態のどこかの国の首相はARM買収には何もコメントしていないようだけど、リオなんかで浮かれてないで、このセンス、見習った方がいいのじゃないだろうか。
将来のネットワークプレーヤは、皆、Raspberry PI Inside となりソフトバンクのロゴが貼られることになるのだろうか(^^;;;(^^;;;。
(PC_Audio) 2016/09/04
JPLAY(8)
JPLAYの話題で再開します。
写真は僕のデスクトップです。ControlPCとAudioPCでディスプレイ、キーボード、マウスを共用していますが、それらの切替器と二つのPCを接続するハブです。切替器はキーボード、マウスの差し込み口が古代の接続端子タイプ(何ていいましたっけ ? ) なので、無線マウスを繋ぐのにUSB切替器を別に用意しています。USBタイプの新しい切替器は右のリンクからどうぞ。
ハブもいにしえの古代(多分1990年代半ば)のしろものなので、とても音がよいです。「いにしえ」のである証拠は最大転送速度が100MBPS、ケースは多分鉄製で重く頑丈な作り、電源アダプタもトランス式、対抗接続させるために送信と受信をクロスさせた端子口がある、などいろいろあります。このハブに繋ぐと便利なのはControlPCとAudioPCのデータのやりとりがランプの点滅で観察出来ること。詳しくは次回に説明しますが、JPLAYのセッティングパネルからDAC link値とバッファ値をいじると、このランプの点滅の仕方がコロコロ変わるのですよね。音の変化を目でも確認出来るので、重宝しています。
二台のPCをどう接続するかについてはJPLAYのフォーラムでも話題になっています。ここが比較的最近のスレッド(jplay-51-ultrastream-network-card-issue)です。普通のケーブルでの直結方式が多数派のようです。
KS関連のカーネルモジュールのコピー
この内容については、JPLAY日本語サイトに詳しく記述(12項)されています。JPLAYのKSモードのドライバを有効にするためには必須のようです。リンク先に書かれている三つのモジュールがcoreモードでは組み込まれていないため、desktopモードのライブラリ(c:\Windows\system32とC\Windows\SysWOW64)からcoreモードのライブラリ(同左)にコピーする必要があるというものです。OSの管理する中枢のライブラリを勝手に追加変更するという、超過激(^^;;;な方法ですが、うまくいきます。
この三つのモジュールのコピー方法ですが、後述するバッチプログラムで行う方法をお勧めします。コピーコマンドを使い、コマンドラインから入力という方法もとれますが、間違えやすいし、操作も大変だと思います。
あと、教えてもらった情報ですが、オーストラリアのオーディオ関連サイトの掲示板にWindows Server R2 Core mode with Kernel Streamingというスレッドがあり、ここがcoreモードでカーネルストリーミングを有効にするための情報の出所であるようです。JPLAY日本語サイトには記載されていない情報もあり、興味深いので、一読をお勧めします。
謎なのはJPLAY英語サイトにはこのあたりの情報が一切ないことです。理由はよく分かりません。
さて、ここから話が少しややこしくなるのですが、簡単に説明しておきます。「desktopモードとcoreモードの切替」について。
desktopモードとcoreモードの切替
この件、JPLAY(2)「WindowsServerの版の選択」で解説しようかと思ったのですが、それでなくてもややこしい話をますます混乱させると考えやめておきました。
WindowsServer 2012r2は「desktopモードとcoreモードの切替」が可能です。従って、desktopモードでJPLAYをインストールしておき、coreモードに切り換えて使うということが可能です。JPLAY日本語サイトはWindowsServer 2012r2のcoreモードに関して、この方法で移行することを前提にしています。
この移行方法は2012r2では使えますが、それ以外の2008r2、2016では使えません(desktopモードとcoreモードの切替が出来ません)。このため、僕の書き込みでは、coreモードをOSからインストールし、コンソールからドライバ/JPLAYを追加し、ネットワークの設定をする方法を紹介しました。
WindowsServer 2012r2でどちらの方法をとるかはお好み次第ですが、desktopモードでインストールした音源ドライバが移行出来ない場合はcoreモードをOSからインストールするしかありません。
「desktopモードからcoreモードへの切替」はGUIでも、CUIでも可能です。やり方はググればいくらでも情報あります。簡単に紹介するとGUIの場合はダッシュボード右上の「管理」から「機能の削除」を選び、削除する機能として「デスクトップ エクスペリエンス」を選ぶ、再起動、でcoreモードに移行できます。
CUIの場合はPowerShellを起動して
powersheell
以下のコマンドを入力します。
Uninstall-WindowsFeature Server-Gui-Mgmt-Infra,Server-Gui-Shell -Restart
逆に「coreモードからdesktopモードへの切替」たい場合はPowerShellから
Install-WindowsFeature Server-Gui-Mgmt-Infra,Server-Gui-Shell -Restart
と入力すればいいです。
話を元(KS関連のカーネルモジュールのコピー)に戻します。
JPLAY日本語サイトに書かれている方法は上記の「desktopモードからcoreモードへの切替」を行う場合のものです。2008r2、2016とCoreモードのシステムをOSのインストールから作成した場合はこの方法はとれません。このため、僕はdesktopモードのシステムでUSBメモリにモジュールをセーブし、coreモードのシステムでリストアするという方法をとっています。このためのバッチプログラムも同じusbメモリのルートディレクトリに置いておきます。
以下、僕のセーブ、リストアに使っているプログラムです。
save.bat
mkdir save\System32\drivers mkdir save\SysWOW64 #for JPLAY KS mode copy C:\Windows\System32\drivers\ksthunk.sys save\System32\drivers\ksthunk.sys copy C:\Windows\System32\ksuser.dll save\System32\ksthunk.sys copy C:\Windows\SysWOW64\ksuser.dll save\SysWOW64\ksthunk.sys #for Mytec DAC copy C:\Windows\System32\dsound.dll save\System32\dsound.dll copy C:\Windows\SysWOW64\dsound.dll save\SysWOW64\dsound.dll copy C:\Windows\System32\oledlg.dll save\System32\oledlg.dll copy C:\Windows\SysWOW64\oledlg.dll save\SysWOW64\oledlg.dll copy C:\Windows\System32\difxapi.dll save\System32\difxapi.dll copy C:\Windows\SysWOW64\difxapi.dll save\SysWOW64\difxapi.dll #REG export HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\ksthunk save\ksthunk.reg
restore.bat
#for JPLAY KS mode copy save\System32\drivers\ksthunk.sys C:\Windows\System32\drivers\ksthunk.sys copy save\System32\ksthunk.sys C:\Windows\System32\ksuser.dll copy save\SysWOW64\ksthunk.sys C:\Windows\SysWOW64\ksuser.dll #for Mytec DAC copy save\System32\dsound.dll C:\Windows\System32\dsound.dll copy save\SysWOW64\dsound.dll C:\Windows\SysWOW64\dsound.dll copy save\System32\oledlg.dll C:\Windows\System32\oledlg.dll copy save\SysWOW64\oledlg.dll C:\Windows\SysWOW64\oledlg.dll copy save\System32\difxapi.dll C:\Windows\System32\difxapi.dll copy save\SysWOW64\difxapi.dll C:\Windows\SysWOW64\difxapi.dll #REG import save\ksthunk.reg
「#for Mytec DAC」はMytec DACのために必要なモジュールです。JPLAYだけなら関係ありません。
「REG export HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\ksthunk save\ksthunk.reg」と「REG import save\ksthunk.reg」はレジストリのセーブ/リストアするためのコマンドですが、JPLAYをcoreモードでインストールした場合は不要ですので、コメントアウトしてあります。
使い方は、上記内容を切り取り、それぞれsave.batとrestore.batという名前でUSBメモリに置いておきます。
desktopモードのシステムでコンソールよりUSBメモリのドライブに移動して、save.batを起動します。
g: save.bat
次にcoreモードのシステムを立ち上げUSBメモリのドライブに移動して、save.batを起動します。
g: restore.bat
このバッチプログラムは「desktopモードからcoreモードへの切替」を行う場合でもそのまま使えると思います。お使いの環境に合わせて、適当に変更しお使いください。
以上で AudioPC側の設定は全て完了しました。ここから先のAudioPCのJPLAYの設定は全てControlPCのJPLAYセッティングパネルを通して行うことになります。
P.S. ところで上記リンク先のオーストラリアのオーディオサイトの掲示板は面白いですね。
「Digital, DACs & Computer Audio」というカテゴリで最新のトピックを見ると
- JCAT USB card vs SOTM tX-USB PCI- E
- Gustard x-20u users in Melbourne
- Raspberry & DAC’s opinions and options?
- New Linux Based Server Software - Snakeoil!
- Anyone tried “Bug Head” player software
なんていうタイトルのスレッドが並んでいます。オーストラリアも日本も話題は一緒ということですかね。
(PC_Audio) 2016/05/14
JCAT USBカードとINTONA USBアイソレータ(2)
前回の記事を書いてから、こういうページを見つけました。usb vs firewireに関して興味深い記述がされています。同じサイトに今回の書き込みのテーマに関連するGalvanic Isolation、USB Isolator 、USB-Interface、USB versus USBなどの情報もあります。英語ですが、とても面白いので、リンクしておきます。
本題に戻ります。
前回、ご紹介したPCオーディオがもつ基本的な問題点(ノイズだらけのパソコンの中のUSBを使ってオーディオ機器と繋がないといけない)の解消策として、初期の段階からとられてきた対策はデータの転送をアシンクロナス転送にするというものです。これはUSB信号で送られるクロックを無視して、オーディオ側の精度の高いクロックを利用することで音質アップを図ろうというものです。この方式は効果的ですが、ノイズだらけのパソコンに対する対策にはなっていないのですよね。
オーディオ対策したUSBケーブルというものもありますが、僕は信用しません。音を良くするケーブルがあるわけがないから、ノイズだらけのパソコンの対策になっているとは思えないのですよね。USBノイズフィルターというものもあって、これが効果的な可能性はあると思います。しかし、いくつか試してみましたが、残念ながら効果的なものは無かったですね。
結局、Cubox、BBBなどのマイコンを使いUSBとマイコンの距離を最短(20センチ以下)にして雑誌の付録のUSBケーブルを使うという対策が我慢してきました。
JCAT USBカードとINTONA USBアイソレータはどちらもこういうパソコン環境に対し画期的な音質改善をする製品です。ただし、両者の対策のアプローチの仕方は正反対ですね。
JCAT USBカードはUSB接続する根元の部分で、電源の供給を外部から行い、カードをパソコン内のバスから独立させることにより高音質化を狙うというもの。
一方、INTONA USBアイソレータのパソコンのUSBから出力された信号を音源(DAC)の手前で拾い上げ、Galvanic Isolationといわれる電流の分離遮断方式でパソコンと音源を切り離し、ファームウェアの力で信号をクリーンにした後、音源に送り出そうというものです。
こういう、音の送り出し側の環境を改善し、音質の向上を狙うという製品の場合、音が良くなったというのは解像度が上がるという形で結果が出るのかと思います。
例えば、LinuxのOSをチューニングし、OSの負荷を軽くすればするほど、音の解像度は上がります。しかし、それで必ずしも音が良くなるわけではありません。むしろやりすぎると、解像度は高いが、ギスギスした音となり、音楽の鑑賞には向かないということがよく発生します。
CuboxやBBBで OSチューニングをいろいろ試しましたが、ある臨界点を超えるとチューニングしても音が良くなることはない、むしろ透明感は高いが、やせた貧弱な音やカリカリした刺激的な音になってしまうという経験を何度もしました。
この臨界点ですが、当然、試聴に使うシステムで変わります。例えばアナログ時代(1960年代~70年代)の銘記で揃えたシステムであれば、耐久力(?)は高くなるだろうし、最新の機器だったらすぐカリカリになるということはありそうです。僕の持っているシステムでも居間のシステムは耐久力は低いのですが、パソコン部屋のシステムはかなりギリギリのレベルまでチューニングできます。
また、RTカーネルにすれば、全て良くなるというものではありません。RTカーネルでオーディオ関連の処理の優先レベルを上げても、必ずしも音は良くならないです。これは話がややこしくなるので、省略しますが、このサイトの以前の書き込みで何回か書いたことがあるので、そちらを参照して下さい。
VoyageMPDなども初期はrtカーネルを使っていましたが、今では通常のカーネルの戻しています。これはrtカーネルの開発が止まったということもありますが、rtカーネルは音質アップに不安定要因となることがあるというのが理由だと思います。
さて、話をUSBに戻して、この二つの製品の場合、単に解像度が上がるだけではなく、音場感や音の空間の感じが大きく改善されるという点が素晴らしいです。解像度や透明感が上がると同時に、演奏会場の空間で聴く音楽の音がする。これは、正反対のアプローチですが、PCオーディオの問題点の根元の部分に手を入れているという改善策のおかげだと思います。この二つがいわゆるオーディオアクセサリーとまったく異なるのはこの点だと思います。
INTONA USBアイソレータの技術的な内容についてはゴンザエモンさんのサイトで的確な解説がされています。また、音質についてはasoyajiさんのサイトに自作のフィルターと比較したレビューがあります。INTONAの音質の素晴らしさについては、僕もお二人のレビューと同意見で、高解像度と音場感をバランス良く両立していると思います。お二人の感想はprosのみなので、このサイトの掲示板でお二人とやりとりした時はconsと裏話を書き込みました。詳細はこれらのリンク先をご覧ください。
という次第で、ここからは JCAT USBカードについて。
図はJCAT USBカードのブロック構成図です。マニュアルに掲載されているものをベースに多少手を加えてリライトしました。
JCAT USBカードのマニュアルはここにあります。PDF2枚のシンプルなものですが、基本的に必要な情報はここに記載されています。ただし、上図のDC5Vの外部電源コネクターについては内側/外側のどちらがプラスかの記述はありませんね。僕はテスターが導通を調べ、内側がプラスであることを確認しました。ディフォルトは内側がプラスだから、省略したということでしょうが、間違えたらハードを壊しかねない部分だから、ちょっと不親切ですね。
図で赤い線は電源ラインを青い線は信号ラインを表します。ご覧のように、IDE用のLP4 5Vと外部DC5Vを使い、NECチップからの信号線と電源線を分離させています。
JCAT USBカードの概要は上記ブロック図でお分かりいただけるのではないかと思います。まとめると
- PCI-e接続
- USB3.0対応出力 x 2、最大5Gbps
- USB 3.0 チップはNEC μDP720201使用
- 電源は LP4-5V、外部DC=5Vが選択可能
- 電源部分にLow Noise LDOをふんだんに使用
- 高精度な24MHzOSC
- チャネル毎に独立した2個の高性能フィルター(PSRR > 90dB at 10Hz)
- 良質なオーディオ電源使用時には、フィルターをバイパスさせる機能あり
というところですかね。
このカードの特長は、
- 部品に高精度、低ノイズなものを使っていること
- バス電源を使用しないで、4ピンのIDE用5V電源又は2.1/5.5 mmジャックの外部電源を使うことができること
- 外部電源が十分に良質なものである場合を考慮し、フィルターをバイパスできること
です。特に後の二つがポイントです。そして、電源の選択とフィルターの削除は2個のUSB3.0チャネル毎に独立して設定可能です。設定は基盤上のディップスイッチを使って行います。
これがディップの設定を決めるため基盤を仮接続している時に基盤の表側を撮った写真です。ブロック図と比較すれば基盤の部品構成が分かりいただけると思います。
画面右上が4ピンのIDE用5V電源の差し込み口、画面左上にUSBの差し込み口が二つ並び、その下に外部電源取り込み用の電源ジャックの差し込み口があります。画面下の中央部分にライザーカード接続している端子が写っています。
画面中央部にJ5,J7と印字されて、3つのピンが横に並び、ディップスイッチが刺されている部分があります。ここが電源の選択部分です。ピンが1-2に刺されていればPJとあるように外部電源を指定することに、2-3に刺されていれば、LP4とあるようにIDE用5V電源を指定することになります。写真ではご覧のように外部電源を使う設定になっています。
その左にJ4,J8と印字されて、3つのピンが縦に並んでいる部分があります。ここがフィルターのON/PFFを指定する部分です。ピンが1-2に刺されていればFILTERとあるようにフィルターが指定されることに、2-3に刺されていれば、NoFilterとあるようにフィルターを通さない指定をすることになります。
このようにUSB3.0の2つの差し込み口を別々に設定できるのは便利ですね。ディップスイッチの操作無しにケーブルの差し替えだけで、条件を変えた音の比較が簡単に出来ます。
音源を以下の通り切替ながら、比較試聴してみました。PC側はJPLAYデュアルモード。AudioPCは2008r2WSV,2012r2Coreを切替て使用。ControlPCはWin10です。
- Phasemation HD7-192
- Mytek Srereo192DSD-DAC
- Gustard DAC-X20(これは最近getしたもの。MytekがあまりJPLAYと相性が良くないので、切り換えて使うつもりです。これも、なかなか音が良いので、そのうちレビューするつもりです。)
Windowsとの接続に関して、要注意なのはWin7の場合のみドライバのインストールが必要なことですかね。ドライバはマニュアルにあるリンク先からダウンロードできます。
3機種ともJCAT USBカードと問題なく接続できました。
「なんだ、そんなの当たり前だろう」というなかれ。INTONAアイソレータの場合、旧ファームだとこの三機種で接続できたのはMytekだけでした。新ファームでは改善されましたが、それでも問題残りです。このあたり掲示板に書き込んだので引用しておきます。
アイソレータ内のファームウェアを使い信号をきれいにしているので、このファームウェアがうまく動かない環境だと、まったく機能しません(パソコンと繋がりません)。 実際、僕が1月はじめにgetした製品はファームウェアのレベルが低く、XMOSを使っているDAC(Phasemation HD7-192)では動きませんでした。仕方がないので、Mytec専用に使っていたのですが、「ファームが改版されて、動くようになったよ」という情報を入手し、レベルアッブ。ところが、依然、繋がらない。 「相変わらず、動かないけど、どうしたらいいの」とメールしたら、社長さん(ゴンザエモンさんの記事のリンク先で登場するシュテムラーさん)からじきじきに返事が返ってきて「お前、オーディオ用の高いUSBケーブル使っているだろう。この製品は劣化した信号を改善して、元の状態に戻すためのもので、劣化が少ないオーディオ用ケーブルでは動かないのじゃ」といわれ、唖然。それで気が付ました。高いケーブルは使っていないけど、JCAT USBカードという電源ノイズ対策をしたカードに繋いでいたのですね。外して、マザーボ内蔵チップのUAB差し込み口に繋いだら、一発で動くようになりました。
実は、このPhasemation HD7-192は筋金入りの“抵抗勢力”で、オーディオフィルターでも雑誌ステレオの2015年1月号の付録を繋いだら繋がらないということがありました。JCAT USBカードですんなり繋がったというのは画期的なことです(^^;;;。従って、他のハードとの接続でも問題は少ないだろうと思います。
さて、試聴ですが、まず電源をIDE用5V電源と外部電源で比較。外部電源はラトック社のオーディオ用ACアダプタ(RAL-AC05-03)とELSOUND社のトランス方式のもの。これは一聴して明らか。外部電源の方が断然いいです。演奏会場一階中央で聴くのと二階後方で聴くの位の差はあります。たいした差は無いだろうと思っていたので、意外でした。外部電源二つではそう大きな差はありませんでした。ブラインドで聞かされ「どちらがどちらか当てろ」といわれても区別できないレベルですね。
次に外部電源を使い、フィルターの有無で音が変わるかチェック。これは僕のもっている電源では差は出ませんでした。音源も変えてみましたが、それでも差はなし。むしろフィルターのかかっている状態の方が音が良いような気(あくまで気です、断定は出来ません)がするというレベルです。
試しに、JCAT USBカードとINTONAアイソレータを両方使って Gustard DAC-X20 に繋いでみました。これは天国的な響きがしますね。オーディオ環境が異なるので、ちゃんとした比較は出来ないのですが、メイン機で使っているaitlaboのBBB-I2S直結とほぼ同水準の音がします。PCオーディオ環境の悪貨要素をとことん排除したら、パソコンとDACをI2Sで直結したのと同じ水準の音になるというのはもっともだなと思いました。
ここまでJCATのPROSとそれを活かす使い方を紹介してきましたが、consももちろんあります。
一番大きいのPCIe接続という点ですかね。今時だと自作のパソコン以外でこのカードを接続することは困難でしょうから、かなりユーザ層は限定されることになります。簡単に繋げるという点ではINTONAが断然優位ですね。
あと、価格がちょっと高いかな。出てくる音を考えれば、安いものだとは思いますが、後述する競合他社製品と比較しても高めです。USB端子は二つ独立して使えるので、一台でみればそんなに高くはないよとは言えそうだけど。
という次第で、ディップスイッチは外部電源&Filterという設定でELSOUND社の電源と組み合わせて使っています。JCATとINTONAでの改善は他の方法ではそう簡単に得られない効果を比較的簡単に達成出来るという意味でお勧めだと思います。音質という観点ではパソコンとのI2S接続が最高だとは思いますが、ハード面で制約の多い接続方法なので、どんな環境できる出来るというわけではないので。
P.S. 試聴にはbachCage-Francesco TristanoとJohann_Sebastian_Bach,_György_Ligeti,_Kit_Armstrong_-_Bach_-_Ligeti_-_Armstrongというピアノ演奏のCD(もちろんリッピングしたもの)をメインに使いました。Francesco Tristano、Kit Armstrong、まだあまり名前は知られていませんが、間違いなく21世紀、新しいスタイルのピアノ演奏の世界を切り開いていく演奏家達だと思います。
どちらのCDもバッハと現代曲(リゲティ、ケージなと)の組み合わせというのがいいですね。バッハと現代曲がまったく違和感なしに連続して演奏されるというのが凄い。
この二枚を試聴用に選んだのは、どちらの演奏も微細なタッチの違いを駆使してバッハやケージ、リゲティの表情付けをしている点です。JCATやINTONAによってUSB信号がクリーンになることでこのタッチの違いがはっきり分かるようになるのですよね。違いを検知するにはとても良いソフトです。こういう演奏をJCATやINTONEで聴くと、「新しいハードが新しい解釈を分からせてくれる世界が有るなぁ」と思います。
P.P.S. 冒頭に紹介したサイトの二つ目のリンクにJCATの競合製品が紹介されています。「SOtM tx-USB US$ 300」と「PPA Studio TOP GRADE USB 3.0 CARD US$ 169」の二つ。SOtMの製品については、asoyajiさんのサイトに情報がありますが、PPA社については日本語の情報がほとんどありませんね。ComputerAudiophileでの評価はまあまあなのですが、日本で使った人はいないのですかね。
(PC_Audio) 2016/04/16
JCAT USBカードとINTONA USBアイソレータ(1)
JPLAYに関する書き込みは一回お休みにして、USB接続の音質向上に効果的なハードを二つ紹介します。どちらも日本ではまだほとんど話題になっていませんが、欧米のオーディオ掲示板では長いスレッドで議論されていて、日本のオーディオファイルにもっと知られても良い製品だと思います。
二つとはカナダAdnaco Technology社のJCAT USB カードとドイツINTONA社のUSBアイソレータです。JCAT USBカードについては、JPLAYご推奨の製品で、英語と日本語のサイトでも紹介されています。
写真はセットアップする前に AudioPC の上に置いた JCAT USB Card です。このパソコン、書き込み終わりの写真を見ていただくと分かりますが、オーディオ機器と同じレベルの薄型です。格好はいいのですが、カードの増設には苦労します。取り付ける時の悪戦苦闘の物語については後で書きます。
USBアイソレータに関してはJPLAY(0)に写真を掲載し、簡単な紹介をしています。またその後、掲示板でゴンザエモンさん、asoyajiさんとやりとりしたログが残っています。
最初にことわっておくと、僕はアンチケーブル教宗派門徒の一員です。アンチケーブル教宗派とは「ケーブルによってオーディオの音が良くなると信じない(ケーブル以外にも、ラックとか、置き台とか信じられないものはいろいろありますが)」宗派のことです。ネットのオーディオマニアからは顰蹙をかっているようですが、総本山はこちらですかね。ケーブルによって音が変わらないと主張するわけではありません。ケーブルで音が良くなるわけがないと考えているのです。ケーブルは必要な性能が確保されていれば十分で、10K円を超えるものを使う気にはなりません。
というわけで、この手のアクセサリーにはあまり興味はないのですが、USB接続に関連するものは例外。理由は音の良さに直結するから。しかし、説明しないと何のことやら分かりませんね。
Bad Money | Good Money |
---|---|
CD | LP |
USB | FireWire |
SPDIF | I2S |
この表なんだかわかりますか。オーディオの世界で悪貨が良貨を駆逐するという表です。左が悪貨、右が良貨。
CD vs LP については説明不要でしょう。偏見を承知で書くと、CD規格はポップス音楽の為に開発された規格でクラシック音楽のためのものとは思えません。PAで鳴らす、元気一杯、騒々しいだけの平面的な音楽のための規格で、演奏会の雰囲気を感じさせる、繊細で空間感の必要な音楽には不向きな規格ですよね。 CDがこれだけ普及した理由は音の良さではなく、コンパクトさと操作性が理由です。もっとも、PC/ネットワークオーディオが誕生して、その利点は消散。数年後に消え去る運命のメディアだと思います。まあ、CD規格(16ビット、44.1KHz)は容量がコンパクトなわりに音がまあまあ(いわゆるハイレソと比較して音質に大差はない)という理由で残るでしょうが。
二番目の USB vs FireWire ですが、PC/ネットワークオーディオが誕生時に簡便だという理由でUSB接続をディフォルトにしたのが躓きのはじまり。それ以前のDTMの世界では FireWire がディフォルトだったのですよね。また映像や音楽の処理を得意とするApple社は音楽映像処理については USB ではなく FireWire をディフォルトとしていました。しかし、いまではAppleもUSBがメインになっているようです。凄い浸透力ですね。まあ、firewireがusbに対して優位にあったのは速度、距離と電源の安定供給だったわけで、usb3.0規格が出てきて、そのあたり優位性が薄れたため、firewireはもう駄目という感じです。
オーディオ処理にとってUSBの問題点は信号線、電源線共にバス接続であることです。同じバスにCPUとかディスプレイチップなどノイズの発生源となるハードウェアが繋がれているわけだから、影響を受けないわけがない。この書き込みにこのあたりの事情が詳しくかかれています(アンチPCオーディオの方の書き込みですが、問題点の指摘は的確だと思います)。
三番目の SPDIF vs I2S については以前の書き込みで書いたことがあります。詳しくはリンク先を読んで頂ければいいと思いますが、ポイントとなる部分だけ引用すると
I2Sは4本の信号線で接続されるので、精度は出しやすいが、(もともと機器内部のICチップ間接続のため開発された規格なので)ケーブルの長さをあまり伸ばせないという弱点があります。一方、spdifはI2S規格のケーブル線長を長く伸ばせないという問題点を解決するためのもので、4本の信号線をひとまとめにして同軸ケーブル(シリアル伝送)を使い、接続するものです。シリアル伝送ですので、距離にはあまり影響を受けません。従って、オーディオ装置の間を繋ぐのにはこちらが使われています。 spdifの問題点は、I2S規格ではワイヤを4本使い、データとクロックの信号線が独立しているのに対し、spdif規格ではデータとクロックを一本のケーブルを使って送るため、いっしょにしてしまった点です。このため、spdif信号はデータとクロックを綺麗に分離して取り出すこと(元のI2S信号に戻すこと)が難しくなってしまいました。特にクロック信号が精度良く送れないため、spdif信号を通すとクロックにジッターが乗り、音が悪くなると言われています。
となります。
さて、この三つの悪貨をどうやって回避するか。
一番目は、簡単で、LP派に転向するか、PCMをやめてDSDを使えばいい。まあ、CDフォーマットでしか供給されない演奏はどうするのとか、DSDファイルをパソコンを使って再生すれば、「パソコンとDDCの間はUSB接続だよね」という問題は残ります。
二番目は直前のリンク先の記事にあるようにRaspberry-PIやBeagleBone BlackなどのようなGPIO接続でI2S信号が直接取り出せるようなマイコンを使いPCとDACを直接繋ぐという解決策があります。ただし、この解決策はハードをいじる必要があり、ちょっとハードルが高いです。
三番目はDDCを独立させないで、DDCとDACが一体化したDACを使えば、内部の接続はI2Sになっていますから、問題はありません。DDCとは「百害あって一利なし」というハードだから、「使わないで済むなら、使わない」か「DAC内部に組み込んでI2S接続で使う」というのがPCオーディオでの正しい作法です。
結局、この「悪貨は良貨を駆逐する」問題は、PCオーディオがスタートした時、USB接続というおよそオーディオ向きではないインタフェースでパソコンとオーディオ機器を接続したということに起因する部分が大きいです。最初のボタンの掛け間違えが原因だから、ボタンを掛け替えるという解決策しかないということになります。しかしパソコン/ネットワークオーディオがここまでポピュラーになったのはUSBという簡便なインタフェースを採用したことが大きな理由ですので、今更ボタンを外すことは出来ない。従って、この問題は CD vs LP と同じような構図(音に良いからでなく、便利だから優位になった結果、取り返しがつかない)になっているわけです。
さて以上が長い長い前置きでした。あんまり長くなったので(^^;;;、今回はこれでお終い。次回以降に続けます。
最後にJCAT USB カードをAudio用PCに実装した写真をお目にかけます。
ご覧のようにこのパソコンは超薄型で高さが7センチ位しかありません。オーディオラックに入れるのに便利なのですが、こういうカードを刺す時、大変なのですよね。写真左上がマザーボード、右上がディスクスペースですが、その間の僅かな隙間がカードの収納エリアです。高さがないので、カードは横置きにして、ライザーカードを使ってマザーボードに接続することになります。このライザー方式ではセットアップする時、カードを半回転する必要があるので、結局カードを裏返しして付けることになります。次回に詳しく説明しますが、このカード、ディップスイッチを使って、電源をどこから引き込むかフィルターを使うかという設定が出来るのですけど、裏返しだといちいちカードを取り外さないといけない。大変なので、ちょっと乱暴ですがセットアップ中は表向きで置いたままで音を確かめ設定方法を確定するという方法で対応しました。
p.s. CDフォーマットをさんざん腐しましたが、初めてCDでグールドの1981年版ゴールドベルクを聞いた時の驚きは忘れられません。「グールドのつぶやきがこんなに鮮明に聞き取れるとは」とビックリしました。演奏も凄かったので、とりあえずプレーヤは持っていないのに、衝動的にCDを買ってしまったことを思い出します(^^;;;。
この演奏のLPレコードも持っています。グールドの演奏は演奏会場を前提としていないので、LPの方がCDより良いという感じにはならないですね。このあたり面白いなぁと思っています。
(PC_Audio) 2016/04/09
JPLAY(7)
ここからはCUIによるネットワークの設定の仕方です。coreモードの時はこれで設定することになります。CUIといえ、sconfigという対話型のコマンドが使え、比較的簡単に設定できます。僕はdesktop環境でもこちらを使っています。
CUIで固定ipアドレスの設定
sconfigというネットワークの様々な設定をまとめて行う機能を使います。起動するにはコンソールから
sconfig
と入力して、改行します。
自動的にPowerShell(コンソールの機能拡張版)に移って、ネットワーク関連の処理をするメニューが表示されます。あとはインタラクティブに操作が出来ますので簡単です。JPLAYを使うために必要なネットワークの設定は、ファイアウォール関連のものを除き、全て scopnfig で出来ます。
8(ネットワークの設定) -> 直結回線を選択(どちらが直結回線かはipアドレスと説明で判断)->
1(ネットワークアダプタアドレスの設定) -> s(静的) -> 192.168.2.1(ipアドレスを入力)
これだけですので、GUIより楽です。
sconfigについては、この他に 2)コンピュータ名、4)リモート管理の構成、7)リモートデスクトップ などが設定可能です。この三つはオプショナルで必ずしも必要はありません。2)は解説不要と思います。4)と7)について若干説明をします。まず、4)リモート管理の構成。
4)リモート管理の構成は変更する必要はありません(ディフォルトが有効。サーバ管理のための機能ですから、普通は使うことはないと思います)。ただし、メニュー3番目の「pingに対するサーバ応答」はディフォルトが無効になっているので、pingを使うためには、有効に変更する必要があります。図にあるようにメニューから 3(pingに対するサーバ応答を入力) をすると、問い合わせダイアログが出てきますので、「はい」をクリック。何でpingを通さない設定がディフォルトになっているのかは謎です。pingは何かについては最後に説明します。ネットワークの接続確認に必須のツールなのに、不思議です。
7)リモートデスクトップを有効に設定します。僕がこの機能を使うのはcoreモードのスナップショットを撮る時位ですから、必須というわけではありません。7(リモートデスクトップ) -> e(有効) -> 2(任意のクライアント) と入力します。しつこく「低セキュリティだが本当にいいのか」と確認を求めてきます。直結接続なので、余計なお世話です。「はい」と答えます。
ところで、sconfigはWindowsServer 2012r2以降ではdesktop版、core版のどちらでも使えるのですが、2008r2ではcore版だけでしか使えません。これも何故そうなっているのか謎です。しかし、使えないものは仕方がないので、GUIでやるしかありませんね。リモートデスクトップの設定は システムのプロパティ -> 詳細設定 -> リモートデスクトップ で設定できます。
ついでに、Windows 8 のノートブックからリモート接続時のログイン画面をご紹介。
起動はスタートメニューのWindowsシステムツールの中の「リモートデスクトップ接続」をクリック。
上図の通りメニューが出るので、ユーザ名とパスワードを入力。
で接続できます。この時、要注意なのはユーザ名を「接続するコンピュータ名\ユーザ名」としないといけないことがあること。必ずそうなるというわけではなく、僕の環境ではdesktopモードのみそうなります。coreモードだと、ユーザ名だけでOKなのですが、なんでですかね。ググるといくらでも情報はありますが、理由は謎のままです。さっきから「謎だ、謎だ」と書き続けていますが、こうやってみるとネットワークまわりは本当に謎だらけですね(^^;;;。
CUIでファイアウォールの設定
直結回線(イーサネット)側のファイアウォールを無効化します。この場合はバブリックネットワークとなりますので
netsh advfirewall set publicprofile state off
とコマンド入力。確認は
netsh advfirewall show publicprofile
で確認できます。何故外部と繋がっていない直結回線がパブリックなのかは謎です(^^;;;。と書いた後調べたら、こことここに情報はありました。しかし、読んでみたけど、謎はとけませんね。
pingによる接続確認
ここまで終わったらControlPCとの接続確認を行っておいた方がよいでしょう。
pingというのは折り返しテストによるネットワーク導通の確認コマンドです。上図はAudioPCから、ipアドレス 192.168.2.2 のControlPCの接続確認し、完了した時のものです。
要するに198.168番地2棟1号室から2棟2号室に「このメールを受け取ったら、直ちに返信してね」という手紙を出し 、198.168番地2棟2号室から返事が帰って来たということですね。ネットワークの世界ではこのようにしてお隣さんが留守でないことを確認します。
自動ログオン
ここ(マイクロソフトのサイトです)にあるAutologonというプログラムを使うのが簡単です。
使い方はご覧の通りです。
これでAudioPCは電源ボタンONだけでJPLAYが開始し、電源ボタンOFFで停止します。これでAudioパソコンはオーディオ装置なみになりますね(^^)。
ただし、こいつはかなり危険なプログラムなので、専用化したAudioPC以外では使わないようにしましょう。
(PC_Audio) 2016/04/03
JPLAY(6)
ネットワークの設定
本題に入る前にAudioPCとControlPCのハード的な接続方法について。
JPLAY日本語サイトでは
- LANケーブルにより2台をダイレクトに接続する
方法を推奨していますが、他に
- LANクロスケーブルを使う
- 専用ハブを使う
- インタネット側の回線を共用する
という方法があります。
このうち、最後の「共用」というのは高音質追求からみて論外ですから省いて、残りの三つは試してみて決めるという感じになるかと思います。この辺に関してはJPLAY英語サイトのフォーラムでも話題になっていて、こことかここのスレッドで議論されています。僕は専用ハブ方式をとっています。たまたま空いていた音の良い古代(20年位昔のもので、電源アダプタはトランス式。頑丈な作りですが、最大100MBPS。速度は音に影響しませんね)のハブがあったので、それを使っています。
クロスケーブルというのはケーブルの中で送信ラインと受信ラインをクロスさせているケーブルです。昔(20世紀のことかな^^;;;)は直結する時はこのケーブルを使うしかなかったのですが、最近はドライバでソフト的にクロス状態を検出して補正するようになったので、クロスしていない普通のケーブルも使えるようになったらしいです。普通のケーブルを使った場合はと比較すると、補正のための余分な処理が入るので、当然音には影響すると思います。
さて、本題に戻って、ネットワークの設定はdesktopモードではコントロールパネルから操作するのが、Windowsクライアントと同じ方法で操作出来るので、簡単でしょう。
コマンドラインからも操作できます。この場合は操作方法はcoreモード、desktopモード共通となります。
JPLAYをデュアルモードで動かすために、必ず操作する必要(must)があるのは
- 直結回線の固定ipアドレス
- 直結回線が接続されているドメインのファイアウォールをオフ
となります。他にオプショナル(必須ではない)ですが
- 自動ログオン
- リモート管理(pingに対するサーバ応答)、リモートコンソール
の設定が可能です。
GUIで固定ipアドレスの設定
ipアドレスというのはネットワーク上でその装置を認識するための住所のようなものです。例えば上の例だと192丁目168番地の第2棟1号室という感じです。頭の二つの数字が番地、下の二つの数字が番地の中の建物と部屋を意味するという仕掛けです。この情報があるから、機密漏洩した海上自衛官が逮捕されちゃったりするのですよね。
まず、どちらが直結されているネットワークか識別する必要があります。
僕の環境では、コントロールパネル->ネットワークと共有センタ で「イーサネット2」「イーサネット」が表示されますので、
ネットワークと共有センタ(イーサネット)->イーサネットの状態(詳細)->ネットワーク接続の詳細
を表示させ、装置名(説明)、ipアドレスなどから判断します。
ネットワークと共有センタ(イーサネット)->イーサネットの状態(プロパティ)->インターネットのプロパティ(TCP-IPv4)->IPv4のプロパティ
図のように初期設定されていますので、下図の通り変更します。サブネットアドレスは特に指定しなければ「255.255.255.0」が補完されます。
この作業はAudioPCとControlPCの両方で行う必要があります。以上の説明はAudioPC側です。ControlPC側の操作方法は同じですが、セットするipアドレスは「192.168.2.2」に変わります。
ちなみに、ControlPC側ではネットワーク名が「イーサネット3」「イーサネット」と表記され、「イーサネット」が直結回線接続のネットワークですね。 2と3という具合にネットワーク名に差が発生する理由は謎です。
GUIでファイアウォールの設定
ファイアウォールというのは防火壁のことですが、ネットワークの世界では、クラッカーの進入を防止するため防護壁です。マイクロソフトOSではOSに標準装備されていて、ディフォルトで有効になるようになっています。インタネットでブラウジングと買い物位しかしないという一般的な使い方では、ファイアウォールを意識する必要はありません。
しかしながら、JPLAYデュアルモードでAudioPCとControlPCを直結接続すれば、れっきとしたネットワークですので(他には影響はしませんが)、ファイアウォールが設定されます。これが、2台のパソコンを繋ごうとすると、「お前、勝手なことをするな」と邪魔をするのですよね。従って、こいつを黙らせる必要があります。
コントロールパネル->ネットワークと共有センタ で左下の(Windowsファイアウォール)をクリック
Windowsファイアウォールの左上の(Windowsファイアウォールの有効化と無効化)をクリック
直結側のファイアウォールを無効化します。
間違えて、インタネット側のファイアウォールを無効化しちゃうと、貴方のパソコンは進入し放題。「パンツを履かないで公道を歩く」(某ネットワーク関係者談)ようなもので、危険極まりないですから、ご注意ください。
直結側のファイアウォールの見分け方はipアドレスの設定の項を参照。図ではイーサネットに対応する(アクティブ)ネットワークですから、パブリックネットワークとなります。
この作業もAudioPCとControlPCの両方で行う必要があります。
(PC_Audio) 2016/03/27
JPLAY(5)
WindowsServerの設定
WindowsServerの設定はデュアルモードでも、シングルモードでも同じです。また、設定の操作方法は、WindowsServerのdesktopモードとWindowsクライアント(Windows 7/8/10)で差はありません。coreモードに関しては、desktopモードではGUIで行う操作を、コンソールからCUIで実行すればいいだけです。
というわけで、以上で解説を終了させてもいいようなものですが、それではあんまりなので、蛇足(^^;;;をいろいろ。
- ネットワークの共用とサウンド機能のオン
- 前回説明しました。coreモードでは不要、desktopモードでのみ必要です。何でですかね。不思議です。
- マザーボード/音源ドライバのインストール
- これは環境次第です。なにをインストールする必要があるかは管理画面でチェックできます。僕の場合は下図の通りですので、USB-LANドライバとMytecの音源ドライバをインストールしました。desktopモードの場合、やり方はクライアントOSの場合と同じです。coreモードの場合はdesktopモードでインストールしたドライバに対応するインストールプログラムを捜し、コマンドラインから起動します。
マザーボード内蔵音源のオフ
マザーボード内蔵音源はBIOSでオフにし、ドライバもアンインストールしておくことをお勧めします。JPLAYを使おうというのに音の悪い音源を残しておくことはないでしょう。実際、dpclatでリアルタイムのレイテンシーを測定しましたが、オフにすることで若干改善します。
- アプリケーション(JPLAY、foobar)のインストール
- JPLAYは解説不要でしょう。coreモードの場合はコマンドラインからインストールプログラムを起動して下さい。foobarはJPLAYの動作確認のためインストールしています。動作確認は不要ならインストールする必要はありません(coreモードではインストールできません)。インストール方法の情報はインタネットに山程あるので、ここではfoobarをdsdネイティブ再生させる時の設定方法をスライドショーします。
foobarのJPLAYを使いDSDネイティブ再生するのためのインストール方法
インストールするコンポーネントは強調表示されている ASIO_support(foo_out_asio)、Super_Audio_DSD_Decoder、WASAPI_output_support です。下のInstallボタンで選択し、Applyボタンで適用する。
DSDネイティブ再生するにはASIO Proxy(foo_dsd_asio)を追加インストールする必要があります。プラグインのインストールはこれでお終い。
Output Device は foo_dsd_asio を選択します。
asio deviceで foo_dsd_asio をクリック。ASIO Driver としてJPLAYを選択します。
あとは tools->sacd でDSDを設定すれば完了です。
インストール用USBメモリ
ドライバやアプリケーションなどインストールのために必要なフソトウェアをUSBメモリにまとめておくと便利です。下図は僕の環境のインストール用USBメモリからCorechipSemiconductarのUSB-LANアダプタ用のドライバを起動し、完了したところです。
coreモードではこのUSBメモリを刺したドライブに移動。セットアッププログラムを起動すればいいわけです。下図はJPLAYのインストールするためセットアッププログラムを起動しようとしているところです。
こういう長いプログラム名の時はタブキーを使った補完機能(一文字入力してあとはタブキーをおすとプログラム名全体を補完してくれます)が効果的です。これがないとやってられないですよね。